免疫学は疫を免れるという医療の目的の中から出発した学問である。近年さまざまな生物学、特に遺伝子工学や細胞工学などの進歩によって大きな発展を遂げている。同時に単クローン抗体などの免疫学的手段が生物科学全体に大きな影響を与えている。一方、日常のマスコミにおいても、エイズ、臓器移植、自己免疫疾患、アレルギー、ワクチンなどの言葉が登場し、それらの理解に免疫学の基本的な知識が必要となっている。
免疫学は生命工学を履修するものにとり、基礎的な意味においても応用的な意味においても重要な学問である。講義では、免疫学の基本的な概念を理解することを目的として教科書にそって説明する。