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物理学

Elementary Physics

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授業の概要

物理学は、自然現象を数学を道具として解明して行く学問である。現象を数学の言葉に翻訳し、数学の問題としてこれを解く。そして、得られた数学解を元の現象にてらし合わせて解釈することによって、現象の本質的な理解とその応用についての知見を得る。これは理工学の各分野で最も基本的な手法である。このプロセスに必要なのは「論理的な思考・推論」と「それを可能とする技量」であり、これらを習得することが物理学を学ぶ主たる目的である。ここでいう技量とは微分・積分の数学的なテクニックも含む。

本講義は、物理学の基礎であるニュートン力学の中の更に質点の力学に対象を絞る。そして、運動方程式を微分方程式として解く事を学ぶ。具体例として重力による落下運動と単振動を扱う。次に、運動方程式から導かれる「運動量保存則」と「エネルギー保存則」について学ぶ。これらの保存則を用いても運動の解明と解釈が出来ることを学ぶ。

講義では、実際の演習問題を多数解きながら理解を得られるようにする。そのため、講義時間中に演習時間を割り当て、適宜、演習レポートを課す。

達成目標

1.Newtonの運動方程式を微分方程式として解くことが出来る。
運動の具体例として落下運動と単振動を取り上げる。
2.運動エネルギー、ポテンシャルエネルギー、力による仕事の計算が出来る。
3.運動量保存則、エネルギー保存則を用いて運動の問題が解ける。
4.得られた微分方程式の解をもともとの運動現象やエネルギー保存則
と結び付けて解釈、説明が出来る。

授業計画

1.序論
 ・この講義のねらいと目標。単位認定条件の説明
 ・履修に必要な数学的テクニック
 ・物理学の方法とは
2.運動の記述その1
 ・物体の位置、時間の記述
 ・直線運動の速度と加速度の微分による表現
3.運動の記述その2
 ・自由落下:重力加速度
 ・空間運動:直交座標による記述
4.運動のベクトル表示
 ・ ベクトルとは
 ・ 運動のベクトル表示
5.力学の基礎法則その1
 ・ 慣性の法則
 ・ 運動方程式
 ・ 力の合成
6.力学の基礎法則その2
 ・ 作用・反作用の法則
 ・ 運動量と力積
7.運動方程式を解く
 ・ 放物運動
 ・ 空気の抵抗があるときの落下運動
8.いろいろな力その1
 ・ 垂直項力と摩擦力
 ・ 張力
 ・ 万有引力(等速円運動)
9.いろいろな力その2
 ・ 単振動
10.エネルギーI:1質点の1次元運動その1
 ・ 仕事
 ・ 運動エネルギー
11.エネルギーI:1質点の1次元運動その2
 ・ 位置エネルギーと力学的エネルギー保存則
 ・ 位置エネルギーから力を求める
 ・ 運動可能領域、平衡点
12.エネルギーII:1質点の3次元運動その1
 ・ 仕事の3次元への拡張
 ・ 運動エネルギー
 ・ 力学的エネルギー保存則
13.エネルギーII:1質点の3次元運動その2
 ・ 位置エネルギー(線積分と保存力)
 ・ 位置エネルギーから力を求める
 ・ 中心力の位置エネルギー
14.まとめと復習
 ・ 運動方程式を解く
 ・ エネルギー保存則を用いて運動を解明する
15.期末認定試験

評価方法と基準

レポート課題や小テストなどによる平常点(30%)、認定試験(70%)を
合計100%として60%以上取得を合格とする。

教科書・参考書

教科書:
「物理学入門 I. 力学」 市村宗武 狩野覚 著 東京化学同人


参考書:
「力学 高校生・大学生のために」 江沢洋著 日本評論社

履修前の準備

ベクトルの和、内積の計算、ベクトルの成分を用いた計算
xの多項式、三角関数、指数関数、対数関数の微分と積分の計算
積の微分、合成関数の微分、置換積分の計算

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(A)応用化学をささえる工学一般・自然科学・情報技術に関する知識と,その応用能力.

オフィスアワー

授業後20分と夕方6時まで

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Mar 28 07:55:09 JST 2013