J0550300

建築設計演習V

Exercise in Architectural Design Ⅴ

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

4年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

演習
教授南一誠この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 戦後の経済成長はわずか半世紀で巨大建築群からなる都市空間を実現したが、美しい景観や潤いある公共空間が実現しているとは言い難い。このことは建築、都市計画、土木、造園の各分野が専門分化するあまり、都市環境を総合的に計画する手法を確立しえていないことに、その原因がある。
 一方、建設分野が排出する二酸化炭素は、全体の3分の1といわれ、地球環境問題を考えると、従前のスクラップアンドビルドを改め、既存の建物ストックを生かした都市再編手法の構築が求められている。東京では都市再生事業による大規模開発が進む一方、ヒートアイランド現象が加速するなど、都市的視点に立った具体的な都市環境整備手法の確立が急務となっている。経済活性化を目指した規制緩和による都市再生策に変わる、地域の地形、歴史・文化を継承し、エコロジーにも配慮した本来の意味での都市環境の再編手法の構築が求められている。
 港区において施工が予定されている「都市計画道路(環状第2号線、通称マッカーサー道路)」の沿道となる「新橋〜虎ノ門地区」を検討対象とする。これまでの都市計画道路の整備では道路整備は行われても、周辺地区が一体的に整備されることがなく、個々の敷地は個別別々に開発され、公共空間、緑地に乏しい都市空間となることが多かった。本課題はこれまでの反省にたち、都市計画、土木、建築、公園・緑地を総合的にとらえ、既存の都市環境、建物のストックを活用した空間の再編手法を検討することを目的とする。

達成目標

1.敷地完結型の設計ではなく、地域のニーズ、コンテクストを読み取り、社会資産の形成につながる都市建築を設計する手法の習得。
2.地域の地形、歴史・文化を継承し、エコロジーにも配慮した都市環境の再編手法に関する知識、手法の習得。
3.既存の都市空間、建築ストックの活用手法に関する知識、手法の習得。
4.建築の知識、手法と、都市計画、土木、建築、公園・緑地などの関連分野の知識、手法の総合的活用に関する知見の習得。
5.都市空間の管理運営、経営手法に関する考察。

授業計画

1.街区レベルの基本計画
 導入される用途と街の将来像の関係を考察し、開発後の姿について基本計画を作成する。
2.街区レベルの基本計画
 導入される用途と街の将来像の関係を考察し、開発後の姿について基本計画を作成する。
3.検討対象地域の目標とする都市環境像の導出
  3次元透視図や模型を作成し、空間を可視化して検討する。
4.検討対象地域の目標とする都市環境像の導出
  3次元透視図や模型を作成し、空間を可視化して検討する。
5.都市環境の整備目標像の具体化
 上記の検討に基づき設計を行い、その内容をプレゼンテーション用の模型、図面としてまとめる。(図面:配置図、平面図、断面図、立面図、透視図、模型写真)
6.都市環境の整備目標像の具体化
 上記の検討に基づき設計を行い、その内容をプレゼンテーション用の模型、図面としてまとめる。(図面:配置図、平面図、断面図、立面図、透視図、模型写真)
7.研究成果の発表・講評

評価方法と基準

提出された図面(配置図、平面図、断面図、立面図、透視図、模型写真)、模型、および発表内容により評価する。(図面、発表用パワーポイント、模型写真のの電子データをDVDにても、提出する。)

エスキスは毎回、同じチームで受けること。(3分の1以上欠席した場合は、単位取得できない)

現地調査を行う場合は、地域の居住者等の迷惑にならないよう、十分配慮すること。

教科書・参考書

参考図書
1)「建築再生の進め方 ストック時代の建築学入門」、松村秀一他、市ヶ谷出版、2007年、ISBN 978-4-87071-229-4
2)「サービス・プロバイダー  都市再生の新産業論」、野城智也、彰国社、2003年
3)「コンバージョンが都市を再生する、地域を変える 海外での実績と日本での可能性」、日刊建設通信新聞社、2004年9月
4)日本建築学会叢書1 都市建築の発展と制御シリーズ 
   「都市建築のビジョン」 ISBN4-8189-4701-6
5)日本建築学会叢書2 都市建築の発展と制御シリーズ
   「緑地・公共空間と都市建築」 ISBN4-8189-4700-8  
6)日本建築学会叢書1 都市建築の発展と制御シリーズ
    「都市建築のかたち」 2007年3月発行
7)コンバージョン〈計画・設計〉マニュアル エクスナレッジムック
   建物のコンバージョンによる都市空間有効活用技術研究会 (著)
8)用途変更—改修刷新・保存再生・コンバージョン 建築設計資料
   建築思潮研究所 (編集)
9)サスティナブル・コンバージョン—不動産法・制度等からみた課題と20の提言
   丸山 英気 (著)

履修前の準備

(1)シェアフォルダー(配布用)を確認すること。
(2)都市再生本部HP 「環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地域」を参照すること。
    http://www.toshisaisei.go.jp/04toushi/tokyo/shinbashi/05.html
   環状第二号線、新橋・虎ノ門地区再開発事業のHPを参照すること。
    http://sim.nilim.go.jp/Tokyo/index.asp
(3)下記の内容について、あらかじめ自主的に予習を行う。
   1.対象地域の歴史的発展過程
   2.対象地域の都市環境、建物ストックの現況
   3.対象地域の発展可能性
   4.都市環境整備手法

オフィスアワー

原則として毎週月曜日

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合40%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:47:47 JST 2012