A0743600

固体力学

Mechanics of Solids

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授坂上賢一

授業の概要

機械工学科の基礎学問体系の一つである材料力学分野の知識を体系的に修得するには,機械設計を目的とする実践的科目の「材料力学1」,「材料力学2」のほかに,連続体力学の理論体系を理解する必要がある.
このような理論体系に基づき,本講義では材料力学の学問的背景となっている弾性力学と,弾性力学から発展した塑性力学や材料強度学に関する基本法則の物理的背景,各種材料の力学的性質や破壊基準,最新の設計概念である損傷許容設計や破壊制御設計に至る力学的概念を学ぶ.

達成目標

1.弾性力学の基本法則(応力釣り合い式,ひずみ適合条件,構成式)を理解することができる.
2.材料の塑性挙動や粘弾性挙動に関する力学的背景を理解することができる.
3.破壊力学に基づく材料の破壊基準を理解することができる.
4.損傷許容設計,破壊制御設計の概念を理解することができる.

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.ガイダンス
・材料力学関連分野の相互関係と工学における役割
参考書:"線形破壊力学入門",第1章
2.応力
・応力ベクトル,応力テンソル,応力釣り合い式と共役せん断応力,
・応力成分の座標変換,主応力,応力不変量
参考書:"固体力学の基礎",第2章
3.ひずみ
・変位とひずみ,相対変位と変形,ひずみテンソル,主ひずみ,
・ひずみの適合条件,偏差ひずみ
参考書:"固体力学の基礎",第3章
4.熱力学と弾性構成式
・構成式,エネルギー関数,弾性構成式の導出
・等方弾性体の構成方程式,弾性係数間の関係
参考書:"固体力学の基礎",第4章
5.塑性論1
・塑性的力学挙動
・公称応力ー公称ひずみ,真応力ー真ひずみ(n乗硬化則)
参考書:"固体力学の基礎",第10章,"材料強度学第2版",第3章
6.塑性論2
・降伏条件,トレスカ,ミーゼスの降伏条件
参考書:"固体力学の基礎",第10章,"材料強度学第2版",第3章
7.粘弾性論1
・マクスウェルモデル,フォークトモデル,履歴積分による構成式表示
・時間温度換算則,合成曲線
参考書:"固体力学の基礎",第11章
8.粘弾性論2(国尾:固体力学 第11章)
・粘弾性応力解析,対応原理
参考書:"固体力学の基礎",第11章
9.材料強度学
・完全固体の理想強度,転位,グリフィスの理論
参考書:"材料強度学第2版",第1章
10.破壊力学の基礎1
・応力集中,き裂先端応力場,応力拡大係数
参考書:"線形破壊力学入門",第2-3章
11.破壊力学の基礎2
・エネルギー解放率とJ積分,き裂進展支配則
参考書:"線形破壊力学入門",第4-5章
12.材料の疲労,環境強度
・疲労き裂進展特性,パリス則,
・応力腐食割れ
参考書:"改訂材料強度学",第4-6章
13.破壊制御設計の概念
・損傷許容設計,破壊制御設計
参考書:"改訂材料強度学",第7章
14.現在の固体力学
・最新の固体力学研究について,新しい材料,新しい計測法
配布資料
15.期末試験と総合解説
・第2回から第14回までの全範囲の理解度を評価
・試験終了後,解答の解説
参考書,配布資料

評価方法と基準

期末試験100点満点で総合得点60点以上を合格とする

教科書・参考書

参考書:
国尾武著,"固体力学の基礎",培風館.
横堀武雄,"材料強度学 第2版",岩波全書.
岡村弘之,"線形破壊力学入門",培風館.
日本材料学会編,"改訂材料強度学",日本材料学会.

履修登録前の準備

材料力学1,材料力学2を履修しておくことが望ましい.

学習・教育到達目標との対応

1.(D-2)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を自然科学の法則に基づいて理解し,現象の予測や解析を行うことがきる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

在室時,随時

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Sun Apr 06 07:08:56 JST 2014