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言語文化論

Language and Culture

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授業の概要

言語はコミュニケーションの道具として使われるが、それと同時に使用者の社会的な地位や出身などをあらわす象徴にもなる。そのため、人は言語を場所や場面によって言語の果たす象徴的な役割に適したことばを使ってゆく。この授業では、言語が社会的にあらわすさまざまな象徴とその特徴について考えてゆく。

達成目標

1.日常的に使っていることばが発する社会的なメッセージへの意識を高める
2.ことばの象徴・記号的な側面を文化や社会といった側面から理解する
3.多様なテキストの背景にある文化、社会の存在を意識する

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.授業概要説明 身近な問題としての言語と社会の問題 方言や外国語で、知っている単語なのに違った意味を知った体験をまとめてくる。
【復習として】授業で取り上げたような、コミュニケーションの問題を想定し、その障害を取り除くような技術あるいは工夫(アイデア)を考えてみる
2.単語は同じでもでも文化では違う認識を表すことについて 英和辞書を調べ、5つ以上の異なった項目が載せられている単語を2つ選びそれぞれの単語の複数の項目に説明されている事柄をまとめられるような単語の定義を考えてみる。
3.ものとことばの対応関係に表れる文化の違いについて 普段どんなジェスチャーをつかっているかまとめてくる。
4.形容詞が持つ意味にかくれた文化的な基準について ある形容詞に関して感覚が違うなあと思ったやり取りのエピソードを2つ書き出す。
5.ことばの意味の定義にしにくさについて 意味の似た単語を国語辞典でどう表記しているか(例えば、「冗談」と「しゃれ」)2単語調べてくる。
6.事実に意味を与える価値について A4の用紙、右半分に「風」の絵、左半分に「犬」の絵を描いてくる。
7.日本人は自分や他人をどのような視点で表しているのか 親戚や学校、アルバイト先などで自分や相手をどう言い表しているか、教科書『ことばと文化』148ページの図を参考にまとめてくる。
8.中間的なまとめと中間試験 これまでの授業で学んだことがらをまとめておく。
9.言語によって表されてしまうさまざまな社会性について 地域を設定し、典型的な方言と思える表現をまとめてくる。
【復習として】「コスプレ方言」で言及したような、ある方言とその方言がおびるイメージを調べてまとめる
10.言語と階級社会、地理 地域方言と社会方言のバリエーション ハイソあるいはセレブ的と思う表現を使って、2人の人物が3回ずつ発言する(発言数は計6回)会話をつくってみる。
【復習として】授業であげたもの以外で、社会集団として個別の言語的な特徴を持つ集団とその特徴的な表現を調べてみる
11.民族と言語 果たして黒人英語は存在し、民族の特徴を現しているのか ある人を設定し、その人の物まねをする際に気をつける点をまとめてくる。
【復習として】日本人的な英語の特徴をまとめる
12.言語と性 女性、男性でことばに使い分けは見られるのか? 異性が話す典型的な表現で2つ文章を書き、自分にふさわしい表現を併記してくる。
【復習として】第三者返答に関して、男女以外でどのような関係でなされるか、考える
13.言語と場面 状況に応じてことばを使い分けなければいけないことについて 自称詞、対称詞を5つ書き抜き、それらを使うのがふさわしい状況を考える。
【復習として】教師と学生以外の状況で場(ドメイン)に応じて、相手の呼び方が変化する関係を考える
14.言語と国家 言語と国家の関係を考える アイヌ語やアメリカ・インディアンの諸言語など、少数民族の言語が失われている現状について調べてくる。
【復習として】国家が、国家語およびその他の言語に対して行っている政策をまとめる
15.全体的なまとめと最終試験 講義ノートをまとめ、全体を復習しておく。

評価方法と基準

授業中に実施するレポート(20%)中間試験(30%)最終試験(50%)で総合的に評価。出席が授業回数が3分の2に満たない場合には単位を認定しない。

教科書・参考書

教科書:鈴木孝夫, 『ことばと文化』(岩波新書),岩波書店
     その他、必要に応じて資料を配布する
参考書:P.トラッドギル, 『言語と社会』(岩波新書),岩波書店
    鈴木孝夫,『日本語と外国語』(岩波新書),岩波書店

履修登録前の準備

シラバスの説明を読んでおくこと。
第1回目の授業で履修(許可)者を確定しますので、履修を希望する者は「必ず出席」すること。

学習・教育到達目標との対応(機械工学科)

1.(A-1)文化・芸術・歴史・国民性などに基づいた大局的な視野に立って,機械工学と社会の関わりやエネルギー・環境問題を考察することができる.

学習・教育到達目標との対応(機械機能工学科)

1.(C)技術・工学が地球環境と生態系との共生・共存を無視して独走することがないように,「技術・工学が社会に果たす役割」を強く自覚するための基礎知識と総合能力を習得する

学習・教育到達目標との対応(応用化学科)

1.(B)地球環境および地域社会との調和を見据えて問題を発見する。

学習・教育到達目標との対応(電気工学科)

1.A1:種々の文化および社会の発展の歴史を学ぶことにより、その内容を説明できる。

学習・教育到達目標との対応(電子工学科)

1.(A)豊かな教養を持ち、幅広い視点から物事を考え理解する基礎的能力を身につける。
2.(B)技術が社会に対し負っている責任と技術者としての責務を理解し、高い倫理観を身につける。
3.(J)電子工学を含めて総合的に物事を見通す能力を身につける。

学習・教育到達目標との対応(土木工学科)

1.A1:自然・人文・社会科学など、幅広く学問の英知を学び、地球的視野から多面的に物事を考える能力と素養を身につける

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業中に配布するリアクションペーパーに質問・相談を書けば、できるだけ次回までに回答する。
急ぎのものに関しては、授業の前後に講師室で、あるは授業中に伝えるメールアドレスにて受けつける。

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

最終更新 : Thu Jun 09 07:54:16 JST 2016