A0160000

機械要素設計

Machine Element Design

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授二井信行

授業の概要

機械は,機械を構成する最小単位となる部品,つまり「機械要素」を用いることで効率的な設計が可能になる.機械要素を設計に上手に用いるためには,まず,個々の機械要素の特性,強度,安全性などを知ることが重要である.前期「機械要素」では,ねじ・軸・軸受・歯車という基本的な機械要素について,これらのことをカバーした.本授業では,国際的に正しく設計意図を伝え,不良品をつかまされないために必要なスキルである幾何公差,実際の典型的な機械要素といえる直動案内やボールねじ,さらに歯車やそれ以外の伝動系についても学ぶ.さらに,機械設計の実例として,設計課題を設定し,それから各機械要素の選定や解析に入る,というプロセスについて学ぶ.

達成目標

1.機械設計を伴う課題から,機械要素をいかに選択・設計し,かつ要求仕様を満たすかどうかを評価することができる.
2.機械要素・設計に関する知識の獲得に取り組んだ過程を記録し,将来,機械設計の問題に対面した際に,教科書とともに振り返って活用できるようにする.
3.機械設計に関する課題に対し,教科書などの限られた情報を用いて,自分なりに最善の答えを導き出すという姿勢をとることができる.

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.ガイダンス
○授業のすすめかた,提出物について
○「機械要素」の復習〜設計問題の解き方
「機械要素」を受講した人は,試験問題と,それに関連した講義ノートの箇所に目を通しておく.
2.幾何公差
○幾何公差の意義と指定方法
○独立の原則
○最大実体公差
教科書第1章1.6〜に目を通し,どのような公差指定法があるかを自分なりに整理してみる.
3.直動案内
○リニア軸受の種類
○寿命
○応用例
教科書第5章の内容を復習する.また,5.5に目を通し,リニア軸受の種類と特性について自分なりに整理してみる
4.伝動の形式
○歯車減速
○巻掛け伝動
○摩擦伝動
教科書第6章6.2.13〜6.4に目を通し,伝動の各方法に関して概略をつかむ.
5.送りねじ
○送りねじの種類
○ボールねじの効率
○ボールねじの応用
教科書第6章6.5に目を通し,どのようなファクターを計算するのかを自分なりに整理してみる
6.アクチュエータ・直流モータ
○アクチュエータの種類
○直流モータの構造と性能
○直流モータの制御法
教科書第7章7.1~7.2.1に目を通し,どのようなファクターを計算するのかを自分なりに整理してみる
7.交流モータ
○交流モータの原理と種類・規格
○スタータ
○ステッピングモータ
教科書第7章7.2までに目を通し,どのようなファクターを計算するのかを自分なりに整理してみる.
8.部品の設計:ブラケットの構想と設計
○要求仕様の明確化
○寸法・材料の決定
○加工と組立を考慮した設計
ブラケット(取り付け板)について検索するなどして,そのイメージをつかむ.あわせて,製図の基本を復習しておく.
9.動力伝達系の設計(1):モータと減速比の決定
○モデル化
○モータ発生トルクと減速比の決定
教科書第7章7.3に目を通し,行うべき計算の大まかな仮定を把握しておく
10.動力伝達系の設計(2):減速機の設計
○歯車の選定
○軸の選定
○軸受の選定
教科書の該当する章を復習する.
11.送りテーブルの設計(1):基本設計
○送りテーブルの概要
○仕様決定と寿命設計
○ボールガイドの選定
教科書第8章8.1,8.2に目を通し,また,Web上の情報を検索して,自動ステージの種類・自動ステージが使われる場面について自分なりに整理してみる
12.送りテーブルの設計(2):伝達系の選定
○ボールねじの選定
○軸受の選定
○軸継手の選定
教科書第8章8.3〜8.5に目を通し,どのようなファクターを計算するのかを自分なりに整理してみる.また,軸受や軸継手に該当する箇所を復習する
13.送りテーブルの設計(3):アクチュエータの選定
○慣性モーメントの算出
○モータと軸受の選定
○モータ制御系の選定
教科書第8章8.6に目を通し,どのようなファクターを計算するのかを自分なりに整理してみる
14.演習
○授業内レポートの追加フィードバック
○期末試験の内容に関連する演習
いままでに行った授業内レポートを復習する
15.期末試験と解説 復習をする

評価方法と基準

達成目標1については,期末試験で評価(40点)
達成目標2,3については,授業内レポートで評価 (60点)

教科書・参考書

教科書:吉本・下田他「機械設計〜機械の要素とシステムの設計」理工学社
(教科書は,2年前期「機械要素」で用いたものと同じ)
参考書:Mott “Machine Elements in Mechanical Design 4th ed.”, Pearson Prentice-Hall

履修登録前の準備

教科書を入手する(「機械要素」を受講し,教科書を購入した場合,新規購入は不要)

学習・教育到達目標との対応

1.(D-3)機械を製作し運用するために必要な工学特有の手法(計測,制御,設計,加工,ICTなど)に習熟し,それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業終了後,各種質問や相談を受け付ける(10分~20分程度).

環境との関連

環境に関連しない科目

・画面の表示が崩れている場合は等幅フォントを使用してください

最終更新 : Thu Jun 09 07:10:11 JST 2016