4M525000

弾性力学特論

Theory of Elasticity

開講部

大学院理工学研究科 修士課程

開講学科

機械工学専攻

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

特修

系列区分

特論

講義区分

講義
講師岡本紀明この授業の2010年度のアンケートを参照

科目英語名称

Theory of Elasticity

授業内容

最近のコンピュータの発展に伴って、有限要素法により線形、非線型を問わず複雑な構造の解を定量的に正確に求めることが可能となった。その面では有限要素法は極めて有効な手段であるが、一つの入力条件に対して一つの結果しか得られない。ところが、最近は設計の大勢を決める上流設計が特に重要視されて、そのための手段としては不十分である。そのため、問題の本質を見通せ、設計解への設計パラメータの影響、傾向が評価できる理論的学識が強く求められている。そこで、有限要素法への橋渡しを念頭において、まず固体力学分野の諸現象を支配する基礎式を導き、解き方を学習する。さらに、代表的な工学問題を取り上げ、その解法と解の性質を吟味することにより、応用の仕方と問題の本質を見抜く方法を考える。

達成目標

1.弾性力学の基礎学識、数理的に定義された応力、ひずみ、ひずみエネルギを理解する。
2.固体力学分野の諸現象を支配する基礎微分方程式の特徴を理解し、その解法を学習する。
3.具体的な問題の解析を通して、物体内に生じる応力やひずみの性質を理解する。
4.材料の機械的性質と破損則およびその関係を理解する。
5.応力集中の発生する原因を理解する。
6.接触問題の考え方・解き方を理解する。

授業計画

1.第1章 序      ・本講義の狙いと計画 ・設計と弾性力学
2.第2章 3次元応力の解析  ・応力成分とコーシーの公式
3.第2章 3次元応力の解析  ・座標変換と応力テンソル  ・主応力と最大せん断応力
4.第2章 3次元応力の解析  ・応力の不変量  ・力の釣合い方程式
5.第3章 変形とひずみ ・物体の運動と変形  ・ひずみと回転
6.第3章 変形とひずみ ・ひずみテンソル ・主ひずみとひずみの不変量 ・適合条件式
7.第4章 応力・ひずみの関係 ・フックの法則 ・ひずみエネルギ ・材料の破損則
8.第5章 直交座標で表される平面問題  ・平面問題の定義と特性式
9.第5章 直交座標で表される平面問題の基礎式  ・力の釣合い方程式 ・適合条件式
10.第5章 直交座標で表される平面問題の解法  ・エアリーの応力関数とその応用
11.第6章 極座標系で表される2次元弾性問題  ・極座標への展開と基礎式の特徴
12.第6章 軸対称問題 ・一般解 ・外圧を受ける厚肉円筒の応力と破壊評価
13.第6章 2次元弾性問題の解析例 ・円孔を有する無限平板の応力と応力集中係数
14.第7章 接触力学  ・基礎理論 ・ヘルツの公式の誘導
15.第7章 接触力学  ・接触応力と強さ ・転動面の強度設計
16.期末試験

評価方法と基準

授業内容に沿った4題の課題に対するレポートと期末試験で評価する。
科目の合否は、4回のレポートと期末試験との合計点で評価する。
(レポート:20点x4回)+(期末試験:100点満点)=180点として、総合得点率が60%以上を合格とする。

教科書・参考書

参考書:Timoshenko,S.& Goodier,J.N., Theory of Elasticity
必要によりプリントを配布する。

履修前の準備

材料力学を履修しておくこと。

オフィスアワー

授業時間の後

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Fri Nov 25 15:51:07 JST 2011