方程式といえば未知数を含む関係式でした.微分方程式とは未知関数とその導関数を含む関係式です.未知数の代わりに未知の関数が対象になるのです.従って与えられた関係式を満たすような関数を求めることが微分方程式を解くということです.自然科学の法則や工学における現象には微分方程式で表されるものが極めて多く存在します.ニュートンの運動方程式は,質点の位置を時刻の関数として捉えたとき,この関数の2階の導関数(即ち,加速度)と力の関係式です.つまり具体的に力を与えるとそれに対して1つの微分方程式が得られるのです.
このように現象がどのような原理のもとに引き起こされているかは現象における変化の部分に注目することによって理解されることが多いのです.それゆえ多くの現象が変化率を含んだ微分方程式で表されることになり,その結果自然科学や工学では至るところに微分方程式が登場してくるのです.そこで微分方程式を数学的に学ぶことは工学の勉強や研究に不可欠だというほど重要なことなのです.
履修上の注意:数学は積み上げ式の科目なので,1講義ごとの内容を復習によって確かなものにし,講義内外で演習問題を解くことにより定着させてください.尚,受講生が多い場合は,教室定員(120名)の80%程度を目安として,人数制限を行うことがあります.同じ曜日に複数の同一科目が開講されています.1つのクラスに偏ることの無いようにして下さい.
線形代数1,2, 微分積分1,2を受講しておいてください.