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微分方程式

Differential Equations

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講師一島力男
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授業の概要

方程式といえば未知数を含む関係式でした.微分方程式とは未知関数とその導関数を含む関係式です.未知数の代わりに未知の関数が対象になるのです.従って与えられた関係式を満たすような関数を求めることが微分方程式を解くということです.自然科学の法則や工学における現象には微分方程式で表されるものが極めて多く存在します.ニュートンの運動方程式は,質点の位置を時刻の関数として捉えたとき,この関数の2階の導関数(即ち,加速度)と力の関係式です.つまり具体的に力を与えるとそれに対して1つの微分方程式が得られるのです.
このように現象がどのような原理のもとに引き起こされているかは現象における変化の部分に注目することによって理解されることが多いのです.それゆえ多くの現象が変化率を含んだ微分方程式で表されることになり,その結果自然科学や工学では至るところに微分方程式が登場してくるのです.そこで微分方程式を数学的に学ぶことは工学の勉強や研究に不可欠だというほど重要なことなのです.

履修上の注意:数学は積み上げ式の科目なので,1講義ごとの内容を復習によって確かなものにし,講義内外で演習問題を解くことにより定着させてください.尚,受講生が多い場合は,教室の試験定員(72名)を目安として,人数制限を行うことがあります.同じ曜日に複数の同一科目が開講されている場合,割り振りは自動で行います.

達成目標

1.変数分離形,1階線形常微分方程式の一般解を求められるようにする.
2.ベルヌーイ微分方程式,リッカチの微分方程式を解けるようにする.
3.完全形の微分方程式を解けるようにする.また,積分因子についての理解をもつ.
4.定数係数2階線形微分方程式の一般解を求められるようにする.
5.連立線形微分方程式の一般解を求められるようにする.
6.2階線形微分方程式の一般解を級数を用いて近似できるようにする.

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.常微分方程式の解について(初期条件と境界条件) 独立変数と従属変数について確認しておく.また,微分方程式を解くためには,積分を必要とするので,積分の確認をしておく.さらに,指数関数や三角関数のテイラー展開を必要となるので確認しておく.
2.変数分離形, 同次形の微分方程式 左辺にxの関数,右辺にyの関数と分けることができるには,どのような条件が必要か調べておく.また,同次関数とはどんな関数か調べておく.
3.完全微分方程式,積分因子 完全微分方程式の解は,その全微分が完全微分形となるようなものである.そこで,微分積分2で学ぶ,全微分について確認しておく.
微分方程式にある関数をかけることで,完全微分形になる場合,その関数を積分因子という.そこで,積分因子の求め方を確認しておく.
4.1階線形微分方程式 1階線形微分方程式は,積分因子が簡単に求められることを確認しておく.したがって,むやみに公式を覚えずとも解けることを確認しておく.
5.ベルヌーイの微分方程式, リッカチの微分方程式 ベルヌーイの微分方程式は,もうちょっとで1階線形微分方程式になることを確認しておく.そのことから,どんなものをかければ1階線形に変形できるか確認しておく.
6.2階線形微分方程式の基本概念 2回線形微分方程式について学ぶには,線形代数1,2で学ぶベクトル空間という概念が必要となる.そこで,ベクトル空間と写像の核について確認しておく.
7.まとめと中間試験 ここまでで学んだことの確認をしておく.
8.同次形定数係数2階線形微分方程式 同次形定数係数2階線形微分方程式をベクトルを用いて表すことで,線形代数2で学ぶ固有値,固有ベクトルの問題に帰着できる.そこで,固有値,固有ベクトルの確認をしておく.
9.非同次形定数係数2階線形微分方程式 非同次形定数係数2階線形微分方程式は,クラメールを用いて簡単に解くことができる.そこで,線形代数で学ぶクラメールの解法について確認しておく.
10.微分演算子法の基本概念 微分演算記号Dを形式的に扱うことで,微分方程式を解くテクニックを微分演算子法という.微分演算子法をマスターするには,テイラー展開を用いるので,テイラー展開を確認しておく.
11.定数係数線形微分方程式の演算子法による解法 微分演算子を用いて実際に微分方程式を解く.そこで,微分演算子で成り立つ法則を確認しておく.
12.微分方程式のベキ級数による解法 多くの変数係数2階微分方程式は解くことができない.しかし,微分方程式の解がべき級数で表せるとして,その係数を求める級数解法についてまなぶ.そこで,級数の収束半径について確認しておく.
13.通常点,確定特異点における解放 ベキ級数を求めようとしている点がどのような時に通常点でどのような時が確定特異点なのか調べておく.
14.ルジャンドル方程式, ベッセル方程式 ベッセル方程式の解を表すのに,微分積分で学んだガンマ関数を用いるとすっきりした形で表せる.そこで,ガンマ関数について確認しておく.
15.期末試験と解説 これまで学んだことを確認しておく.

評価方法と基準

中間試験や演習・レポート・小テストなどを30%,期末試験を70%とし,総合得点60点以上を合格とする.

教科書・参考書

第1回目の講義で紹介する。

履修登録前の準備

線形代数1,2, 微分積分1,2を受講しておいてください.

学習・教育目標との対応(機械工学科)

1.(D-1)基本的な物理現象を自然科学の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に行うことができる.

学習・教育目標との対応(機械機能工学科)

1.(E)機械工学における基盤分野の理解に必要な基礎的な数学の知識と応用能力,実験・分析の遂行に必要な確率・統計,情報処理の基礎的な知識や自然現象を数学的にモデル化し,シミュレーションする基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 基礎的な数学の知識 (2) 実験データの分析能力 (3) 情報リテラシの習得 (4) 自然現象をモデル化し,シミュレーションする能力

学習・教育目標との対応(応用化学科)

1.(A)確かな基礎と化学の専門知識に基づいて問題を解決する。

学習・教育目標との対応(電気工学科)

1.C2:数理法則と物理原理など工学の基礎理論を理解し、適切に利用することができる。

学習・教育目標との対応(土木工学科)

1.C:数学および自然科学などに関する工学基礎知識を習得し、土木工学分野において応用・利活用できる能力を身につける

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業の前後

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Fri Sep 19 12:37:02 JST 2014