J0480300

建築施工計画

Planning for Operation of Construction

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授枝広英俊この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

最近の施工技術の進歩は、建築物の高層化や大規模化とも相まって著しい変革を遂げている。また、一方では伝統的な技能の継承が重要視されている。そこで本講義では、建築生産システムの中で請負業としての建築業がどのように成立・発達してきたのかを論じ、合わせて現状での特質や問題点についても触れる。また、施工計画にあたっての各種関連法規や見積り・積算及び工事管理計画の基本について、事例を通して学ぶ。さらに、建築施工技術の基本となる基礎工事や仮設工事及び各種躯体工事等については、各工事別の知識と方法論を通じて、工事計画と工事管理の技法を修得し、合わせて、他の関連分野(意匠、構造、設備など)との結びつきや、施工計画の役割・意義などについて概説する。

達成目標

1.建築生産における建設業の変遷と実状及び問題点等について理解するとともに、自らのものづくりに対する考えを述べることができる。。(【授業計画】の1〜6に対応)
2.施工計画にあたって、主に躯体工事の品質管理、工程管理、安全管理、原価管理などについて理解し、実例や演習を通じて、基本的な計画ができる。。(【授業計画】の5に対応)
3.各種工事の施工管理について、その手法や評価の考え方を理解する。。(【授業計画】の7〜15に対応)

授業計画

1.施工業務の概要
  ・建設業の種類、特質、変遷 
  ・施工法の変遷
  ・技能と技術、施工管理と監理
2.施工関連法規・諸届け
  ・建設業法、建設基準法、労働基準法、労働安全衛生規則、建築士法、道路交通法など
  ・各種諸届と提出先
3.建築経済・諸問題
  ・建築活動の内容と量(投資と市場)
  ・請負契約、見積りと積算
  ・発注・入札方式、下請問題、労働問題、建築産業の現状と将来
4.工事計画、施工図
  ・設計図書の熟読、理解 
  ・事前調査
  ・施工図、施工計画図、施工計画書
5.工事管理
  ・現場員の組織と編成
  ・各種管理(品質、原価、労務、安全、資材など)
  ・ネットワ−ク手法による工程管理
6.測量
  ・測量の種類と方法(平板、レベル、トランシットなど)
  ・測量機器の扱い方と演習及び測設
7.仮設工事の施工計画
  ・仮設計画書、工事計画の基本(法規、運搬、揚重など)
  ・仮設物の種類と機能および目的
8.仮設工事の施工計画
  ・地盤調査(標準貫入試験、ボーリング、柱状図)、土工事
  ・山留め計画・基礎工事(基礎の種類、杭工法の分類、施工法)
9.鉄筋コンクリート工事の施工計画(1)
  ・鉄筋工事(鉄筋の種類、機械的性質、加工図、定着、継手、かぶり厚さ、配筋検査など)
10.鉄筋コンクリート工事の施工計画(2)
  ・型枠工事(型枠の種類、緊結材、墨出し、組立て、側圧、存置期間、支柱の盛替えなど)
11.鉄筋コンクリート工事の施工計画(3)
  ・コンクリートを構成する材料と種類
  ・調合(要求される品質と性能)
  ・打込み計画、方法
12.鉄筋コンクリート工事の施工計画(4)
  ・フレッシュコンクリートの検査 ・強度試験
  ・ひび割れ防止対策
  ・運搬、打込み、養生、仕上がり ・耐久性
13.コンクリート製品の工事施工計画
  ・PCa工事(製造方法、品質検査、組立工程部材の結合)
  ・コンクリートブロック工事、ALC工事、プレストレストコンクリート工事など
14.鉄骨工事の施工計画
  ・工事作業(工程、工作図、塗装、原寸図、製品検査)
  ・工事現場作業(定着方法と建入れ、接合部の種類と特徴及び検査、塗装、耐火被覆)
15.木工事の施工計画、まとめ
  ・木工事の軸組工事、造作工事、ビデオによる施工事例
  ・施工計画の重要性・施工管理の現状と問題点および将来

評価方法と基準

前期末試験(約70%)、レポ−ト・小テスト(約20%)および出席点(約10点)により評価する。

教科書・参考書

教科書・・・建築施工教科書研究会編「建築施工教科書」、彰国社
参考書・・・日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説」、配布するプリント

履修前の準備

「構造材料と構法」、「仕上げ材料と構法」、「建築の性能と構法」を履修

学習・教育目標との対応

建築生産において、建築施工は最も重要な技術的要素ともいえる。施工法の歴史・変遷を踏まえ、建設業の実状、施工計画の基本的な考え方、方法論を通じて、建築物の生産技術の基礎を楽しく学習することを目標とする。

オフィスアワー

講義、ゼミ、会議等を除いた時間で、研究室在室時

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:47:40 JST 2012