K0210200

建築振動論

Theory of Building Vibration

開講部

工学部

開講学科

建築工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義

田村良一この授業の2011年度のアンケートを参照

授業の概要

建物にはそれを取り巻く社会条件や自然条件によりさまざまな荷重が作用する。
時間的に変動の少ない固定、積載荷重などは静的な荷重と呼ばれており、
地震、風または機械などによる時間的に激しく変動する荷重は動的な荷重と
呼ばれている。
動的な荷重は身近な荷重であり、建築に係わるエンジニアにとってもその対策等は
身近な問題となっている。

本授業では、高校の物理で学習した振動に係わる知識を出発として、
建築に係わるエンジニアにとって必要な振動論の基礎を講義する。
具体的には,1質点系を用いて固有周期と減衰が振動に及ぼす影響、
荷重(外力)が作用した場合の荷重特性と振動との関係、
多質点系の固有周期と固有モードとの関係などについて講義する。
また、授業では振動現象を感覚的に理解できるよう振動模型を
用いた簡単な振動実験を2回採り入れている。

達成目標

1.建築に係わる振動問題について理解する。
2.固有周期、減衰と振動との関係を理解する
3.荷重(外力) と振動との関係を理解する。
4.多質点系の固有周期と固有モードについて理解する

授業計画

1.建物と振動のかかわり
   ・振動とは何か
   ・振動源と振動の種類
2.1質点系の振動1
   ・振動の物理,固有周期,ダランベール(D'Alembert)の原理
   ・減衰のない自由振動
3.1質点系の振動2
   ・減衰とは何か,建築物の減衰
   ・減衰を伴う自由振動(1)
4.1質点系の振動3
   ・減衰定数,臨界減衰
   ・減衰を伴う自由振動(2)
5.1質点系の振動4
   ・振動模型に対する固有周期の実測および計算
6.1質点系の振動5
   ・周期的加振力による強制振動
   ・共振曲線について
7.1質点系の振動6
   ・任意外乱による強制振動
   ・Duhamel's積分など
8.1質点系の振動7
   ・振動方程式の数値的解法
   ・地震応答スペクトルについて
9.1質点系の振動についてのまとめ
   ・振動模型に対する実験の総括
   ・質疑応答
10.振動模型を用いた体験実習
   ・片持ち式振動模型の加振
   ・2層骨組模型の加振
11.多質点系の振動1
   ・振動系のモデル化とその種類
   ・性状係数と剛性マトリクス
12.多質点系の振動2
   ・振動方程式の誘導
   ・固有周期と固有モード
13.多質点系の振動3及び本学免震装置の見学
   ・豊洲校舎、基礎免震装置の見学
   ・刺激係数と刺激関数
14.総括
   ・講義のまとめ
   ・質疑応答
15.期末試験

評価方法と基準

1回のレポート(20%)および期末試験(80%)による総合評価

教科書・参考書

講義の理解を助けるためのプリントを随時配布
参考書:柴田明徳「最新 耐震構造解析」(森北出版)

履修前の準備

特になし。

オフィスアワー

授業終了後の昼休み

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:49:39 JST 2013