6M002400

人間行動システム特論

開講部

大学院理工学研究科 修士課程

開講学科

システム理工学専攻

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

特修

系列区分

特論

講義区分

講義
教授高中公男

授業の概要

 人間行動・消費者行動の分析は、マーケティング等の観点からさまざまな形でなされてきた。人間行動は、その背景としての価値観の存在と、それに伴う意思決定とによって形作られるものである。つまり、「価値」を形成するシステムと、意思決定をつかさどるプロセスとから検討されるべきである。
 本講義では、人間行動を「価値システム」と、「意思決定プロセスないしはシステム」とを念頭に置きつつ、包括的に捉え、人間行動について多角的に考える機会を提供することを目的とする。

達成目標

1.人間行動の根底に位置する価値観とそれを形成する「価値システム」について理解する。
2.人間行動の本質的な表出である「意思決定システム」について理解する。
3.包括的に捉え、人間行動について多角的に考えることができるようにする。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.イントロダクション:人間行動を科学的に分析するとは参考文献として指定されている文献について通読する。
2.人間行動分析の系譜行動科学に関する文献。特にコープランドなど「動機」に関する文献を通読の上、出席すること。
3.動機の探求と行動の測定と予測行動科学に関する文献。特にカトーナ、スコットなど「心理」に関する文献を通読の上、出席すること。
4.内的プロセスの解明エンゲル=コラット=ブラックウェルの文献を読んでくること。
5.「価値システム」と「意思決定」の結果としての「選択」カッツ=ラザースフェルド、フェスティンガー等の文献を読んでくること。
6.「選択」の形成:内的要因と外的要因チェスキン、ディヒター、マルティーノ等の文献を読んでくること。
7.「選択」における短期的利益と長期的利益:内的要因カッツ=ラザースフェルド、フェスティンガー等の文献を読んでくること。
8.人為的に創られた「選択」:外的要因カッツ=ラザースフェルド、フェスティンガー等の文献を読んでくること。
9.選択肢と「選択」の関係:選択できることは消費者利益を増進するかブラウン、カニンガム、ハロウェイ等の文献を読んでくること。
10.「選択」の代償ニコシア、エンゲル、コラット、ブラックウェル等の文献を読んでくること。
11.人間行動のパターン分析ウィルキー、シェス=セティ等の文献を読んでくること。
12.意思決定プロセスの諸段階ウェブスター=ウィンド、ディビス=リゴー等の文献を読んでくること。
13.知識構造と関与水準の分析ウェブスター=ウィンド等の文献を読んでくること。
14.「選択」と「偶然」と「運命」の三元連立方程式関与研究、知識研究に関する文献を読んでくること。
15.全体のまとめ最終レポートの提出

評価方法と基準

講義中の課題発表(50%)と最終レポート(50%)による総合評価とし、60点以上を合格とする。

教科書・参考書

教科書は使用しない。講義中に必要に応じて指示する。なお、以下の参考書については、講義受講前に通読しておくこと。
<参考書>
・C. O. Scharmer, Theory U: Leading from the Future as It Emerges, Berrett Koehler Publishers, 2009.
・Sheena Iyengar, The Art of Choosing, Twelve HachetteBook Group, 2010.
・白井美優里著『消費者の価格判断のメカニズム』千倉書房、2005年
・K. J. Lancaster, Consumer Demand, Columbia University Press, 1971.

履修登録前の準備

参考文献として指定されている文献を講義受講前に通読しておくこと。

オフィスアワー、質問・相談の方法

事前にアポイントを取得上、研究室で対応する。

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合30%)

最終更新 : Sat Jun 04 07:01:41 JST 2011