04105400

偏微分方程式

Partial Differential Equation

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授業の概要

熱の伝導、光や音の伝播、水の流れ等の現象は、すべて偏微分方程式によって記述される. 例えば弦の振動について考えてみると、各点において(弦の張力によって)弦を元の位置に戻そうとする力が働き、この力によって加速度が与えられる. 従って弦の位置を示す関数の偏微分係数を用いて、これらの力と加速度の関係を式で表現することができる. このように、物理現象をはじめとする多くの現象は、ある量の偏微分係数の間の関係式、すなわち偏微分方程式によって記述される. そして、導き出された偏微分方程式を解くことをとおして、それぞれの現象の解明がなされる. 偏微分方程式で記述される現象には、物理や化学、生物といった自然科学の現象のみならず、人間社会の中に起こる現象も数多く含まれる. したがって、偏微分方程式が登場する世界はきわめて広い. 本講義では偏微分方程式の中でも3つの基本的、かつ代表的な方程式である「熱方程式」、「波動方程式」、「ラプラス方程式」を中心に考察する.

達成目標

1.熱方程式を導出し、その初期値問題・境界値問題を解けるようにする.
2.波動方程式を導出し、その初期値問題・境界値問題を解けるようにする.
3.ラプラス方程式を導出し、その境界値問題を解けるようにする.

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.関数空間 微分積分1・2、線形代数1・2の内容を復習しておくこと.
2.Fourier級数の復習 Fourier解析を履修した学生はその復習を、履修中の学生は教科書の中にあるFourier級数の項目に目を通しておくこと.
3.Fourier変換の復習 Fourier解析を履修した学生はその復習を、履修中の学生は教科書の中にあるFourier変換の項目に目を通しておくこと.
4.超関数 初回の講義「関数空間」を復習しておくこと.
5.1回目から4回目までの講義内容の復習、および補足 前回までの講義内容を復習しておくこと.
6.熱方程式 教科書の中にある「熱方程式」の項目に目を通し、その導出について考察しておくこと.
7.熱方程式の初期値・境界値問題 Fourier級数・Fourier変換・超関数について復習しておくこと.
8.まとめと中間試験 ここまで学んだことについて確認しておくこと.
9.波動方程式 教科書の中にある「波動方程式」の項目に目を通し、その導出について考察しておくこと.
10.波動方程式の初期値・境界値問題 Fourier級数・Fourier変換・超関数について復習しておくこと.
11.ラプラス方程式 教科書の中にある「ラプラス方程式」の項目に目を通し、その導出について考察しておくこと.
12.ラプラス方程式の境界値問題 Fourier級数・Fourier変換・超関数について復習しておくこと.
13.1階偏微分方程式 教科書の中にある「1階偏微分方程式」の項目に目を通し、その導出・解法等について考察しておくこと.
14.9回目から13回目までの講義内容の復習、および補足 前回までの講義内容を復習しておくこと.
15.期末試験および解説 これまで学習してきた全ての内容を総復習しておくこと.

評価方法と基準

中間試験・レポート・課題・小テストで40%
期末試験で60%とし、
総合得点で60点以上を合格とする.

教科書・参考書

最初の講義で指示する.

履修登録前の準備

「微分積分1」あるいは「微分積分および演習1」と、「線形代数1」は履修済みで、「微分積分2」あるいは「微分積分および演習2」と、「線形代数2」、「微分方程式」、「フーリエ解析」、「関数論」は履修済み、もしくは履修中であることが望ましい.

学習・教育到達目標との対応(機械工学科)

1.(D-1)基本的な物理現象を自然科学の原理から数学的に導くことができ,機械の設計や性能評価に必要な技術計算ならびに統計処理を正確に行うことができる.

学習・教育到達目標との対応(機械機能工学科)

1.(E)機械工学における基盤分野の理解に必要な基礎的な数学の知識と応用能力,実験・分析の遂行に必要な確率・統計,情報処理の基礎的な知識や自然現象を数学的にモデル化し,シミュレーションする基礎的な知識と応用能力を習得する  (1) 基礎的な数学の知識  (2) 実験データの分析能力  (3) 情報リテラシの習得  (4) 自然現象をモデル化し,シミュレーションする能力

学習・教育到達目標との対応(応用化学科)

1.(A)確かな基礎と化学の専門知識に基づいて問題を解決する。

学習・教育到達目標との対応(電気工学科)

1.C1:自然科学全般の基礎的な考え方を理解し、技術の基盤となる自然科学の原理を説明できる。

学習・教育到達目標との対応(電子工学科)

1.(C)自然科学、数学、情報技術の知識を習得し、現象を論理的に考えて理解する能力を身につける。

学習・教育到達目標との対応(土木工学科)

1.C:数学および自然科学などに関する工学基礎知識を習得し、土木工学分野において応用・利活用できる能力を身につける

オフィスアワー、質問・相談の方法

最初の講義で指示する.

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

最終更新 : Thu Jun 09 07:50:47 JST 2016