A0150100

機械要素

Machine Element

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授二井信行

授業の概要

(授業の概要と目的)
機械を扱う者であれば誰でも知っているねじ,軸,歯車・・・であるが,これらは,機械を構成する最小単位となる部品,つまり「機械要素」である.すべての機械が,ほぼ必ず共通の機能(締結・案内など)を持つため,機械要素についても,1個1個をばらばらに定義・設計するわけでなく,共通の機能・形状・設計法をもつものをまとめて考えるのが普通である.これらが,いわゆる,ねじ,歯車,軸受・・・と呼ばれているものである.本授業では,安全で要求仕様を満たす機械を効率的に設計,そして運用するために必要な基礎知識として,これら,長い歴史の中で確立されてきた典型的な機械要素とその設計法を学ぶ.

達成目標

1.機械設計や機械要素を説明・記述するためのコンセプトを学び,機械設計に関するコミュニケーションを円滑にする能力を養う.
2.代表的な機械要素(ねじ,軸,歯車)を選択したり設計するための方法を学ぶとともに,機械の構造や設計に関する直感を養う.
3.機械要素に関する記述,特に難しい概念や計算に取り組んだ過程を記録し,将来,機械要素の問題に対面した際に,教科書をアシストするための自分なりのガイドを構築する.

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.機械設計の基礎
○機械・機械設計とは何か
○機械要素とその意義
○機械部品の精度
教科書第1章に目を通し,「機械設計」が「機械要素」に求めているものを考えてみる
2.機械材料と強度・安全率
○機械材料と荷重の種類
○疲労,破壊
○安全率
教科書第2章に目を通し,機械要素を学ぶうえでなぜ材料や強度に着目するのかを考えてみる
3.締結法の種類
○永久結合と非永久結合
○ねじの用途と種類
○ねじの表し方
教科書第3章3.2.4までに目を通し,ねじの定義について考え,多種多様なねじをどのように分類・規格化しているのかを自分なりに整理してみる
4.ねじの力学
○軸力と締付トルクの関係
○最大締付軸力
○ねじ山の強度
教科書第3章3.2.5~3.2.7に目を通し,ねじを締める力と,ねじが物体を固定する力との関係について考えてみる
5.ねじ締結材の設計
○内外力比・締付け線図
○ねじのバネ定数・へたり係数
○ねじの緩み止め
教科書第3章3.2.8~3.2.10に目を通し,どのようなファクターを計算するのかを自分なりに整理してみる
6.軸の設計
○軸の種類
○ねじりと曲げによる軸の応力
○強さを基準とした軸径の選定
教科書第4章4.1.4までに目を通し,軸の材料と直径を決めるのは何かを,自分なりに整理してみる
7.軸の設計(つづき)
○こわさを基準とした軸径の選定
○回転軸の危険速度
○付加質量をもつ軸の危険速度
教科書第4章 4.1.5-4.1.8に目を通し,引き続き,軸の材料と直径を決めるのは何かを,自分なりに整理してみる
8.軸を結合するもの
○キー・スプライン
○軸継手の種類
○軸継手の選定
教科書第4章4.2~4.4に目を通し,軸同士,あるいは軸と他の機械要素を結合するものにはどのようなものがあるのかを,自分なりに整理してみる
9.軸受〜転がり軸受
○軸受の種類と特徴
○転がり軸受の種類と使用法
○転がり軸受の疲れ寿命
教科書第5章5.2までに目を通し,軸受の使い分け方について考えてみる
10.すべり軸受
○自己潤滑軸受
○境界・混合潤滑軸受
○流体潤滑軸受
教科書第5章5.3に目を通し,潤滑方法とすべり軸受の選択に重要な点を自分なりに整理する.
11.歯車の概要
○歯車の種類と製作法
○歯形と歯車記号
○かみあい率
教科書第6章6.2.5までに目を通し,歯車を使う理由,歯車を規定する要素にはどういうものがあるかを自分なりに整理してみる
12.平歯車の転位
○バックラッシ
○かみあい圧力角
○切り下げと転位
教科書第6章6.2.6~6.2.10に目を通し,歯車どうしをうまくかみ合わせるために考慮すべきことについて,自分なりに整理してみる
13.平歯車の強度計算
○歯車の材料
○曲げ強さ
○面圧強さ
教科書第6章6.2.11に目を通し,歯車を強度から選定する方法について,自分なりに整理してみる
14.演習とノート提出
○演習問題の配付と実施
○ノート提出
(A)可能であればノートを事前提出する(学情センターの複合機などでPDFにスキャンし,課題提出フォルダにコピー).
当日スキャンする場合は,なるべく(B)ルーズリーフ等のノートページを用意,あるいは(C)ノートを見開きコピー等でA4サイズ以下にコピーしたものを用意(ホチキス止めしない)
15.期末試験と解説 自らの学習の過程を振り返って整理する.

評価方法と基準

達成目標2については,期末試験で評価(40点)
達成目標1・3については,各授業ごとに作成するノート(または演習・ミニットペーパー)で評価 (60点)

教科書・参考書

教科書:吉本・下田他「機械設計〜機械の要素とシステムの設計」理工学社
(この教科書は,後期の「機械要素設計」でも用いる)
参考書:Mott “Machine Elements in Mechanical Design 4th ed.”, Pearson Prentice-Hall

履修登録前の準備

教科書を入手する(講義は,教科書が手元にあることを前提とする)
ノートのスキャンによる提出のシステムを導入する予定であるため,1枚1枚になりやすいノート(A4用紙のファイル,ルーズリーフ,あるいは切り離せるノートブック)の利用が望ましい.

学習・教育到達目標との対応

1.(D-3)機械を製作し運用するために必要な工学特有の手法(計測,制御,設計,加工,ICTなど)に習熟し,それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業直後に10分程度,質問を受け付ける機会を設ける
メールによる質問・相談は随時受け付ける.面談は応相談(特に決まったオフィスアワーはない)

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Tue Sep 15 10:56:46 JST 2015