J0121300

力学の基礎

Introduction to Mechanics

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
教授岸田慎司この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

この講義は建築学科に入学した1年生を対象としている。
 力を直接目視で確かめることはできないが、力を受けた構造物の変形や移動、あるいは破壊などを観察することにより、力が働いていることを認識することができる。
 この授業では、力が静的に作用した場合についてのみ考え、物体の運動により発生する力(慣性力)、あるいは力の作用する結果生ずる運動の作用については考えない静力学の範囲に重点を置いている。
 力がどのように作用しているかを直感的に把握できれば建築の設計の際に応用することが可能となる。
 授業では、力を数学(代数あるいは幾何)的に把握することができるように数量的にあつかう力学の基礎を学ぶ。これまで力学をあまり学んでいない者を主に対象とする入門編であり、大学での力学系の授業で必要とされる基礎的な知識の修得を目的としており、例題を交えながらできるだけ平易に解説する。
 以下の授業計画に示す内容を既に理解している者は受講する必要はないと考え、必修としていない。今後始まる構造関係の専門分野を理解するために、力学を不得手としている者には受講を強く薦める。
 この科目は以上に述べた目的の講義であり、出席を重視する。
 建築学科1年生以外の履修、および再履修は認めていない。

達成目標

1.力の作用と反作用および静的な力の釣り合いについて学び、外力に対する構造物の支点反力の意味を理解し、建築構造力学を理解するための基礎力が得られる。
2.図心の意味とその求め方を理解できる。
3.この講義の後に展開される構造関係の内容を理解し、種々の例題を通して工学的および数学(代数あるいは幾何)的な考え方の基礎力を得られる。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.力の表現方法と扱いかた
 静力学の原理
構造で学ぶ内容とこの科目の位置づけ
シラバスを確認する。
教科書p1−p9を予習
2.力の合成と分解
 射影法
 幾何学的方法、および両者の関係
教科書p9−p14を予習
3.一点に集まる力の釣り合い(1)
 幾何学的解法
教科書p14−p23を予習
4.一点に集まる力の釣り合い(2)
 代数的解法と、幾何学的解法との関連
教科書p14−p23を予習
5.静定構造の基本形と支点反力
 種類と力の釣り合い
プリント(配布)を目を通す
6.平面内の3つの力の釣り合い(1)
 モーメント法(数式解法)
教科書p32−p40を予習
7.平面内の3つの力の釣り合い(2)
 力の釣り合いの幾何学的表現
教科書p32−p40を予習
8.平行な力の釣り合いに関する解法 教科書p61−p69を予習
9.平行な力の釣り合いに関する解法(2)
 平面内の一般的な平行力の考え方
 平行力の中心と重心
教科書p69−p78を予習
10.図心と重心(1)
 曲線の図心
教科書p78−p88を予習
11.図心と重心(2)
 図形の図心
教科書p78−p88を予習
12.図心と重心(3)
 面積モーメントの概念と求め方
教科書p88−p98を予習
13.図心と重心(4)
 各種分布力の中心と重心
教科書p98−p106を予習
14.構造物の外力と支点反力
  各種構造、荷重に対する力の釣り合い
  今後の建築構造の流れについて
プリントに目を通す
15.学期末試験
・試験終了後,配布解答を用いて解説
今までの範囲の問題を復習

評価方法と基準

原則として毎回出すレポート課題(出席していない者は受け取らない)により、各項目に対する理解度、努力・達成度を判定する。
期末試験により最終的な達成度を評価する。
レポート課題:40%,期末試験:60%
総合得点率60%以上を合格とする。

教科書・参考書

ティモシェンコ「応用力学(静力学編)」を教科書として使用する。
この本は、S.Timoshenko,D.H.Young「Enginnering Mechanics」の Staticsの部分の訳本である。この原本は、文学ではなく微妙な表現は不要なために、一旦専門用語に慣れれば内容は比較的平易である。
興味のある学生には、この原本を併用することを薦める。

履修登録前の準備

特になし

オフィスアワー、質問・相談の方法

開講日の昼休みおよび授業終了後に質問などを受け付ける。(不明な点は次回に持ち越さないように!)

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Fri Sep 19 12:38:38 JST 2014