E0390400

発変電工学

Generation of Electric Power

開講部

工学部

開講学科

電気工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
講師渋谷義一

授業の概要

 電気は現代社会において最も重要なエネルギーである。電気(電力)の発生すなわち発電について学ぶと同時に電気の利用者(需要家)とのインターフェースである変電についても学習する。
現在、電気エネルギーのほとんどが、水力、火力 および 原子力により発電されている。発電技術は機械、電気、土木、建築、制御、化学、材料等のあらゆる部門にわたる広汎な技術的成果の所産である。
こうした観点に立ち、物理学・電気工学・機械工学などの幅広い知識を適用た総合技術としての水力・火力・原子力などの電力発生技術を多面的に学ぶ。また,送電の要である変電所についてもその役割と変圧器、遮断器、調相設備等の変電機器について一通りの知識を得るようにする。さらに、発電のための資源の制約や地球環境の面などから、発電・変電に関わる課題も顕在化してきているので、これらの問題についても学習する。
発変電工学は、地道な研究開発によりエネルギー問題を解決していく重要な学問分野の一つである。

達成目標

1.電気エネルギーの特徴と日本のエネルギー事情を理解して、 今後なすべきことを把握し他の人に説明できる。
2.水力発電技術の歴史と現在の技術を理解し、今後の課題を他の人に説明できる。
3.火力発電の基本原理と歴史および現状の技術を理解し、今後の課題を他の人に説明できる。
4.原子力発電の基本原理と歴史および現状の技術を理解し、今後の課題を他の人に説明できる。
5.変電に使われる各機器の基本的な役割を理解し、今後の課題を他の人に説明できる。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.発変電の概要
  ・世界のエネルギー消費と供給
  ・日本のエネルギー事情
  ・発変電技術の発達の歴史
日本のエネルギー源の内訳についてあらかじめ調べておく。(教科書 p.1〜9 の内容に対応)。
2.発電設備の概要
  ・水力発電
  ・汽力発電
  ・原子力発電
  ・各方式の比較
発電所はどのようなところに設置されているかを調べておく(教科書 p.9〜16 の内容に対応)
3.水力発電(1)
  ・水力発電方式
  ・水力学
  ・水力発電所効率
  ・水力設備
ベルヌーイの定理について勉強しておく。(教科書 p.17〜51 の内容に対応)
4.水力発電(2)
  ・水車
  ・水車発動機
  ・水車発電機と電気設備
発電機の原理を復習しておく。(教科書 p.51〜83 の内容に対応)
5.水力発電(3)
  ・揚水発電
  ・水力発電所の運転
  ・水車の振動、劣化
位置のエネルギー,運動のエネルギーについて復習をしておく。(教科書 p.83〜97 の内容に対応)
6.中間試験
 範囲は発変電の概要および水力発電全般
(達成目標1および2の評価,持ち込み可)
答案整理後(1,2週あと)に,試験結果についての講評をすると同時に,共通して理解不足の点についてはその問題点について解説して内容を把握できるようにする。その内容は解答例と採点基準とともに「授業ページ」にアップして,授業後でも確認できるようにする。
エネルギー資源問題と水力発電に関する内容を復習して、演習問題が解けるようにしておくこと。
7.火力発電(1)
  ・火力発電方式
  ・熱力学 
  ・ボイラ
  ・蒸気タービン
  ・加熱器、節炭器
  ・蒸気の流れ
熱力学の第二法則およびカルノーサイクルについて原理を復習しておくこと。(教科書 p.99〜142 の内容に対応)
8.火力発電(2)
  ・タービン発電機
  ・励磁方式
  ・発電所計画
発電機の構造について予備知識を仕入れておく。(教科書 p.142〜186 の内容に対応)
9.火力発電(3)
  ・コンバインドサイクル発電
  ・環境、運転自動化
  ・ガスタービン発電・内燃力発電
大気汚染物質について予習しておくこと。(教科書 p.186〜196 の内容に対応)
10.原子力発電(1)
  ・原子力発電推移
  ・世界における原子力発電
  ・原子力発電の特徴
  ・原子炉の理論
  ・BWRとPWR
熱核反応について予習しておく。(教科書 p.197〜214 の内容に対応)
11.原子力発電(2)
  ・循環系、ECCS、燃料
  ・始動と計測
  ・廃棄物処理と燃料サイクル
福島第一原発の事故収拾の経緯につき予習しておく。(教科書 p.214〜234 の内容に対応)
12.変電(1)
   ・変電所の役割
・変電の仕組み
・変圧器とその運用
電力系統で用いられる単位法についてあらかじめ調べておくこと。(教科書 p.259〜281 の内容に対応)
13.変電(2)
  ・開閉設備と短絡容量軽減対策
・母線,変成器,避雷装置
遮断器の役割につき予習しておく。(教科書 p.281〜307 の内容に対応)
14.変電(3)
  ・調相設備と電圧,力率改善設備
  ・監視制御方式と保護継電方式
  ・変電所の設計・試験と運転・保守
三相交流,力率について復習をしておく。(教科書 p.307〜334 の内容に対応)
15.定期試験
 範囲は火力・原子力および変電全般
(達成目標3,4および5の評価,持ち込み可)
答案整理後(1,2週あと)試験結果についての講評および理解不足の点についての解説を解答例と採点基準とともに「授業ページ」にアップして,授業終了後でも確認できるようにする。
火力発電、原子力発電、変電について復習すると同時に、演習問題が解けるようにしておく。

評価方法と基準

・達成目標1,2は中間試験、達成目標3,4は定期試験により評価する。
・中間と期末の試験はそれぞれ100点満点で評価し、
(中間試験の点数)×0.4+(期末試験の点数)×0.6
が 60点 以上であれば、本科目の達成目標を達成できたと判定する。

教科書・参考書

教科書 道上勉:「発電・変電[改訂版]」,電気学会(オーム社),2000
参考書 財満英一:「発変電工学総論」,電気学会(オーム社),2007
参考書 関根・堀末共著「エネルギー工学概論」(電気学会)

履修登録前の準備

電気機器基礎論1,2またはそれ相当科目を履修していることが望ましい。

学習・教育目標との対応

1.D3:電気工学の専門知識を駆使することにより、与えられた課題を解決することができる。

オフィスアワー、質問・相談の方法

水曜日時間中は松本研究室にいます。
質問はEmailでも常時受け付けます:shibuya@sic.shibaura-it.ac.jp

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合20%)

最終更新 : Sun Apr 06 07:10:53 JST 2014