A0361400

伝熱工学

Heat Transfer Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
准教授丹下学

授業の概要

熱の移動形態と熱移動速度を論ずる伝熱工学について、座学による基礎理論の理解と演習による熱設計技術の 修得を目的とする。伝熱工学と熱力学との関連から始まり、伝熱の主要形態である、伝導伝熱・対流熱伝達・ 輻射伝熱について、基礎方程式を理解する。次に、実際に起こりうる伝熱問題や熱設計を模擬した典型的な例 題について、具体的な数値を代入して解くことにより、式の操作や量的感覚を習得する。相変化を用いた熱伝 達や熱機器などについての実例も紹介する。

達成目標

1.各種伝熱形態による熱移動を理解し、基礎方程式から必要な物理量(設計パラメータ)を計算すること ができる。
2.熱流体場の方程式を知り、物理量の空間分布および時間変化を定性的に予測でき、熱設計・実験の妥当 性を検証できる。
3.現実的な問題を解くためのモデル化と仮定を行うことができる。

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.熱力学と伝熱工学(テキスト第 1 章) (以下の問題について考えてみよう.以降も同様.)カップ麺用の湯を電気ポットで暖めるのに、どれくらいの時間が必要か?
2.ニュートンの冷却則(テキスト第 1 章) 実験室に置かれた水槽に入った試験流体を保温することを考える。保温用ヒータの発熱量はいくらに すべきか?
3.フーリエの法則(テキスト第 2 章) 実験室に置かれた水槽に入った試験流体を保温することを考える。水槽の周りに薄い断熱材を巻き付 けた場合、保温に必要なヒータの発熱量はどのように変わるか?
4.拡大伝熱面・熱伝導方程式(テキスト第 2 章) 放熱を促進するためにラジエータに放熱フィンを設ける。必要なフィンの枚数を求めよ。
炭素鋼板を空気流中でアニーリングする。所定の温度になるまでの時間を推定せよ。
5.熱伝導方程式(テキスト第 2 章) 冬の日に樹脂の手すりと鉄の手すりを触ったとき、手が感じる温度が異なるのは、どうしてだろうか?
6.中間試験 (試験範囲:第 1 講から第 5 講までの内容) ここまでの授業内容を復習.小テストを解き直す.
7.熱流体の支配方程式(テキスト第3章) 航空機の翼周りの流れを実験室に入るスケールの装置で再現したい。空気の代わりに水を使うとする と、どのような翼の大きさ、流速で実験をし、どこを観察すればよいか?
8.強制対流熱伝達(テキスト第 3 章) 一定温度に加熱された平板を空気の流れで冷却する。どの程度ひやされるか?
一定温度に加熱された平板を水の流れで冷却する。どの程度ひやされるか?
9.自然対流熱伝達(テキスト第 3 章) 風のない日における、一定温度に保たれた煙突から環境への熱の逃げを求めよ。
10.輻射伝熱(テキスト第 4 章) 底面以外が一定温度で加熱されている立方体の炉がある。底面が受け取る熱量を求めよ。
11.輻射伝熱(テキスト第 4 章) 水平に置かれた高温の鋼板から床面への熱の逃げを、アルミ箔 1 枚で減らしたい。
12.凝固(テキスト第 5 章) 水を容器の底面から冷やし凍結させていくとき、所望の氷の厚みになるまでの時間を推定せよ。
13.沸騰熱伝達(テキスト第 5 章) ステンレス鍋で水が沸騰している。鍋底の温度から加熱量を推定せよ。
14.伝熱機器(テキスト第 7 章) 高温の燃焼ガスを空気で冷却して排出するための熱交換器を設計せよ。
15.期末試験(試験範囲:全範囲) ここまでの授業内容を復習.小テストを解き直す.

評価方法と基準

授業中の小テスト 15 回 ×2 点 = 30 点、中間試験 30 点、期末試験 40 点として評価し、60 点以上を合格とす る。中間試験および期末試験は、教科書(指定のものでなくても可)・参考書・ノート・筆記具・関数電卓(通 信機能のないもの)を持ち込み可とする。問題中に物性値や計算方法は示されないため、持ち込む資料に注意 すること。

教科書・参考書

指定教科書:JSME テキストシリーズ 伝熱工学 (発行 日本機械学会,発売所 丸善) 上記の教科書にしたがって講義を行うが、他の教科書の使用を妨げるものではない。小テストを解くために、 筆記具・関数電卓(指数関数・対数・三角関数・双曲線関数・べき乗が計算可能なもの)が必要となる。

履修登録前の準備

熱力学、流体力学に関する基礎的な知識が必要となりますが、授業で復習をします。

学習・教育到達目標との対応

1.(D-2)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を自然科学の法則に基づいて理解し,現象の予測や解析を行うことがきる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

質問は講義中でも随時してください。授業終了後の昼休みもオフィスアワーとして教室に居残ります

環境との関連

環境教育科目 (環境教育割合40%)

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

対課題基礎力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加による授業が概ね半数

最終更新 : Sat Sep 24 07:21:12 JST 2016