F0151800

情報理論1

Information Theory 1

開講部

工学部

開講学科

通信工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授森野博章この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 情報理論は,ディジタルシステムにおける情報の符号化とデータ圧縮の理論,および通信路で運ばれる情報量について扱う理論である.映像・音声・文字等の情報をディジタル化して得られる系列にはもともと冗長性が含まれており、符号化によって冗長度が低減され,データ圧縮が可能となる.講義では,確率に基づいた情報量の定量化について,また,エータ圧縮の限界が情報量で決定されることを学ぶ.さらに,相互情報量の考え方,誤りのある通信路によって運ばれる情報量の考え方についてそれぞれ学習する.
 講義ではシラバスに記載した回の他にも随時問題演習を行っていく.

達成目標

1.情報源符号化の目的について理解し、ハフマン符号、ブロックハフマン符号に代表される
基本的な符号化方式の扱いに習熟する。
2.エントロピーと情報量の考え方を会得する。
3.相互情報量の考え方,誤りのある通信路が運ぶ情報量の概念について理解する。

授業計画

1.概論
 ・通信システムにおける情報伝達のモデル
 ・情報の符号化の目標(効率と信頼性)

符号の性質(1)
 ・固定長符号と可変長符号
 ・瞬時符号
2.情報源のモデル化
 ・記憶のある情報源と無記憶情報源
3.符号の性質(2)
 ・符号の木
 ・クラフトの不等式

情報源符号化(1)
 ・コンパクト符号
 ・ハフマン符号
4.情報源符号化(2)
 ・拡大情報源

情報の定量化(1)
 ・生起確率による情報量の定義
 ・自己情報量
5.情報の定量化(2)
 ・平均情報量 
 ・エントロピー
 ・エントロピーの最大値と最小値
 ・条件付き情報量
6.情報源符号化定理とその証明(1)
7.情報源符号化定理とその証明(2)
相互情報量(1)
 .相互情報量の考え方 〜条件付き情報量との関連〜
8.相互情報量(2)
 ・条件付き平均情報量(条件付きエントロピー)と相互情報量
9.演習
10.通信路と相互情報量(1)
 ・誤りのある通信路のモデル
 ・BSC(Binary Symmetric Channel) 
 ・通信路を介して運ばれる情報量
11.通信路と相互情報量(2)
 ・通信路容量
12.通信路符号化(1)
 ・誤り訂正符号の考え方
13.通信路符号化(2)
 ・符号の性能指標
  - 誤り訂正能力,符号化率
 ・単一パリティ符号,水平垂直パリティ符号
14.通信路符号化(3)
 ・通信路符号化定理
15.学期末試験

評価方法と基準

レポート提出及び学期末試験により評価する。

教科書・参考書

平田広則「情報理論のエッセンス」(昭晃堂)

履修前の準備

確率統計現象の講義と合わせて履修することが望ましい

オフィスアワー

講義終了後

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:54:08 JST 2012