N0130500

公衆衛生学

Public Health

開講部

システム工学部

開講学科

生命科学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義

未定

授業の教育目的及び方針

世界保健機関における健康の定義では、「健康とは完全な肉体的、精神的、及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱でない状態を指すのではない。」とされている。人々の健康の状態を把握し、健康で安全な生活を送れるようにするにはどうすれば良いか。そのための方策を考えるのが、公衆衛生学である。世界的な状況、日本の歴史的状況も踏まえながら、公衆衛生に関する基礎知識と、「健康」に関わる幅広い問題の考え方を学ぶ。また、たばことダイオキシンとではどちらの方がリスクが高いかといった身の回りの公衆衛生上のリスクやそれらを解析する疫学的手法などについて学ぶ。マスコミに踊らされない冷静な判断力を身に付けてもらいたい。

授業内容

1. 世界的な公衆衛生の状況 世界を見渡すと基本的な生活環境が整っていない国も数多い。それらの現状の概観と講義の全体像をつかむ。
2. 日本の衛生状況 現代の日本の公衆衛生の向上、公害の歴史について。
3. 疫学の基礎 疫学の基本的手法を身に付ける。
4. 環境保健の基礎 公衆衛生の中の公害、環境保健、身の回りのリスクの変遷について。
5. 水質汚染 水質汚染物質による健康影響と対策、課題について学ぶ。特に、飲料水起因の事故事例について取り上げる。
6. 大気汚染 大気汚染物質による健康影響と対策、課題について述べる。
7. 職業関連や住環境のリスク 職業関連や住環境のリスクについて、概要と対策、課題について学ぶ。
8. 中間試験 これまでの講義に関連する事項について筆記試験を行う。
9. 感染症、たばこなどのリスク 世界的感染症、性感染症、うつと自殺、交通事故などによるリスクについて学ぶ。
10. 疾病から見た公衆衛生 がん、循環器系疾患などの疾病に関するリスクの特性とその対策などについて学ぶ。
11. 食品、栄養 食品、栄養の摂取などに関わるリスクについて学ぶ。
12. 災害と公衆衛生、身近なリスク 災害時の公衆衛生上の課題、家庭用品による事故、子どもの事故など身近なリスクについて学ぶ。
13. 国際的な環境保健問題 都市化、大気汚染物質の長距離輸送、廃棄物の越境、オゾン層の現象、気候変動、海洋汚染など広域的な環境保健の課題について学ぶ。
14. まとめ 本講義のまとめを行う。
15. 期末試験

評価方法

中間試験、期末試験の合計点が60点以上を合格とする。

教科書

「わかりやすい公衆衛生学」竹田美文他、三共出版(2004) 参考書:「基礎から学ぶ楽しい疫学 第2版」中村好一、医学書院(2006) 「環境医学入門」レナート・メラー編、清水英佑・安達修一監訳(2003)

備考

1年次の「環境化学」を履修していることが望ましい。

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合40%)

最終更新 : Thu Sep 20 07:56:23 JST 2012