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科学技術倫理学

Technological Ethics

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授業の概要

今日、コンピューターとロボットが人間よりはるかに高い能力を得て、人間に取って代わろうとしている。だが、科学技術とは、いかに有能なものであれ、人間のごく一部の能力を代替する道具に過ぎないことを忘れてはならない。科学技術の本質は何か。人間性とは何か。科学技術と社会はどのように関係するのか。授業では、科学技術の意味と役割について根本から問い直し、科学技術が人間、社会、自然に及ぼす影響や、今後人間が科学技術とどう付き合っていったらよいのかを考える。

達成目標

1.科学技術と人間性の本質について考察し、科学技術と人間性との違いを理解する。
2.科学技術と社会の関係に注目し、科学技術が人間、社会、自然に及ぼす影響について考える。
3.人間はいかに科学技術に対処したらよいのかを考える。

授業計画

1.科学の本質について(1)
 生成・変化・消滅する現象の背後に永遠不変不滅の真理を探究すること
2.科学の本質について(2)
 同上(続)、レポート
3.科学技術と実在(1)
 生成する実在から見た科学技術の意味
4.科学技術と実在(2)
 同上(続)、レポート
5.医療技術と生命(1)
 医療の使命と限界
6.医療技術と生命(2)
 同上(続)、レポート
7.技術の歴史(1)
 技術肯定論(フランシス・ベーコン
8.技術の歴史(2)
 技術否定論(人間疎外、搾取)
9.技術の歴史(3)
 限界を超える現代技術(レイチェル・カーソン)、小レポート
10.技術論(1)
 技術中立論、技術決定論
11.技術論(2)
 技術の政治性、社会構成主義
12.技術論(3)
 技術—社会相互作用論、レポート
13.情報倫理
 情報の恣意性、情報による不正
14.環境倫理(1)
 自然の生存権、世代間倫理、地球全体主義
15.環境倫理(2)
 持続可能な開発、土地倫理、レポート

評価方法と基準

授業中に随時小レポートを課して授業内容の理解度を評価する。成績はその小レポートの合計点で判定し、60点以上を合格とする。欠席、遅刻、早退等によりレポートを提出できなかった場合には、その回のレポートは0点となる。前期を通して3分の2(10回)以上授業に出席することを単位取得のための条件とする。ただし出席を成績評価の対象とすることはない。

教科書・参考書

特になし。随時プリントを配布する。

履修前の準備

特になし

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(D-1)医療過誤,環境汚染,原発事故など,技術の発達が社会構造や自然環境にもたらしてきた問題を学習することで,倫理的な視点を踏まえて技術開発を進めることができる.
2.(D-2)文化・芸術・歴史・国民性など広い視野から機械技術の役割を捉えることができ,それらを柔軟な発想で設計や開発に生かすことができる.

学習・教育目標との対応(機械工学第二学科)

1.(C)技術・工学が地球環境と生態系との共生・共存を無視して独走することがないように,「技術・工学が社会に果たす役割」を強く自覚するための基礎知識と総合能力を習得する

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(C)人類が生存している自然環境を理解し,化学技術者として技術が社会や自然に与える影響を判断できる能力
2.(I)自らの力で社会における問題点を認識し,その情報を社会と共有できる能力.

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.B2:工学の実践の場において、技術者として倫理観に基づき価値判断ができる。

オフィスアワー

・授業後、豊洲校舎2F講師室にて。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合 5%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:55:48 JST 2013