00600401

民族と国家

Nation and State

所属する学科を選んでください:
教授寄藤昂この授業の2011年度のアンケートを参照

授業の概要

 21世紀、世界は東西冷戦からは解放されたものの、多くの地域において激しい対立・抗争が続いている。それらの多くは、宗教、言語、身体的外見、さらには歴史的怨念などを理由とする、いわゆる「民族対立」とよばれるものである。ほとんどの日本人はそれらの争いには関与していないが、グローバル化の進む中ではこの問題に一定の認識をもち、自らの立場を確認して行くことが必要である。
 本講義では、これらの現実をより広く深く理解するために、民族という概念についての基礎的な認識を学ぶとともに、日本人には理解しにくい民族と国家の「ねじれ」について考える。
 講義全体を通じて「知識の獲得」よりも、国際社会・世界の現実を見、考える力を養うことに重点を置く授業としたい。

達成目標

1.「人種」「民族」「国民」などの言葉について、学問的に確立した健全な認識を獲得させる。
2.「○○人」であることと「○○国民」であることの意味などについて、広く・深く考える態度を養う。

授業計画

1.はじめに
授業の枠組み 何を問題にするのか
2.「人種・民族・国民」ということば
  「人種」とは何か 今日では否定された概念
3.  「民族」とは何か アイデンティティとシンボル
4.  「国民」とは何か フィクションとしての「国民国家」
5.民族対立とは
  民族対立を招くもの1 言語
6.  民族対立を招くもの2 宗教
7.  民族対立を招くもの3 生活と仕事
8.中間試験
9.多民族国家という存在
  国内融和は本当に可能なのか
10.  分離独立で問題は解決するのか
11.  国連が取り組んできたこと
12.日本人にとっての民族と国家
  歴史的に見た日本人の民族・国家観
13.  日本における“少数民族問題”
14.  世界の現実と日本人の認識
15.最終試験

評価方法と基準

 授業中に実施する「ミニレポート(10%)」「中間試験(40%)」および「学期末試験(50%)」から総合的に評価する。
合計100%として60%以上取得を合格とする。

教科書・参考書

 特定のテキストは使用せず、必要に応じてプリントを配付する。高校時代に使った「(世界)地図帳」、又は同等の地図帳を授業に持参することが望ましい。
 また、関連の情報を教員(寄藤)のウェブサイト http://yorifuji.thyme.jp/ に掲示するので、定期的に見ておくこと。さらに、講義中に指示する参考図書・参考サイトについては、極力自分で目を通すこと。

履修前の準備

特になし

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(D-2)文化・芸術・歴史・国民性など広い視野から機械技術の役割を捉えることができ,それらを柔軟な発想で設計や開発に生かすことができる.

学習・教育目標との対応(機械工学第二学科)

1.(C)技術・工学が地球環境と生態系との共生・共存を無視して独走することがないように,「技術・工学が社会に果たす役割」を強く自覚するための基礎知識と総合能力を習得する

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(D)社会・文化と人間のかかわりを理解し,異なった立場からの考えを理解する柔軟性.

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.A1:種々の文化および社会の発展の歴史を理解して、説明することができる。

オフィスアワー

豊洲校舎で決まった時間はとれないが、質問・相談などにはいつでも対応するので、授業中に伝えるアドレスに気軽にメールすること。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Sat Sep 24 07:55:26 JST 2011