K0951100

建築法規

Architecture Regulation

開講部

工学部

開講学科

建築工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
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授業の概要

 建築法規に限らず、法律を学ぶにあたって最も重要なことは、法の本質とは何かを学ぶことである。法律の堅苦しい条文を理解するための基本的なルールの習得も重要なことではあるが、法が社会の要請に基づいて(1)どのような議論を経て制定されたのか、(2)どのように運用され、(3)どのような成果を果たしたのか、そして(4)どのような新たな課題を残したのか、という法の本質を理解していくことで、はじめて建築法規の真の理解に向かうことができる。
都市・建築行政で常に新たな課題に直面してきた横浜市の豊富な事例を参照しながら、建築基準法・都市計画法等の基本的なルールだけでなく、再開発や区画整理等の法定手続きの進め方、構造偽装問題、建築を巡る環境法制、公共工事と談合問題等、実際的な建築関連法務の習得を目的とする。

達成目標

1.法令の基本的なルールと建築法規の特色を理解する。(授業計画の1〜2)
2.建築基準法の仕組みを運用実態から理解する。(授業計画の3〜6)
3.再開発や区画整理等の事業をプロジェクトとして捉え、都市計画手続き等法定手続きの流れを理解する。(授業計画の7〜9)
4.建築を環境の側面から捉え環境法制を理解する。(授業計画の10〜12)
5.個別の関連課題(福祉、交通、公共工事)を理解する。(授業計画の13〜15)

授業計画

1.法体系の中の建築法規
建築関係法令の体系、コンプライアンス社会における建築専門家のあり方
2.建築基準法の特色
建築基準法制定経過と今後の改正の方向性
3.単体規定
個々の建築物の構造耐力、防火や避難施設、衛生設備に関する規定など
4.集団規定
地域ごとに定められる用途地域・容積率・高さ制限・日影規制など
5.構造偽装問題
建築確認の民間開放による責任の所在の不明確化、構造計算プログラムに見るIT化の盲点、対策としての暗黙知の活用
6.建築における法的なトラブル
建築確認についての行政訴訟・民事訴訟の判例の解読
7.都市計画(広域的な視点)
市街化区域と市街化調整区域、開発許可制度と運用実態、区画整理事業等との相違点
8.都市計画(プロジェクト的な視点)
地区計画を活用した再開発プロジェクトや特定街区を適用した建築計画等の具体的な事例の紹介
9.横浜市市街地環境設計制度(総合設計制度)の活用事例
容積率・高さの許可を受けた建築計画について、建築審査会の同意を得て許可されたものの事例紹介
10.室内環境と建築
シックハウスの原因・対策・法規制、アスベストの有害性と除去対策
11.地球環境と建築
京都議定書の意義、省エネ法、建設リサイクル法、グリーン購入法、横浜市建築物環境配慮制度(CASBEE)の紹介
12.巨大産業廃棄物処理施設の建設事例
産廃施設の建設に必要な、環境アセスメント・廃棄物処理法・建築基準法第51条(都市計画審議会への諮問)等の手続き
13.福祉とまちづくり
交通バリアフリー法、横浜市福祉のまちづくり条例
14.交通と建築との関係
鉄道駅・駅前広場・バスターミナル・地下街・駐車場・物流ターミナルと都市行政・建築規制の関わりを横浜駅等の具体例で紹介
15.工事請負契約における法的問題
公共工事の入札制度と談合、建設業法と建設会社、工事監理者の義務

評価方法と基準

講義毎の小レポート提出と期末テストの両方により評価する。(小レポートが提出されれば、期末テストの点数にかかわらず一定の評価をする。)

教科書・参考書

講義毎に配布するレジュメ、
建築関係法令集(第1回目の授業で出版社を指定する。)

履修前の準備

インターネットで自治体(県、市)・国土交通省(住宅局)のホームページを検索し、建築行政・都市計画に関してどのような内容を公表しているか閲覧する。

オフィスアワー

授業後

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合80%)

最終更新 : Thu Mar 28 07:56:19 JST 2013