G0141700

アナログ電子回路

Analogue Electronic Circuits

開講部

工学部

開講学科

電子工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授佐々木昌浩この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

<授業の概要と目的>
現代社会は、コンピュータ、携帯電話、家電製品などのエレクトロニクス技術に支えられている。このエレクトロニクス技術の基盤を支えているのは電子回路である。トランジスタをはじめとする素子はIC、LSI、超LSIへと発展し指数関数的な速度で技術革新が進んでいる。それ故、最先端の電子回路で構成された電子機器を理解することは非常に困難である。本講義ではトランジスタやFETをもちいた低周波基本的増幅回路の等価回路への変換を行い、それを解析することにより動作原理を理解する。低周波回路における動作原理を十分理解した上で、高周波回路へと拡張していく。基礎的事柄を十分理解することにより、新しい素子や回路に対応できる能力を身につけることを目的とする。

達成目標

1.電気回路の基本的知識の復習と電子回路の特有な基本的考え方ができる。
(授業計画1−2)
2.トランジスタ・FETの動作原理、トランジスタ・FETの小信号基本増幅回路の概念を
理解できる。等価回路への変換ができ回路解析ができる。(授業計画3−10)
3.トランジスタの高周波等価回路の特徴とミラー効果が理解できる。多段小信号増幅器の
周波数特性が理解できる。(授業計画11−14)

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.電子回路とは
 ・電子回路とは
 ・電子回路発展の歴史
 ・受動素子と能動素子のちがい
 ・電源 
   電圧源、電流源
   理想電源、制御電源
 電子回路と電気回路の違いは何か、
 電子回路はどのように発展してきたか、
 受動素子と能動素子にはどのようなものがあるか。
電源について
2.電子回路に必要な基礎
 ・重ねの理
 ・テブナンの定理
 ・電力比、電圧比、電流比の考え方、
 ・周波数特性の表現
   RC回路の周波数特性(低域通過型、高域通過型、
   複合型)
 重ねの理とは何か。テブナンの定理とは何か整理する。
 電力比、電圧比、電流比の定義は何か。
 RC回路の周波数特性について、低域通過型、高域通過型についてどう違うのか。直流回路の微分・積分回路との関係はどうなっているのか
3.トランジスタの動作と特性
 ・バイポーラトランジスタの動作と特性
   動作原理、静特性、増幅作用

 ・レポート課題
 バイポーラトランジスタはどのように動作するのか。
4.FETの動作と特性
 ・接合型、MOS型の動作原理、静特性
 ・CMOS FETの動作原理
FETとは何か、FETの種類とそれぞれの動作原理を理解する。

CMOS FETの動作原理を理解する。
5.トランジスタの等価回路
 ・交流等価回路、T形等価回路、hパラメータによる
  等価回路
トランジスタの等価回路とは何か。ベース接地とエミッタ接地のT型等価回路について調べる。h-パラメータとは何か。
6.小信号増幅回路1
 ・直流と交流の分離
  動作点
 ・トランジスタのバイアス回路
  2電源バイアス、1電源バイアス、
  ナレータ・ノレータモデル
動作点、バイアスの意味は何か、入力信号をどのように加えるべきか。
 2電源と1電源化の違いは何か。
 ナレータ・ノレータモデルとは何か。
7.小信号増幅回路2
 ・FETのバイアス回路
  固定バイアス、自己バイアス
 ・増幅器の特性を表す諸量
  入力インピーダンス、電圧利得、電流利得、電力利得
  出力インピーダンス
FETのバイアスはどのようにするのか調べる。

電圧利得、電流利得、電力利得、入力インピーダンス、出力インピーダンスとは何か
8.中間試験
中間試験の解説、講評
1−7について出題する。復習を良くすること。
9.小信号増幅回路3
 ・トランジスタの基本増幅回路
  ベース接地回路、エミッタ接地回路、コレクタ接地 
  回路
トランジスタの基本増幅回路であるベース接地回路、エミッタ接地回路、コレクタ接地回路について等価回路に変換ができ、計算ができるようにする。
10.小信号増幅回路4
 ・FETの基本増幅回路
  ソース接地回路、ドレイン接地回路、ゲート接地回路
 ・基本増幅回路の縦続接続
同様にFETの基本増幅回路であるソース接地回路、ドレイン接地回路、ゲート接地回路について変換できるようにする。
基本増幅回路の縦続接続とは
11.トランジスタの高周波等価回路1
 ・トランジスタの高周波等価回路
 ・寄生素子、T型高周波回路、π型高周波回路
 ・FETの高周波等価回路

 ・レポート課題
低周波回路との違いは何か。
寄生素子とは、T型高周波回路、π型高周波回路とは。
FETの高周波等価回路とは
12.トランジスタの高周波等価回路2
 ・増幅器のミラー効果
 ・ミラー効果を考慮した小信号増幅器の周波数特性
 ・エミッタ接地高周波増幅回路
ミラー効果とは何か、
ミラー効果を考慮した高周波エミッタ接地回路について考える
等価回路が描けるようにする。
13.トランジスタの高周波等価回路3
 ・増幅器のミラー効果
 ・ミラー効果を考慮した小信号増幅器の周波数特性
 ・エミッタ接地高周波増幅回路
ミラー効果を考慮したエミッタ接地小信号増幅器の増幅度を計算する。周波数特性における低域遮断周波数、高域遮断周波数を計算する
14.トランジスタの高周波等価回路4
 ・多段増幅器の周波数特性
   利得の折れ線近似、入力容量と遮断周波数の低下 
 ・広帯域増幅器
   直列ピーキング、並列ピーキング
多段増幅器の周波数特性については2のRC回路や複合型の周波数特性を参照し計算してみる。

直列ピーキング、並列ピーキングとは何か。
15.期末試験
期末試験の解説、講評
9−14について出題する。復習を良くすること。細かい指示は
14の授業の終わりで与える。

評価方法と基準

レポート課題30%、中間試験30%、期末試験40%を100点とし、総合得点60点以上を
合格とする。

教科書・参考書

教科書:アナログ電子回路 編著者:高木 茂孝 発行所:オーム社

履修登録前の準備

電気回路の復習および予習をしてくること。

オフィスアワー、質問・相談の方法

講義直後に大宮校舎にて対応する。

環境との関連

環境に関連しない科目

・画面の表示が崩れている場合は等幅フォントを使用してください

最終更新 : Tue Sep 15 10:47:29 JST 2015