A0070100

機械力学

Fundamentals of Mechanical Vibrations

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

必修

系列区分

専門

講義区分

講義
教授佐伯暢人

授業の概要

(授業の概要と目的)
近年、機械工業の発達はめざましく、そのなかで機械の高速化、高性能化、軽量化が強く要求されている。そのため、機械・装置で発生する機械振動が重要な問題となってきており、それを防止する必要に迫られている。また、この機械振動は、しばしば機械・装置の破壊,故障の原因ともなるため、技術者にとって機械振動の知識は必要不可欠なものになってきている。
本講義では、はじめに機械振動を表す方程式および各種パラメータの定義など基礎事項について学ぶ。続いて1自由度系を中心にして、各種振動の運動方程式を導出し、その解法を解説する。さらに、それらの解を基に、各種振動の現象・基本的性質を理解する。同時に、各段階で演習問題を多く取り入れ、機械振動の理解を深める。

達成目標

1.機械振動を表す各種パラメータの定義などを正しく理解し、それらを求めることができる。
2.1自由度系の各種運動に対する方程式をNewtonの運動法則および回転運動の法則から誘導でき、それらの方程式を解くことができる。
3.1自由度の自由振動、減衰振動、強制振動の現象・特性を正しく理解し、それらの概要を説明することができる。また、各振動を表すパラメータを評価することができる。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.ガイダンス
  ・振動とは何か?
  ・振動は何故起こるか?
  ・振動解析の重要性
  ・機械力学における振動の取り扱い
SI単位や運動方程式の導出方法を確認しておくこと.
2.調和振動
  ・変位、振幅、速度、速度振幅、加速度、加速度振幅、円(角)振動数、振動数、周期、位相角などの定義
第1章〜第2章P.9に目を通すこと.
3.振動の複素表示と振動の合成
  ・回転ベクトル、回転ベクトルの複素表示と調和振動、複素振幅
  ・調和振動の合成、合成波形の周期、うなり
  ・リサージュ
第2章P.20まで目を通すこと.
4.減衰のない1自由度系の自由振動(1)
  ・自由度とは
  ・力学モデル、運動方程式の誘導、運動方程式の解法
  ・各パラメータの定義と物理的意味
第3章P.28まで目を通すこと.
5.減衰のない1自由度系の自由振動(2)
  ・各種1自由度系(並進振動系、回転(角)振動系)の運動方程式の誘導、慣性モーメント、ねじりばね定数、固有振動数
第3章P.35まで目を通すこと.
6.減衰のない1自由度系の自由振動(3)
  ・エネルギー法
第3章P.41まで目を通すこと.
7.総合演習(1)
  ・第2回から第6回までの講義内容に関する総合演習
  ・試験終了後に配付資料を用いて解説する.
第1〜6回で実施した演習問題を復習すること.
8.減衰のある1自由度系の自由振動(1)
  ・減衰要素について
  ・力学モデル、運動方程式の誘導、標準形、各種パラメータの定義
  ・方程式の解法、解の種類とその運動、過減衰、臨界減衰、不足制振(減衰振動)
第3章P.47まで目を通すこと.
9.減衰のある1自由度系の自由振動(2)
  ・粘性減衰の続き、減衰固有振動数、対数減衰率
  ・減衰要素:クーロン摩擦
第3章P.53まで目を通すこと.
10.1自由度系の強制振動(1)
  ・減衰の無い系
力学モデル、運動方程式の誘導、運動方程式の一般解、強制振動、共振、周波数応答
第4章P.63まで目を通すこと.
11.1自由度系の強制振動(2)
  ・粘性減衰のある系
力学モデル、運動方程式の誘導、運動方程式の一般解、強制振動、共振、周波数応答、各種減衰の表現
第4章P.67まで目を通すこと.
12.1自由度系の強制振動(3)
  ・振動の仕事
  ・クーロン摩擦のある系、等価粘性係数
  ・不釣り合い外力による強制振動
第4章P.76に目を通すこと.
13.総合演習(2)
  ・第8回から第12回までの講義内容に関する総合演習
  ・試験終了後に配付資料を用いて解説する.
第7〜12回で実施した演習問題を復習すること.
14.1自由度系の強制振動(4)
  ・振動絶縁
  ・変位による強制振動
第4章P.81まで目を通すこと.
15.定期試験
  ・試験終了後に配付資料を用いて解説する.
これまでに実施した演習問題を全て,復習すること.

評価方法と基準

達成度は2回の総合演習及び定期試験により評価する.

(評価割合)
総合演習1       20%
総合演習2       20%
期末試験        60%
総合得点が60点以上を合格とする。

教科書・参考書

岩田,佐伯,小松崎「機械振動学」(数理工学社)を教科書とする。

履修登録前の準備

特になし

学習・教育到達目標との対応

1.(D-2)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を自然科学の法則に基づいて理解し,現象の予測や解析を行うことがきる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業前後30分間を質問時間とします.

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Sun Apr 06 07:19:15 JST 2014