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エレクトロニクス科学史

Science History of Electronics

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教授小池義和

授業の概要

20世紀は「電気の世紀」とよばれている。あらゆる産業と人間の生活に電気が応用され現代技術のうちでもっともめざましい発展を遂げている。この現代技術を代表する電気技術,特にエレクトロニクスは,情報,通信,制御,ロボットなどのすべての技術の基礎となっている。この膨大なエレクトロニクスを理解するためには,過去の技術発展の理解が重要であり,今後の技術発展を生み出すためにも,エレクトロニクス技術の歴史を学ぶことが必要不可欠である。また,一方でエレクトニクス技術は,様々な地球環境問題を引き起こしているのも事実であり,科学と技術の人類的意義を見なすことが求められている。本講義を通して,今後学ぶべき専門科目に取り組みやすくなるとともに,各個人があるべき技術者像が描けるようになることを期待している。

達成目標

1.これまでの発明・発展してきたエレクトロニクスにおける節目の技術を一通り理解し,今後,学ぶべき各科目の重要性を理解できるようにする。
2.これからの技術には性能だけでなく,倫理・環境に配慮していくことが必要であることを認識できるようにする。

授業計画

1.電気のはじまり
・電気の発見,電磁気現象の発見 ・産業革命と電気技術
2.有線電信の誕生
・鉄道と電信機の発明 ・電話と電信
3.モータ・発電機の発明
・ファラデーと電磁気学 ・電動機の発展 ・発電機の発明 ・電力技術と交流理論
4.電磁波の発見
・電磁波が発見されるまで ・マクスウェルの電磁気理論 ・マルコーニと無線事業
(小レポート1回目)
5.電子の発見
・電子とは ・電子が発見されるまで
6.量子論の誕生
・粒子と波動 ・原子から電子へ
7.真空管時代と無線技術
・真空管の誕生 ・無線電信技術 ・レーダとテレビ
8.トランジスタ誕生
・半導体 ・真空管から固体素子へ ・トランジスタ誕生まで
(小レポート2回目)
9.マイクロプロセッサと論理素子
・電子式計算機が発見されるまで ・電子式ディジタルコンピュータ
10.トランジスタから集積回路へ
・集積回路の発明 ・超高集積化をもたらした技術
11.量子エレクトロニクスの発展
・レーザの発明 ・レーザーと光通信
12.照明機器・表示機器の発達
・エジソンと照明 ・ブラウン管の発明 ・薄型ディスプレイへ
(小レポート3回目)
13.エレクトロニクスと電力伝送・自動制御
・大電力用エレクトロニクス技術 ・ロボットと自動制御技術
14.これからのエレクトロニクス
・情報化社会とエレクトロニクス ・エレクトロニクス技術の将来展望
15.地球環境とエレクトロニクス
・科学技術と地球環境問題  ・技術者倫理とは
・最終レポート課題について

評価方法と基準

3回の小レポート(20%×3回)と学期末に提出を求める総合レポート(40%)を合計100%ととして60%以上取得を合格とする。なお,評価を受けるためには授業日数の2/3以上の出席が必要である。

教科書・参考書

【教科書】
講義中に適宜プリントを配布

【参考書】
エレクトロニクスを中心とした年代別科学技術史(第5版)(城阪俊吉著,日刊工業新聞社)
電子情報通信技術史(電子情報通信レクチャーシリーズ A-2)(電子情報通信学会編,コロナ社)
電気の技術史(山崎俊雄・木本忠昭共著,オーム社)
シリコンの物語(F.Seitz and N.G.Einspruch著,堂山・北田訳,内田老鶴圃)

履修前の準備

高等学校で習う程度の物理及び化学の基礎的な内容を把握していることが望ましい

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(D-2)文化・芸術・歴史・国民性など広い視野から機械技術の役割を捉えることができ,それらを柔軟な発想で設計や開発に生かすことができる.

学習・教育目標との対応(機械工学第二学科)

1.(C)技術・工学が地球環境と生態系との共生・共存を無視して独走することがないように,「技術・工学が社会に果たす役割」を強く自覚するための基礎知識と総合能力を習得する

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.A1:種々の文化および社会の発展の歴史を理解して、説明することができる。

オフィスアワー

大宮講義の日

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:52:37 JST 2012