C0380000

材料強度学

Strength Mechanics in Materials

開講部

工学部

開講学科

材料工学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
助教芹澤愛この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

 本講義では、はじめに転位論の立場から、材料の塑性変形や強度について解説する。次いで金属結晶の構造や転位論の基礎的事項について説明し、強度に関連した材料の諸問題について展開する。合金材料についても、その強化法を習得するとともに、強度とミクロ組織との関係、さらには合金材料の破壊についての理解を深めることにより、材料組織学の観点から材料強度を理解することを図る。

達成目標

1.結晶構造の種類と性質、格子欠陥および転位の概念を修得する。その上で、代表的な転位である刃状転位とらせん転位の運動、塑性変形が生ずる場合の転位の役割について、原子運動の観点から説明することができる。
2.結晶内における転位発生の起源や安定配列、増殖機構等基本的事項を修得し、強度に及ぼす転位の寄与についての理解を深める。
3.材料強度の算出方法を習得し、各種条件下における材料強度を求めることができる。
4.合金の強化法についての知識を深め、高強度化を図るための材料設計指針を自ら立てることができる。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.材料強度概論(ガイダンス) 材料物理1,2の復習をしておくこと。
2.弾性論の基礎(1) 応力とひずみ 応力とひずみについて復習をしておくこと。
3.弾性論の基礎(2) 一軸応力状態の変形挙動 線形代数の復習をしておくこと。
4.弾性論の基礎(3) 降伏条件 種々の弾性定数に関する復習をしておくこと。
5.格子欠陥と転位(1) 格子欠陥の種類と転位の幾何学 熱力学の復習をしておくこと。
6.格子欠陥と転位(2) 転位の運動と結晶の変形 転位の種類やバーガースベクトルなど、材料の変形に関する復習をしておくこと。
7.格子欠陥と転位(3) 転位の弾性論 弾性論の復習をしておくこと。
8.材料の強化(1) 結晶の降伏と加工硬化 材料強度の支配因子について調べておくこと。
9.材料の強化(2) 材料の強化機構 転位の運動とその阻害要因について調べておくこと。
10.材料の強化(3) 材料の高温強度 高温での転位の運動について調べておくこと。
11.材料の強化(4) 多結晶材料の降伏強度 材料の強度と結晶粒径の関係について調べておくこと。
12.合金の強度(1) 時効析出現象 時効硬化について調べておくこと。
13.合金の強度(2) ミクロ組織と力学的性質 合金の各種強化法について調べておくこと。
14.合金の強度(3) 合金の強度と破壊 破壊に及ぼすミクロ組織的因子について調べておくこと。
15.期末試験と解説 全講義の復習をしておくこと。

評価方法と基準

レポート等による平常点30%、学期末試験70%の配分で評価し、総合点60点以上を合格とする。

教科書・参考書

金属・合金の強度(辛島誠一著、日本金属学会)
材料強度学(加藤雅治、朝倉書店)

履修登録前の準備

材料物理1,2、材料組織学を履修しておくことが望ましい。

オフィスアワー、質問・相談の方法

講義終了後に対応する。事前のアポイントをとれば、豊洲研究室にて随時可能。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

地域志向

地域志向ではない科目

最終更新 : Thu Jun 09 08:07:34 JST 2016