J0410000

鋼構造の設計

Design of Steel Structure

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
講師金田勝徳この授業の2011年度のアンケートを参照

授業の概要

鋼構造は小規模な戸建住宅から、大規模な工場建築、超高層建築、そしてスポーツ施設などの大空間建築まであらゆる建築に用いられる構造である。それは鋼構造に用いられる鋼材が、他の構造材に比べて高精度、高品質、高強度、高靭性などの優れた材料特性を持っているためである。しかしその反面、高強度ゆえ過小部材断面による剛性不足が引き起こす振動障害、過大なたわみ障害などの問題がしばしば見られる。また様々な形状の部材を組み合わせて全体架構を構成するため、部材相互の接合部や納まりの設計に注意を要する構造である。
本講義では鋼材の生産過程、材料特性から、鋼構造の部材設計方法までを、課題演習と実施例を交えながら学ぶものとする。

達成目標

1.構造設計の内容と役割を理解する。
2.他の建築構造材と比較しながら、鋼材の材料特性を理解する。
3.構造部材に発生する各種の応力を理解する。
4.鋼構造の部材設計方法を理解する。
5.鋼構造がどのように設計されて、施工されるかを理解する。

授業計画

1.ガイダンス
  構造設計の流れ
  構造設計における問題
  過去の地震被害と構造設計法の変遷
2.建築構造
  各種構造材料の特性
  各種構造種別の特徴
  構造形式のいろいろ
3.鋼材の特性
  鋼材の材料特性
  力学的特性
  建築構造用鋼材の種類
4.鋼材の生産
  製銑から圧延
  高炉のメカニズム
  製鋼
  圧延
5.構造設計
  構造設計の概要
  構造計算の概要
  応力の種類
  鋼材の基準強度と許容応力度
  たわみの許容量
6.引張材の設計
  引張材の概要
  引張材の設計 
  テンション構造の実例
  演習課題の説明
7.圧縮材の設計(その1)
  圧縮材の概要
  弾性座屈 — オイラーの座屈理論
  非弾性座屈
  許容圧縮応力度
8.圧縮材の設計(その2)
 座屈長さのとり方
  局部座屈、幅厚比
  曲げモーメントを受ける圧縮材
  圧縮応力のみを受ける支柱の実例
9.曲げ材の設計
  曲げ材の形状
  曲げ応力
  横座屈
  許容曲げ応力度
  せん断応力
10.接合の設計(その1)
  ボルト接合
  高力ボルト接合
11.接合部の設計(その2)
  溶接
12.耐震設計(その1)
  鋼構造建築の震災被害例
13.耐震設計(その2)
  鋼構造における耐震設計法の概要
14.鋼構造建築の事例(その1) 
  トラス、超高層建築のいろいろ
15.鋼構造建築の事例(その2) 
  アーチ、張弦梁のいろいろ

評価方法と基準

課題演習(40%) レポート(40%) 出席点(20%)

教科書・参考書

教科書 「鉄骨構造」橋本篤秀 他著
参考書 鋼構造の設計に関する著作多数

履修前の準備

「力学の基礎」「構造力学」「構造力学演習」を履修しておくこと

学習・教育目標との対応

最終的には鋼構造の柱、梁、ブレース、接合部など主要な部材設計の基本を身につけるため、課題演習と多くの実施例を通して鋼構造全体について説明をする。
またその際用いられる計算式の成り立ちと、それが何を意味するかをできる限り平易に説明する。

オフィスアワー

毎週木曜日の午後

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:47:35 JST 2012