J0500800

建築計画

Theory of Architectural Planning

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授南一誠この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 「建築構法計画」は構法の設計・開発までを含み、建築計画学だけでなく、建築構造学や環境工学、あるいは材料施工学など、様々な分野の成果をベースに成立するものである。建築計画の一分野としての「構法計画学」を、実務での応用を考え、「総合」の立場から、さまざまな専門分野に分化された建築設計に対する知見を、総合的に整理・体系化する。
 建築の構法は,それを形成する材料や部品,工場加工や現場施工,供用される建築に求められる各種の条件などの進歩や変化に適応することが求められる。国内外の建築生産技術の発展とそれに対応した構法開発の変遷過程を学習し、建築設計の技術的内容を規定する自然条件、社会条件、文化的条件などについて理解する。こうした構法のあり方について的確に理解できる資質を養成するべく,建築構法に関する理論,手法などについて,技術開発のエポックとなったプロジェクトや最新や実例などを通して修得する。

達成目標

1.建築に関する企画、設計、施工、保全、維持管理・運用などの流れの包括的理解
2.戦後の建築生産、建築構法の発展過程とその意義の理解
地域の固有の条件と建築計画、建築構法計画の関係性の理解
3.集合住宅の多様性、可変性とそれに対応する構法設計の理解
ユーザー参加による住宅建設と専門家の役割に対する理解
4.地球環境問題と建築の長寿命化手法、省資源化手法の理解
5.サステイナブルビルディングなど最新の建築構法設計の理解

授業計画

1.構法計画と建築生産
 日本の構法研究、構法開発の経緯と社会的意義
 建築構法における材料、労務、資本の関係
2.システムズ・ビルディング
 プレハブリケーション、建物の組立手順
 寸法調整手法(モデユラーコーデイネーション)
 建築の工業化と建築家の役割
 学校建築におけるシステムズ・ビルディング
3.工業化建築・工業化住宅の構法計画
 手法・技術・条件、設計・開発、製造、現場生産、供給
 木質系プレファブ、鉄綱系工業化住宅(パネル工法/ユニット工法)
 コンクリート系(大型PCパネル住宅、基町高層住宅、ASTM?高層工業化住宅の開発)
 プレハブ住宅の対比として見た日本の伝統的木造住宅
4.建築部品・住宅部品開発
 集合住宅用の内装システムの開発
 KEP3公団住宅実験計画
 住宅生産における部品化と物流・施工体制
5.建築生産のオープンシステム
 工業生産されたオープン部品による住宅供給システム
 現代の建築部品・構法の変遷、開発の背景条件
 各種金属製部品、設備部品、内外装仕上構法
6.多様性と可変性、可変性と耐久性
 アダプタビリティーとフレキシビリティ
 スケルトン・インフィル、KSI
 オープンビルディングの基本理念
7.建築の寿命
 建築の長寿命化、建築の耐用性。
 耐用計画・設計と各部構造の設計。
 建設後の建築の維持保全、保全計画。
8.ストック活用と地球環境問題
 解体・廃棄とリサイクル、地球環境問題との関係
 団地再生の事例と手法(海外の事例、高齢者対応)
 環境共生住宅
9.リニューアルの技術
 ライフサイクルを通じた建築物の状態、耐久性と工法、コスト。
 大規模リニューアルの手法と判断基準
 工業化建築部品による団地再生、国土交通省のストックマネジメント
10.コンバージョンの意義と可能性
 海外のコンバージョンの事例と背景
11.コンバージョンの技術的手法
 日本におけるコンバージョンの事例、制度、技術的課題。
12.ライフサイクルコスト
 長期耐用計画とコスト、施設運営。
13.ファシリティマネジメントと建築経営
 地方自治体などの取り組み 東京都、三重県、青森県の事例
 公共工事の品質確保と発注方法、PFI
14.高度な構法設計の実例
 環境制御と構法開発、サステイナブルビルディングの構法設計
15.期末試験・レポート発表

評価方法と基準

講義中に行う小テストとレポートの総合評価による。
(詳細は第1回目の講義で説明します。)

教科書・参考書

参考図書
「建築再生の進め方 ストック時代の建築学入門」、松村秀一他、市ヶ谷出版、2007年、ISBN 978-4-87071-229-4
「サービス・プロバイダー  都市再生の新産業論」、野城智也、彰国社、2003年
「コンバージョンが都市を再生する、地域を変える 海外での実績と日本での可能性」、日刊建設通信新聞社、2004年9月
「団地再生 甦る欧米の集合住宅」、松村秀一、彰国社、2001年
「マネジメント時代の建築企画」 日本建築学会、技法堂出版、2004年
「進化する建築保全」 巽和夫ほか、学芸出版社、2002年
「長生き建築のしくみ ライフサイクル計画論」小原誠、彰国社、2002年
「建築生産のオープンシステム」 内田祥哉、彰国社、1977年

履修前の準備

2年後期「建築の性能と構法」を履修すること。
講義前にシェアフォルダー(配布用)を確認すること。

オフィスアワー

講義終了後。
研究室在室時は随時対応します。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合25%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:47:38 JST 2012