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生命倫理概論

Basic Bioethics

開講部

システム工学部

開講学科

共通科目

開講学年

学年共通

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

総合科目

講義区分

講義
講師中川雅博この授業の2012年度のアンケートを参照

授業の教育目的及び方針

先端医療技術の劇的な発展は、ヒトがいつから人間になるのかを決めてよいか/私達は人間の死の判定基準を決められるのか/生・死に関する基準を誰かの自己決定に委ねてよいのか等の問題を私達に投げかけ何らかの対応を求めている。しかし、なぜ私達は基準を持つべきと考え、もし持つべきだとすればどのような基準を持つべきなのだろうか。こうした問題意識の下、先哲が思考を巡らした基本的な倫理原則と現代の医療を巡る問題を往復しながら、生命倫理を巡る技術的あるいは社会的な諸問題を考えていく。倫理は説教/倫理は教えられない/倫理に正解はない等の一般的見解から脱しながら、(1)生命倫理に関連する倫理原則への理解(2)生命倫理を巡る諸問題に関する正確な基礎知識(3)倫理原則を諸問題に応用して自ら考える力を養うことを基本方針とする。

授業内容

1.序論:生命を倫理学的に捉えることの意義〜医療と生命の倫理的問題へのアプローチ
2.生命倫理学の基本原則(1):生命の質と価値をめぐる倫理について
3.生命倫理学の基本原則(2):医療におけるコミュニケーション:IC、パターナリズム、キュアとケア
4.生と死をめぐる諸問題(1):生の始まりをめぐる倫理:生殖医療をめぐる倫理について
5.生と死をめぐる諸問題(2):生の終わりをめぐる倫理:安楽死・尊厳死について
6.生と死をめぐる諸問題(3):生の連続性をめぐる倫理:臓器移植について
7.中間テスト:1〜6の授業内容に関する試験
8.生と科学技術の諸問題(1):遺伝子診断・操作をめぐる問題
9.生と科学技術の諸問題(2):クローン技術の応用をめぐる問題
10.生と科学技術の諸問題(3):ヒト胚研究と再生医療をめぐる問題
11.医療と社会の諸問題(1):医学研究をめぐる倫理問題
12.医療と社会の諸問題(2):医療制度をめぐる倫理問題
13.医療と社会の諸問題(3):健康と病気、そして文化をめぐる倫理問題
14.結論:生命倫理の再検討〜先端技術は人間に何をもたらしたか
15.期末テスト:8〜14の授業内容に関する試験

評価方法

中間テスト30%、期末テスト40%(いずれも持ち込み不可)。講義への関与度30%。
ただし、出席率が70%以下の者は単位を認めない。

教科書

講義時に独自作成した資料を配布する。参考文献 霜田求ほか『医療と生命(シリーズ〈人間論の21世紀的課題〉3)』 小出泰士『良識から見た生命倫理』 今井道夫『生命倫理学入門 第2版』 加藤尚武・加茂直樹『生命倫理学を学ぶ人のために』

備考

「倫理学」を履修していることが望ましい。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Sep 20 07:55:07 JST 2012