8M205300

産業財マーケティング

Business to Business

開講部

専門職大学院工学マネジメント研究科

開講学科

工学マネジメント専攻

開講学年

学年共通

専門領域

ビジネス・マネジメント

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

講義

講義区分

基本

阿部剛士

科目英語名称

Business to Business Management

キーワード

生産財 vs, 消費財
「主資材」「中間財」「生産財」
セグメンテーション、ターゲティング
計画性と合理性
組織購買行動

授業の概要

そもそも産業活動によって生産される財やサービスなどは,その経済的用途に応じて「消費財」と「産業財」の大きく2つに分類される。「消費財」とは消費者が自分自身で、あるいはその家族などが消費したり使用する目的で購入する製品のことを指し、消費を目的として家計により需要される財・サービスのことである。これに対し,生産を目的として企業などにより需要される財・サービスを「産業財」と呼ぶ。「産業財」とは消費財に相対する概念であり、その用途・特性に応じて、「主資材」「中間財」「生産財」3つのカテゴリーに分けることができる。よって同じ財であっても,家庭で料理などに使用される卵は消費財になるが、同じ卵が工場などで加工されマヨネーズやケーキなどの生産に使用される場合には産業財とみなされる。灯油もストーブなど家庭用暖房に用いられるときには消費財、工場などで営業用に用いられるときには産業財とみなされる。

日本国内の約95%以上の企業が中小企業であり、戦後70年「ものづくり日本」として大企業のビジネスの屋台骨として活動してきた。OEMと呼ばれるメーカーには多くの企業がサプライヤーとして原材料・製造機械・パーツなどを供給しこの半世紀「加工貿易」においてその付加価値を築き上げてきたといっても過言ではない。それぞれの産業界において、たとえば半導体産業、コンピュータ産業、自動車産業など独自のエコ・システム(生態系)を作り上げ今日に至っている。そこには垂直統合型から水平分業型、そのハイブリッドなど時代とともに進化・進歩してきた。その中において、産業財マーケティングは消費財マーケティングとは質を異にしながらも、同じように企業にとっては重要なKFS(Key Facotr for Success)となっている。

本講義の目的は「産業財」に焦点をあてたマーケティング理論とそのマネージメントを学び、適切な戦略と戦術の立案ができるようになるための能力を身につけることにある。
市場の成熟化、ビジネスのグローバル化、インターネットの進化によるさまざまな変化によって企業間の競争はますます厳しくなってきた。また、イノベーション創出後も市場の成長速度が速くなり、一気に成熟していまうことにより、それらは企業の収益構造を圧迫している。これらの外部環境要因にあって、企業はますます競争優位性を築き、維持していくためには顧客価値を意識することが求められている。

顧客価値をどのように創造し、伝達していけばいいのか。本講義では産業財マーケティングの組織購買行動理論をレビューし、そして関係性マーケッティングをふまえセグメンテーションやターゲティングといった概念を学習しながら市場機会を探求する。さらには、マーケティング・ミックスに関する理解と共にマーケティング戦略の展開を考察する能力を鍛錬することを目標にする。ケース・スタディでは自動車、電気・電子、化学産業等の各種産業界を対象に戦略的視点を鍛える予定。

達成目標

1.産業財マーケティングの定義を理解する
2.産業財マーケティングに必要な理論体系を理解する
3.産業財マーケティングの視点での戦略立案の能力をつける

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
第1回.導入:マーケティングとはなにか?そして産業財マーケティングを取り巻く環境 第1〜2章予習
第1章:産業財市場の視点
第2章:産業財市場における組織顧客に対する見方
第2回.産業財市場における関係性のマネジメント 第3章〜4章予習
第3章:組織の購買行動
第4章:産業財市場向け顧客関係性管理の戦略
第3回.産業財市場における関係性のマネジメント(パートII) 第5〜6章予習
第5章:産業財市場のためのEコマース戦略
第6章:SC戦略
第4回.市場機会の評価 第7〜8章予習
第7章:産業財市場の細分化
第8章:組織需要の分析
第5回.産業財市場戦略の構築 − 戦略 第9〜10章予習
第9章:産業財市場の計画:戦略的視点
第10章:グローバル市場のための産業財マーケティング戦略
第6回.産業財市場戦略の構築(パートII) − 管理&開発 第11〜12章予習
第11章:産業財市場のための製品管理
第12章:イノベーションの管理および新しい産業財の開発
第7回.産業財市場戦略の構築(パートIII) − サービス&チャネル 第13〜14章予習
第13章:企業市場向けサービス管理
第14章:産業財流通におけるチャネル管理
第8回.産業財市場戦略の構築(パートIV) − 価格&販促 第15〜16章予習
第15章:産業財市場の価格設定戦略
第16章:産業財市場のコミュニケーション:広告と販売促進
第9回.産業財市場戦略の構築(パートV) − 営業 第17章予習
第17章:産業財市場の営業機能管理
第10回.産業財市場戦略の構築(パートII) − 営業 第17章予習
第11回.1章〜17章までの総括と演習 1章〜17章復習
第12回.製品開発に関するケース ケース 「メドトロニック」予習
第13回.販路に関するケース ケース 「3Mカナダ」予習
第14回.販促に関するケース ケース 「EMC2」予習
第15回.産業財マーケティング体系に関するケース ケース 「カラーキネティックス」予習

評価方法と基準

授業内発表と提出レポート(70%)、授業で実施する演習問題での発表・発言数(30%)
テストはなし。

教科書・参考書

■教科書: マイケル・ハット+トーマス・スペイ. 笠原英一(解説・訳)(2009) 『産業財マーケティング・マネジメント−理論編』白桃書房
■参考書: マイケル・ハット+トーマス・スペイ. 笠原英一(解説・訳)(2012) 『産業財マーケティング・マネジメント−ケース編』白桃書房

履修登録前の準備

マーケティングに関する基本的知識と理解

オフィスアワー、質問・相談の方法

月曜日ならびに土曜日の授業後
電子メール abetsu@goo.jp

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

知識活用力を育成する科目
対人基礎力を育成する科目
対自己基礎力を育成する科目
対課題基礎力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加による授業が大部分

最終更新 : Thu Mar 24 08:32:23 JST 2016