J0210400

弾塑性論

Elastic and Plastic Mechanics

開講部

工学部

開講学科

建築学科

開講学年

4年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
講師篠原保二この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

構造設計では、弾性力学に基礎を置く、許容応力度設計法が基本であるが、将来起こりうる大地震に対して、許容応力度設計を行うのは不経済である。そこで構造骨組に対してある程度の塑性変形を許容し、そのエネルギー吸収によって地震エネルギーに抵抗する設計も必要になる。本講ではそのような設計に対して必要な部材および骨組の終局強度計算方法を弾性理論あるいは塑性理論に基づいて述べる。

達成目標

1.弾性力学(許容応力度設計)及び塑性力学(終局強度設計)の理解と、その適用方法を修得する。
2.材料の力学特性が構造部材の挙動にどのように影響するのかを修得する。
3.建物の必要保有水平耐力と保有水平耐力について修得する。
4.断面の全塑性モーメントについて修得する。
5.上下界の定理を理解し,構造物の崩壊荷重の算出方法を修得する。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.弾塑性論ガイダンスと本授業内容
 構造材料(コンクリートと鋼材)の力学的特性
シラバスの確認
2.RC構造と構造設計の変遷
 許容応力度設計法と終局強度設計法の違いと問題点・塑性設計に関する問題提示
各種設計法の概念について予習
3.RC構造の性能と構造設計
 地震時の建物の崩壊形式を理解し、耐震性能に関する考え方を説明
耐震設計に関する予習
4.保有水平耐力
 建物の保有水平耐力と必要保有水平耐力の算出方法
建物の水平耐力について予習
5.部材断面の弾塑性曲げ解析(1)
 曲率とひずみ、曲げ剛性とヤング率の関係
構造材料の弾塑性について予習
6.部材断面の弾塑性曲げ解析(2)
 降伏モーメント、全塑性モーメント
平面保持と曲げ解析について予習
7.部材断面の弾塑性曲げ解析(3)
 軸力と曲げモーメントが同時に作用する断面・M-N相関図
弾性状態のM-N相関図について予習
8.簡易骨組の弾塑性解析(1)
 仮想仕事法・上界の定理 ・下界定理
材料力学のエネルギー原理・仮想仕事法について予習
9.簡易骨組の弾塑性解析(2)
 上界・下界の定理の応用
材料力学のエネルギー原理・仮想仕事法について予習
10.RC部材の復元力特性
  骨組の変形計算に対する片持ちはりの応用
片持ちはりの変形性状について予習
11.曲げモーメントを受けるRC梁
  部材断面の弾性域から塑性域にわたっての応力と変形の関係(降伏モーメント,終局モーメント)
曲げモーメントを受けるRC梁の許容応力度設計法について予習
12.曲げと軸力を受けるRC柱
  軸力が柱部材の終局曲げモーメント,変形性能に及ぼす影響
曲げと軸力を受けるRC柱の許容応力度設計法について予習
13.3次元・2次元応力状態とモールの応力円
  せん断ひび割れを理解する
モールの応力円について予習
14.せん断力を受けるRC部材
  実験と理論に基づくせん断ひび割れ強度,せん断終局強度
せん断力を受けるRC部材の許容応力度設計法について予習
15.鉄筋コンクリート部材の数値解析(FEM)例の紹介 FEMとは何かについて予習

評価方法と基準

出席回数,レポートおよび小テストで評価し,60点以上を合格とする。
レポートと小テストの回数は未定であるが,1回あたりの配点は同じである。平均60点以上を合格とする。
2回までの欠席は減点せず,3回目以降の欠席は累進的に減点する。

教科書・参考書

プリントを配布する。

履修登録前の準備

「構造解析」「材料力学」を履修しておくこと

学習・教育目標との対応

人間が、健全な生活を営むためには、自然からの外的要因に対し、建物の安全性の確保が重要であることの理解。

オフィスアワー、質問・相談の方法

講義修了後、研究室にて。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Fri Sep 19 12:51:22 JST 2014