建築振動論

地震国である我が国で建物を設計・建設する場合には、耐震設計が重要な技術となる。地震による建物被害は、刻一刻と揺れの特性が変化する地震動に対し、刻一刻と変化する建物の振動現象によってもたれされるものである。建築基準法では、このような振動現象を静的な設計用地震荷重に置き換えているが、地震荷重の意味を深く理解するためには振動現象に対する知識が必要不可欠である。また、近年数多く建設されるようになった免震構造・制振構造の建物や、超高層建物等の重要な建物では振動現象を直接評価した動的解析に基づく設計が用いられている。振動現象の解明に関する知識は極めて広範にわたるが、本講義ではその入門となる基礎的な事項を学習する。講義では主に１質点系の振動理論について学習するが、後半では多質点系の振動理論についても触れ、以後の学習の礎となる基礎的知識が身に付けるように配慮する。

	【授業計画】	【授業時間外課題（予習および復習を含む）】
1.	導入	特になし
2.	非減衰自由振動	教科書当該箇所の事前学習
3.	減衰自由振動	教科書当該箇所の事前学習
4.	調和外力に対する建物応答　・共振位相曲線の理解	教科書当該箇所の事前学習
5.	調和地動に対する建物応答　・相対変位応答倍率の理解　・絶対加速度応答倍率の理解	教科書当該箇所の事前学習
6.	過渡応答　・共振時の過渡応答解　・非共振時の過渡応答解　・中間レポート第１回出題	第６回配布資料の事前学習
7.	複素数による解法　・オイラーの公式の理解と活用	第７回配布資料の事前学習
8.	減衰定数　・対数減衰率　・１／√２法	第８回配布資料の事前学習
9.	地震応答の計算方法（その１）　・インパルス応答とデュアメル積分	第９回配布資料の事前学習
10.	地震応答の計算方法（その２）　・平均加速度法による時刻歴応答計算　・エクセルの利用方法	第１０回配布資料の事前学習
11.	地震応答の計算方法（その３）　・観測地震動を用いた計算例	第１１回配布資料の事前学習
12.	応答スペクトル　・応答スペクトルの計算方法　・擬似速度応答とトリパタイトの理解　・中間レポート第２回出題	第１２回配布資料の事前学習
13.	２質点系の非減衰自由振動　・モーダル解析の基礎	第１３回配布資料の事前学習
14.	２質点系の地震応答計算　・モーダル時刻歴の基本	第１４回配布資料の事前学習
15.	多質点系の地震応答計算	第１５回配布資料の事前学習

開講部	工学部
開講学科	建築学科
開講学年	3年次
開講時期	前期
単位数	2
単位区分	選択
系列区分	専門
講義区分	講義

J0220300

授業の概要

達成目標

授業計画

評価方法と基準

教科書・参考書

履修登録前の準備

オフィスアワー、質問・相談の方法

環境との関連

1.	振動理論の基本を身に付ける。
2.	建築の地震時の振動現象について、定量的、定性的に理解する。
3.	振動現象の数学による表現および解法についての基礎を学ぶ。

・	開講日授業終了後
・	適宜研究室で