L0480900

H.C.インタラクション1

Human-Computer Interaction 1

開講部

工学部

開講学科

情報工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授榎津秀次この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

私たちは、コンピュータを利用し、多くの作業を行っている。そして、そこで生している人間とコンピュータのインタラクションは、インターフェイスのデザインによって決定されているのである。コンピュータの使いやすさを向上させるだけでなく、人間の知的創造への関わりを拡大させる可能性を秘めている。特に、今日のインタラクションのマルチモーダル化は、人間に対する知的協働者としての役割をコンピュータに与えようとする試みと考えられる。この授業は、人間情報処理の仕組みと制約、インタフェイスのデザインの基盤、インタラクションモデルとスタイルの特徴、デザインルール、その評価技法など基礎的な知識の習得を目標としている。加えて、現在研究開発されつつあるマルチモーダル-インタラクションについて概説する。

達成目標

1.人間と機械の関係の歴史からヒューマンコンピュータインタラクションの目的は何かを学び、この授業科目を履修する意義を確認する。
(授業計画の1に対応する)
2.インターフェイスのデザインに必要な人間情報処理の仕組みと制約について学ぶ。
(授業計画の2〜6に対応する)
3.インタラクションモデルを理解し、人間にとって使いやすいインターフェイスのデザイン原理を学ぶ。
(授業計画の7〜9に対応する)
4.インタラクションモデルに基づくインターフェイスの各種評価手法を学ぶ。
(授業計画の10〜12に対応する)
5.より高度なマルチモーダル・インターフェイスについての概要を学ぶ。
(授業計画の13と14に対応する)

授業計画

1.はじめに
  ・人間と機械のインタラクションに関する歴史
  ・ヒューマンコンピュータインタラクションとは
  ・人にやさしいインタラクションのデザイン
2.人間情報処理の理解 仕組みと制約(1)
  ・視覚
  ・聴覚
  ・触覚
3.人間情報処理の理解 仕組みと制約(2)
  ・パターン認識
  ・注意過程と認識
  ・文脈効果
4.人間情報処理の理解 仕組みと制約(3)
  ・作業記憶と長期記憶
  ・制限のある記憶容量
  ・記憶検索
  ・宣言的知識と手続的知識
5.人間情報処理の理解 仕組みと制約(4)
  ・思考の様式
  ・演繹的推理、帰納的推理、アナロジー
  ・問題解決過程とGPS
  ・認知アーキテクチャ
6.人間情報処理の理解 仕組みと制約(5)
  ・記号、意味、概念
  ・言語理解の諸過程
  ・対話過程
  ・第1回課題(レポート)
7.インタラクションモデル
  ・インタラクションとは
  ・インタラクションのフレームワーク
  ・アーゴノミックス
8.インタラクションスタイル
  ・コマンドライン
  ・メニュー
  ・ダイアログ
  ・フォームフィルとスプレッドシート
  ・WINP
  ・自然言語
9.デザインルール
  ・ガイドライン
  ・使いやすさの工学
  ・インタラクティブデザイン
  ・第2回課題(レポート)
10.ユーザモデルとインタフェイス評価技法(1)
  ・認知モデル
  ・GOMS
  ・CCT
11.ユーザモデルとインタフェイス評価技法(2)
  ・言語学的モデル
  ・BNF
  ・課題-行為文法
12.ユーザモデルとインタフェイス評価技法(3)
  ・身体モデルとデバイスモデル
  ・キーストロークモデル
  ・3状態モデル
  ・第3回課題(レポート)
13.対話とデザイン
  ・対話とは
  ・人間の対話構造
  ・対話デザイン表記法
14.マルチモーダル-インタフェイス
  ・モダリティとは
  ・言語インタラクション
  ・非言語インタラクション
  ・マルチモーダルインタラクション
15.学期末試験

評価方法と基準

講義において出題されるレポート課題や簡単な演習の採点(30点)と学期末試験でのテストの採点(70点)で評価する。

教科書・参考書

教科書:ヒューマンコンピュータインタラクション、認知科学、認知心理学などの文献をまとめた資料を教科書とし、授業において配布する。
参考書:山岡俊樹他、2000、「構造化ユーザインタフェイスの設計と評価」、共立出版/原田悦子、2003、「「使いやすさ」の認知科学」、共立出版/サッチマン・L.A.(佐伯胖他訳)、1999、「プランと状況行為?人間・機械コミュニケーションの可能性」、産業図書/ノーマン・D.A.、1990、「誰のためのデザイン??認知科学者のデザイン原論」、新曜社/他、適宜講義中に紹介する。

履修前の準備

これまでの情報工学の基盤となる必修科目や演習を履修し、さらに、情報工学を学ぶ者として豊かな教養と高い志を持っていることを希望する。

オフィスアワー

月曜日から水曜日の授業後(学科会議、教授会、委員会などの開催のない木曜日と金曜日も可)

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合25%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:48:32 JST 2012