N0620500

機構学

Mechanism

開講部

システム理工学部

開講学科

生命科学科

開講学年

1年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義

斎藤之男この授業の2012年度のアンケートを参照

授業の概要

[授業の概要と目的] 
 機構学とは、機械装置を構成するメカニズムのことで、構成する要素の動作を系統だて、さらに要素の組み合わせから得られる運動を学ぶ学問である。 動物のメカニズム特に人間の機能を構成するメカニズムは機構学の理想として位置づけられる。また、メカニズムの歴史は紀元前より実用されており多くの先人のアイディアが引き継がれてきた。それは、メカニズムが理解できなければ、設計はおろか機械装置の運転もままならない。言わば、機械の基礎である。また、機構学と共に機械の素として機械力学があるが、機構学とは車の両輪であり設計において、両者を学ぶことは最重要課題である。 具体的な説明をすると、設計の大きな目標である対象が決まると、まず、対象に必要な動きが想定される。次に、その動きをどのようなメカニズムで対応するかが鍵となる。 この鍵の基礎が機構学である。 このときのメカニズムは少なくとも5種類以上考えられるであろう。 
[本科目の位置付け]
 この中から1つを選ぶために、動きを構成する要素(メカニズム)の単純なもの、必要な力を満足する機構、最もエネルギーの少ない機構、精密さ、動力源の数などから絞り込む。この作業には、機械力学が役に立つ。
 以上のように、授業では機構学の要である要素とその組み合わせを時には人間の解剖学と重ねながら人体運動学として学び、頭の中で展開していく機構(メカニズム)とその動きを理解していく。

達成目標

1.多くの機構を学び知ることで、機械の楽しさが分かる。
2.機構の要素を組み合すと実用されている装置の動きを見て、どんな機構か頭の中で想像することができる。
3.人間の外骨格がどのような仕組みで動くのか機構学を学ぶことで判断できる。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.機構学の持つ意義として、かつて、レオナルド・ダ・ビンチが残したノートを例に自由度、待遇運動などから本座学は始まる。 機構の概念は、位置決めと運動から成り立っている。先人のアイディアの復習から始めよう。第1章を読んでおこう。
2.剛体の運動解析として、機械力学で学んだベクト
ルの復習と、人体の関節を例に瞬間中心について学ぶ。
ウォーミングアップとして、レオナルド・ダ・ビンチの機構を調べてみよう。
3.剛体の加速度を学び、さらに、時間が許す範囲で人間の関節について考える。 変位、速度、加速度の内、設計に必要なものは何か考えてみよう。
4.チャレンジ問題と2章の復習として演習を行う。 演習にはグラフ用紙が役に立つ。
5.リンク機構は古くから実用されているが、現在も機械の要である。4節リンク機構を中心に学ぶ。 コンパスを持参のこと。
6.スライダ・クランク機構、オルダム継ぎ手、てこ機構を中心に学ぶ。 定規で作図することが多くなる。定規を準備のこと
7.4節リンク機構、球面リンク機構の運動解析。 コンピュータの得意な人は、4節リンク機構の変位、速度、加速度の計算と作図にチャレンジしてみよう。
8.機械力学の復習として、配布した機構図を時間が許す範囲で理解する。(50分程度の演習問題[中間試験相当]実施) 第4章全体を予習しておこう。
9.シリアルメカニズムの応用としてロボットを学び、チャレンジ問題と配布する機構の演習問題を実施する。 教科書第4章のまとめとして実際に利用されている応用を調べ、原理を書いてみよう。
10.摩擦について学ぶ。第5章全般を理解する。 教科書5章全般の質問を準備しておこう。
11.無段変速機とチャレンジ問題を通し、摩擦の利点を学ぶ。 摩擦を利用した機械計算機について調べてみよう。
12.歯車機構の原理を理解し、歯車の組み合わせについて学ぶ。(配布機構図の演習実施) 時計は歯車を使った応用であり、どのような歯車か調べてみよう。
13.遊星歯車とチャレンジ問題を例に歯車を理解する。 差動歯車は自動車に応用されて。どこか調べてみよう。
14.第7章のカムと8章の巻き掛け電動機構をまとめて講義する。 7章、8章はまとめて講義するため予習しておくこと
15.まとめと総合試験
 配布資料と教科書の機構問題を中心に総合試験を実施する。
最終回のため、解らない点を調べておくようにし、質問すること。

評価方法と基準

復習の演習問題を20%、レポート20%と期末試験60%の割合で評価し、総合点60%以上を合格とする。

教科書・参考書

教科書「基礎から学ぶ機構学」オーム社/出版局
授業中に配布する機構図の説明。参考書は、授業中に紹介する。

履修登録前の準備

「特になし」

オフィスアワー、質問・相談の方法

簡単な質問は授業終了時に、また、時間を要する場合は、授業後相談により決定する。

環境との関連

環境に関連しない科目

最終更新 : Thu Jun 09 07:28:38 JST 2016