L0982400

パターン認識

Pattern Recognition

開講部

工学部

開講学科

情報工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
講師麻田治男この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 パターン認識はモノの姿、形、特徴からそれが何であるかを認識するという、人間や動物が持つ高度な能力をコンピュータにも持たせようという学問分野である。古くは文字認識で実用化が始まり、現在では音声認識や指紋認証なども実用化がなされている。将来的には物体認識による高度なロボットの眼を実現することが期待されている。
 本講義ではパターン認識の根幹である識別理論の理解に重点を置くが、実際の問題が与えられたときに全体のシステムをイメージできるようになることも目標のひとつとしている。そのため、まずは基本的な識別方式である線形識別関数法や重ね合わせ法で識別概念を理解した後、前処理や特徴抽出を含んだパターン認識系の設計について解説し、演習の時間を設けて具体的な問題に挑戦してもらう。その後、ニューラルネットや部分空間法などの高度な識別理論や学習理論へと発展させる。

達成目標

1.パターン認識システムを設計することができる。
2.学習の概念を理解して実装することができる。
3.パターン認識の実用状況を理解する。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.パターン認識とは何か
 ・パターン認識の目的
 ・身近なところにある応用例
教科書第1章1.1を通読する
2.パターン認識システムの構成と識別原理
 ・最近傍法(NN法)
 ・単純類似度法
教科書第1章の残りと第4章p35-p40を予習
3.線形識別関数法
 ・パーセプトロンの学習規則
 ・区分的線形識別関数
 ・k-NN法
教科書第4章p40-p47を予習
4.誤差評価に基づく学習方式
 ・最急降下法
 ・Widrow-Hoffの学習規則
教科書第5章p53-p58を予習
5.PC演習(1)
 ・表計算ソフトの使用法
 ・パーセプトロン学習規則の実装
事前に配る表計算ソフトの例題を解いておく
6.PC演習(2)
 ・表計算ソフトによるWidrow-Hoffの学習規則の実装
 ・wavesurferによる自分の音声の解析
Widrow-Hoffの学習規則を復習し、Wavesurferの説明書を予習しておく
7.パターン認識システムの設計
 ・前処理、特徴抽出、標本化、正規化
教科書第2章と第3章を予習
8.重要事項の確認と中間試験および解答の解説これまでのすべてを復習
9.統計的手法(1)
 ・ベイズ決定則
 ・マハラノビスの距離による認識
教科書第7章と事前に配るマハラノビスの距離の資料を予習
10.統計的手法(2)
 ・部分空間法
 ・KL展開
 ・複合類似度法
事前に配る行列の固有値についての資料を予習
11.PC演習(3)
 ・マハラノビスの距離による識別実験
 ・部分空間法による識別実験
マハラノビスの距離の資料と部分空間法を復習
12.クラスタリングとニューラルネットワークの学習事前に配るクラスタリングのテキストと教科書第6章p71-p80を予習
13.連続音声認識システム
 ・音響モデルと言語モデル
 ・音響モデルの作り方、使い方
 ・HMM(隠れマルコフモデル)
教科書9章と10章を予習
14.パターン認識システムの実例(バイオメトリック認証)
 ・顔認証    ・指紋認証
 ・静脈パターン ・虹彩認証
 ・バイオメトリック認証の性能評価
 ・バイオメトリック認証の脆弱性
事前に配るテキストを予習
15.重要事項のまとめと期末試験これまでのすべての復習

評価方法と基準

中間試験と期末試験の得点(70%)、PC実習の提出物とレポート(30%)

教科書・参考書

講義の大部分は教科書に沿って行うが、一部は参考書1と2の内容で行う。
必要な図表はシェアホルダーに掲示する。
教科書:森北出版「フリーソフトでつくる音声認識システム」
     荒木雅弘著
参考書1:オーム社「わかりやすいパターン認識」
     石井健一郎ほか著
参考書2:コロナ社「認識工学 パターン認識とその応用」
     鳥脇純一郎著

履修登録前の準備

特になし

オフィスアワー、質問・相談の方法

講義終了後および電子メール

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Sun Apr 06 07:11:52 JST 2014