G0914100

電気電子化学

Chemistry for Electrical and Electronic

開講部

工学部

開講学科

電子工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授六車仁志この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

本講義では、21世紀の電子工学を支える「化学」、具体的には、化学と電子工学の接点に関することに重点を置く。従来の「電気化学」の基礎を包含し、現在の技術の進展を取り入れた新しい「電気電子化学」である。基本概念は、電気エネルギーまたは光エネルギーと化学エネルギーの相互変換、物質間の電子授受、となる。講義の前半では、電気電子化学の基礎を述べ、後半では、その応用を最近の進展事項を取り入れて概説する。具体的内容は、電池、化学センサー、めっき、光触媒、液晶、有機EL、有機半導体、などである。

達成目標

1.21世紀の電子工学を支える「化学」、具体的には、化学と電子工学の接点に関することを理解する。

授業計画

1.1.電気電子化学の基礎
 本講義への導入として、高校の化学で学習した水の電気分解やファラデーの法則の復習を行う。
2.2.電気電子化学の基礎
 化学ポテンシャル、化学熱力学、酸化還元電位、ネルンストの式、電極反応(腐食)、など電気電子化学に必要な基礎を学習する。
3.3.電解質溶液
導電率、電離平衡、活量、イオン強度、イオンの輪率など、電解質溶液に関連する内容を学習する。
4.4.界面電気現象
電気二重層、電気泳動、電気浸透、ゼータ電位、Gouy-Chapmannの式、などの界面電気現象を学習する。
5.5.電気分析化学
 2電極式、3電極式、参照電極、ポーラログラフィー、サイクリックボルタンメトリー、クロノアンペロメトリー、交流ボルタンメトリーなどの電気分析化学の手法について学習する。
6.6.化学センサー
 イオンセンサー、酸素センサー、過酸化水素センサー、ガスセンサーなどの化学物質を測定する化学センサーについて学習する。
7.7.中間試験
8.8.電池
 電池の中で起こる反応を、電池の起電力と容量などの電池の基礎学習する。次に実用電池(一次電池、二次電池)について学習する。クリーンエネルギーである燃料電池の基礎と応用について学習する。
9.9.表面プロセス
 電気めっき、陽極酸化、プラズマ表面処理について学習する。
10.10.液晶
 固体と液体の中間物質である液晶の基礎概念について学習する。ネマティック、スメクティック、コレスティックを学習する。その応用としての液晶ディスプレイについて学習する。
11.11.有機半導体と有機トランジスタと有機EL
 電気を流すプラスティックである有機半導体の基礎について学習する。そして、その応用である有機トランジスタおよび有機発光素子(EL)について学習する。
12.12.光電気化学
 色素増感太陽電池、光触媒など光エネルギーの電気エネルギーへの変換について学習する。
13.13.フラーレンとカーボンナノチューブ
 一昔前では、炭素の同素体は、ダイアモンドと黒鉛であった。現在では新たにフラーレンやカーボンナノチューブが発見された。これらの物質を学習するとともにそのエレクトロニクスへの応用について学習する。
14.14.環境電気電子化学
 電子工学においても環境を意識した材料システム設計が必要である。生分解性プラスティック、電子工業廃棄物のリサイクルなどについて学習する。
15.15.期末試験

評価方法と基準

講義中の小テスト20%、中間試験40%、期末試験40%、を100点とし、総合得点60点以上を合格とする。なお評価をうけるためには授業日数の2/3以上の出席が必要である。

教科書・参考書

プリントを配布する。

履修前の準備

基底化学。

オフィスアワー

水曜、13:30〜16:00

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合30%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:52:55 JST 2012