システム工学I,II,IIIで対象とするシステムは,「多数の構成要素が有機的な秩序を保ち,同一目的に向かって行動するもの」(JIS8121)とする。これらの授業を通じてシステムの開発,設計,運用などを合理的に行うための方法論(考え方)と手法を身につけて貰う。その為には,講義を聴講するだけではなく,自分自身で問題を整理し,解決案を考え,結果を出す訓練が必要であり,課題の実行を通して学んで貰う。また,システムは多種多様で,それに応じて扱うデータ,使われる手法も異なってくるので,その開発には多数の異なった分野の人々の協力なしには達成できない。この点をシステム工学演習I,IIにおけるグループ作業を通して学んで貰う。
システム工学Iでは,先ずシステムの開発などにおいてよく利用される数理計画法を学ぶ。
1.システム工学の概要
2.WBS(Work Breakdown Structure)
3.スケジューリング(1)(ネットワークダイアグラム)
4.スケジューリング(2)(クリティカル・パス・メソッド)
5.線形計画法(1)(図式解法)
6.線形計画法(2)(シンプレックス法)
7.線形計画法(3)(シンプレックス法)
8.特別講演(システム工学部卒業生)
9.システム工学と確率統計(1)(確率,確率変数,確率分布)
10.システム工学と確率統計(2)(システム標本,標本分布,母数)
11.シミュレーション(モンテカルロ法)
12.待ち行列(1)(確率事象のモデリング,ポアソン到着,指数サービス)
13.待ち行列(2)(ケンドール記号,M/M/1,M/M/Sの諸公式)
14.待ち行列(3)(事例)
15.期末試験
原則的にはプリントを配布する。
参考書 岸光男:システム工学(共立出版)1994.,Gregoty T. Hougan,伊藤衡訳:実務で役立つWBS入門, 翔泳社,2005.