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民俗学

Folklore

開講部

デザイン工学部

開講学科

デザイン工学科

開講学年

学年共通

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

共通教養

講義区分

講義
講師野沢恵美子この授業の2015年度のアンケートを参照

授業の概要

民俗学とは何か、どのようなことを研究する学問なのかなど、民俗学に関する基礎的な知識を身につけることを目的とする。また民俗学が実際の日常生活の中でどのような視座を与えてくれるのか探るため、現代の日常生活を民俗学的に分析するアプローチについて学ぶ。

初めの数回は民俗学の始祖である柳田國男の論ずる日本の民俗学とその成立について学習する。

続いて柳田民俗学への発展的批判として、差別や地域差などの事象に注目しながら、日本の民俗の多様性について考察する。最後に講義で得た知識の応用として、我々の生きる現代社会での具体的な事象について民俗学的視角から分析を試みる。

また講義のはじめに、日本で盛んな年中行事について簡単な紹介・説明を行う。

本講義には、様々な差別構造の民俗学的な考察が含まれるため、差別に触れる用語を用いることがある。

達成目標

1.民俗学に関する基礎的な知識を習得し、説明できるようになること
2.様々な差別構造を民俗学的に分析し、説明できるようになること
3.「多元的な日本」の民俗に関する基礎的な知識を習得し、説明できるようになること
4.日常生活での具体的な事象を民俗学的に分析できるようになること

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.講義内容の説明、柳田國男の民俗学、原田信男『日本人はなにを食べてきたか』、宮田登『ケガレの民俗誌−差別の文化的要因』、赤坂憲雄『東西/南北考−いくつもの日本へ』『排除の現象学』の紹介 特になし
2.大久保喬樹「民俗学の発見」
民俗学の基本概念「ハレ」と「ケ」「ケガレ」「常民」と「非常民」
「民俗学の発見」を予習
3.柳田國男の民俗学とは—ビデオ『遠野物語をゆく』雪原の田植え、田の神・山の神 柳田國男「遠野物語」「山の人生」を予習
4.柳田國男 一国民俗学—TPPと米の民俗学 「蝸牛論」—日本民俗文化のプロトタイプ 「蝸牛論」を予習
5.稲作と肉食の民俗 原田信男『日本人はなにを食べてきたか』より 第2&3章 『日本人はなにを食べてきたか』第2&3章を予習
6.稲作と肉食の民俗 原田信男『日本人はなにを食べてきたか』より 第5&6章 同上 第5&6章を予習
課題1 食の民俗文化
7.ケガレと差別 宮田登『ケガレの民俗誌』より I 民俗研究と被差別部落 『ケガレの民俗誌』I 民族研究と被差別部落を予習
課題1 食の民俗文化提出
8.ケガレと性差別 宮田登『ケガレの民俗誌』より III 性差別の原理 同上 III 性差別の原理を予習
学期末レポートのテーマと概要提出
9.妖怪の民俗学 課題2 現代社会の妖怪考察
10.現代社会に妖怪はいるか? 課題2 現代社会の妖怪考察提出
11.信仰と人生儀礼『先祖になる』
赤坂憲雄『東西/南北考』はじめに 大相撲と異種格闘技戦? 第6章 東北学、南北の地平へ
赤坂憲雄『東西/南北考』はじめに&第6章を予習
12.赤坂憲雄『排除の現象学』第1章 学校/差異なき分身たちの宴 赤坂憲雄『排除の現象学』第1章を予習
13.『排除の現象学』第4章 ニュータウン/鏡の部屋というユートピア 同上 第4章を予習
14.学期末レポート発表1 発表・レポート準備
15.学期末レポート発表2 発表準備
学期末レポート提出

評価方法と基準

基本的には授業参加と毎授業後の小レポート35%、課題提出20%(2回提出)、期末発表およびレポート45%(発表は第14週と15週、レポート提出は授業最終週)で評価する。

教科書・参考書

教科書 宮田登『ケガレの民俗誌−差別の文化的要因』ちくま学芸文庫 赤坂憲雄『排除の現象学』ちくま学芸文庫(2冊)

参考書 大久保喬樹『日本文化論の系譜』中公新書、 柳田國男全集4 ちくま文庫、宮田登『妖怪の民俗学』ちくま学芸文庫、馬場あき子『鬼の研究』ちくま文庫、 赤坂憲雄『東西/南北考』岩波新書

履修登録前の準備

可能であれば、後期開講の「比較文化論」を履修することが望ましい。

日本の文化や伝統などへの関心や知識を高めておくこと。

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業前後の非常勤講師控え室
毎授業後に講義に関する小レポートを提出するので、そこでも質問を受け付ける

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Oct 22 07:17:33 JST 2015