B0902320

生体力学

Biomechanics

開講部

工学部

開講学科

機械機能工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授山本創太この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

生体を構成する骨格,筋組織,内臓器官などは材料力学的観点からは非線形な大変形する物体と捉えられる.生体の機能維持に不可欠な血液は,潰れやすいチューブ内の拍動流であり,微視的に捉えると多数の血球などを含む懸濁液の流れで,大血管と抹消循環では異なる流動現象を示す.さらに生体の運動は,筋による能動的力発揮に起因する剛体−リンク系の運動として理解出来る.
本講義では,生体を解析する力学的手法の理解を目指す.生体の力学解析のために必要な,発展的な材料力学,流体力学,機械運動学について学び,生体医工学・医療工学・福祉工学・傷害バイオメカニクスの分野に対する機械工学的アプローチを理解する.

達成目標

1.生体の力学解析に必要な,連続体力学,材料力学,流体力学,機械運動学を理解する.
2.力学的観点からみた生体の特性,機能を理解する.
3.生体の特性,機能の力学的解析手法を理解する.

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.生体力学概論
生体の特性,機能の力学的観点からの俯瞰
自分の身体の機能,特性を力学的にどのように説明できるか,考える.
2.変形・ひずみの概念
基準配置・現配置の概念
材料力学のひずみの概念をよく復習する.
3.ひずみテンソルの定義基準配置・現配置の概念をよく復習し,理解しておく.
4.速度の概念材料力学のひずみの概念をよく復習する.
5.応力の概念材料力学の応力の概念をよく復習する.
6.応力テンソル応力の概念および基準配置・現配置の概念をよく復習し,理解しておく.
7.応力速度
主応力・不変量
応力テンソル,速度の概念をよく復習し,理解する.さらにマトリクスの回転,対角化について調べる.
8.場の方程式について力学の基礎等で学んだ運動方程式の概念をよく復習する.
9.中間試験
生体挙動の力学的解析の概念について
生体組織の力学特性とそれを表現する連続体力学に関する総復習.
10.生体流体力学1(特別講師による講義)
・生体内の流れ現象について
指定参考図書等により,循環系の機能について調べる.
11.生体流体力学2(特別講師による講義)
・生体内流れへの流体解析の適用
血流に関する生体医工学的研究について調べる.
12.生体組織の力学1
・生体の構成と構造について
・生体組織の変形挙動
指定参考図書等により,生体がどのような材料から成り立っているかを調べる.
13.生体組織の力学2
・生体組織の変形挙動を表現する力学モデル
・生体組織のリモデリング・機能的適応
指定参考図書等により,生体組織の変形挙動を表現する力学モデルと,生体組織固有の能動的変化について調べる.
14.身体運動学自分の身体の動き方をよく観察し,能動運動するリンク系の運動を分析する.
15.期末試験
講義の総括
生体流体力学,身体運動学に関する総復習.

評価方法と基準

中間試験50点,期末試験50点,計100点満点のうち,60点以上を合格とする.

教科書・参考書

生体機械工学(日本機械学会)

履修登録前の準備

力学の基礎,材料力学1・2,流れの力学1・2,機構学,機械力学を履修していることが望ましい.

学習・教育目標との対応

1.(D)技術・工学の根幹をなす「物質」,「エネルギー」および「情報」を基盤とした機械工学の基礎的な知識と応用能力を習得する (1) 力学,材料力学,熱力学,流れの力学の基礎 (2) 多く (17科目以上) の専門科目の習得

オフィスアワー、質問・相談の方法

木曜日15時から17時 研究室にて

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Sun Apr 06 07:12:14 JST 2014