J0002500

建築構造・環境概説

Outline of Building Structures

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授林正司この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

建物は、デザインだけでなく、その安全性、快適性についても、これまでに蓄積された技術に基づいてさまざまな検討の上に作られている。
実際に設計する立場になったときにも、やはり、技術的な裏づけのある安全で快適な空間を考えなければならない。これらを理解するためには、高度な科学技術を理解・応用できる能力を時間をかけて習得していく必要がある。
この科目では、導入部として、その基本となり、建築の専門家となるために最初に知っておくべき、構造や環境・設備に関するさまざまな現象や技術、用語などを理解して、今後学んでゆく内容を把握できるように、わかりやすく説明する。ここで触れる基礎的な知識は、将来技術係の専門家になるものだけではなく、広く建築関係に携わる者にとっても、必須な内容がほとんどである。
(構造)
建物の重さや使うときに架かる荷重、あるいは地震・風などの力に、建物が耐え、安全で美しい建築空間を作ることが理想である。この講義ではこのような力に耐える空間を作るためには何を考える必要があるのか、何を知っておく必要があるのか、また新しい空間をどのようにして作ればよいのか、その場合には建物を構成する各種部材にどの程度の力が加わるかを学び、さらにそのために、どのような種類の力が作用して変形や破壊が生ずるのか、を学ぶ。建築空間の可能性を構造が含んでいることをこの講義で感じてほしい。
(環境)
建築環境は、人間と建築の接点であり、心理的・生理的な側面に対して物理的に解明し、その対策に取り組む学問である。ここではその導入として、建築環境を構成する要素および基本的な考え方、また建築環境を改善するための手段としての建築設備の基本的な考え方を学ぶ。

技術系の学問は積み重ねが必要であり、とりつきにくい部分と思われるが、安全性・快適性にかかわる技術知識は、諸君が幅広い判断力を持った建築に関するプロと評価を受けるとき、ここで語られる知識は少なからず影響すると信ずる。

達成目標

1.建物の安全性、快適性についての技術的・工学的な判断をする基礎力を得る。
2.建築材料とそれによる構造の特性、構造手法による形態の可能性を学ぶ。
3.種々の力によりどのように構造物が支えられ、また崩壊するのか理解する。
4.建築環境の構成要素を理解するとともに、建築設備の基本的な用語を理解する。
5.建築環境の構成要素を理解するとともに、建築設備の基本的な用語を理解する。

授業計画

1.建築構造とは
  ・建築物の設計と構造設計との関係
  ・材料と構造の関係
2.建物に働く力
  ・建物に働く力の種類(自重、積載荷重、短期荷重など)
  ・地震荷重と耐震構造
  ・地震力の原因とその規模・強さ
  ・地震の被害
  ・免震構造、制震構造
3.構造材料と構造  
  ・材料の各種特性
  ・材料の力学特性と構造形式との関係
4.構造部材に働く力
  ・部材に働く力の種類と特徴
  ・どのように支えるのか
  ・梁の原理、トラスの原理、アーチ、シェル、膜、吊り構造など
5.木造建築について
  ・木造建築の仕組み
  ・木造建築の特徴
  ・木造建築の可能性
6.金属系、鉄筋コンクリート系各種構造
  ・鉄骨構造とその特徴、可能性
  ・鉄筋コンクリート構造とその特徴
7.建物を支える
  ・土の性質
  ・基礎
8.建物構造形式の力学的な分類
  ・圧縮材のみで構成される建物、引張材と圧縮材で構成される建物、曲げで抵抗する建物
9.建築構造の可能性
  ・力の流れと建物のかたち(構造の合理性と造形性の関係)
  ・新しい技術
10.中間試験(構造)
11.建築環境と建築設備
・建築環境とその構成要素、物理量と心理量、建築心理と生理、建築設備の役割
12.水の流れ
・水と地表水、上下水道の歴史、水質の基準、給排水・衛生設備
13.空気の流れ
・大気と室内空気、熱と空気質、空気環境指標、空気調和・換気設備
14.エネルギーの流れ
・建築とエネルギー、電力・ガスの供給、電気設備
15.テスト

評価方法と基準

数回のレポートおよび中間・期末試験にて評価

教科書・参考書

教科書 
(構造)
建築の構造(彰国社)

(環境概説)
必要な資料は講義時に配布する。

履修前の準備

建築に興味を持つこと

オフィスアワー

講義日

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合25%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:47:32 JST 2012