C0300800

接合工学

Bonding Engineering

開講部

工学部

開講学科

材料工学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義
講師西川聡この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

輸送機器(自動車,鉄道,船舶,航空機等),建築構造物(橋梁,ビル等),火力・原子力発電プラント,石油化学プラント等の大型構造物から,パソコンや携帯電話等の小型機器に至るまで,身の回りにある製品の製造に溶接・接合技術が使われている.しかし,一般的に溶接・接合部は母材部とは異なる金属組織となり,さらに欠陥を形成しやすいことから破壊の起点になりやすい.このような破壊を防止するためには溶接・接合部の金属組織の特徴を理解し,制御することが重要になる.本講義では,溶接・接合プロセス,および溶接・接合材料学の基礎を解説し,将来ものづくりの現場で溶接・接合部に問題が生じたときに必要な対策を採ることができる基礎的な力を育成する.

達成目標

1.溶融溶接や固相接合がどのようなプロセスであるかを理解し,その種類と特徴を把握する.
2.鉄鋼材料,およびアルミニウム合金溶接部(溶接金属と溶接熱影響部)の金属組織形成機構を理解し,溶接用連続冷却変態図から溶接金属組織を予測できるようにする.
3.ステンレス鋼溶接部の金属組織形成機構を理解し,耐食性の劣化機構と劣化防止方法を習得する.
4.溶接割れや溶接欠陥の発生機構を理解し,その防止方法を習得する.
5.非破壊検査方法の種類と特徴を把握し,欠陥の検出メカニズムを理解する.

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.ものづくりにおける溶接・接合工学の重要性

・溶接・接合工学の重要性について
・今後の講義計画について
シラバスを確認しておくこと
2.溶接の基礎と種類(1)

・溶接の長所と短所,構造物等の溶接適用例
・アークプラズマの概要
・溶接の特徴(開先,溶接姿勢,溶接変形,希釈等)
該当する講義資料を読んでおくこと
3.溶接の基礎と種類(2)

・各種アーク溶接法(被覆アーク溶接,ティグ溶接,ガスシールドメタルアーク溶接,サブマージアーク溶接等)の概要と特徴
・溶接入熱の計算方法と実効入熱量
該当する講義資料を読んでおくこと
4.溶接の基礎と種類(3)

・レーザ溶接,電子ビーム溶接の概要と特徴,スポット溶接,テルミット溶接,フラッシュバット溶接,エレクトロスラグ溶接の概要と特徴
・材料物性値と溶接性との関係
・溶接施工の基本事項
該当する講義資料を読んでおくこと
5.鉄鋼材料の溶接冶金(1)

・鉄鋼材料の特徴
・Fe-C状態図と結晶構造の理解
・凝固の基礎
該当する講義資料を読んでおくこと
6.鉄鋼材料の溶接冶金(2)

・Ti-B系溶接金属組織の形成機構と特徴
・熱電対による温度測定原理
・溶接熱影響部の金属組織とその特徴
該当する講義資料を読んでおくこと
7.鉄鋼材料の溶接冶金(3),アルミニウム合金の溶接冶金

・等温変態図(TTT図)と連続冷却変態図(CCT図)
・アルミニウム合金の種類と特徴
・アルミニウム合金の溶接冶金
該当する講義資料を読んでおくこと
8.中間試験と解説

・中間試験【出題範囲は鉄鋼材料の溶接冶金(3)まで】
・試験終了後に解説
これまでの講義資料を理解しておくこと
9.ステンレス鋼の溶接冶金(1)

・ステンレス鋼の種類と特徴
・ステンレス鋼の状態図
・ステンレス鋼溶接金属の凝固モード
該当する講義資料を読んでおくこと
10.ステンレス鋼の溶接冶金(2)

・ステンレス鋼溶接部の耐食性劣化機構
・ステンレス鋼溶接部の耐食性劣化防止策
・ステンレス鋼のσ相ぜい化
該当する講義資料を読んでおくこと
11.溶接欠陥の種類と防止方法(1)

・低温割れのメカニズムとその防止方法
・高温割れのメカニズムとその防止方法
該当する講義資料を読んでおくこと
12.溶接欠陥の種類と防止方法(2)

・再熱割れのメカニズムとその防止方法
・ブローホールの形成メカニズムとその防止方法
・融合不良,アンダーカットの形成メカニズムとその防止方法
該当する講義資料を読んでおくこと
13.非破壊検査

・非破壊検査の重要性と概要
・非破壊検査の種類(UT,PT,RT等)と検出できる欠陥の特徴
・溶接と非破壊検査の資格
該当する講義資料を読んでおくこと
14.ろう接と固相接合の種類と特徴

・ろう接の特徴
・固相拡散接合と液相拡散接合の接合原理
・ガス圧接,爆発圧接,超音波接合,陽極接合の特徴
該当する講義資料を読んでおくこと
15.摩擦エネルギーを用いた固相接合の種類と特徴

・摩擦圧接の概要と特徴
・摩擦攪拌接合の概要と特徴
該当する講義資料を読んでおくこと

評価方法と基準

中間試験と期末試験により評価し,60点以上を合格とする.

教科書・参考書

特になし.スライド資料の電子ファイルを配布し,各自印刷して講義に用いる.

履修登録前の準備

「鉄鋼材料」を復習しておく.また,二元系状態図(特にFe-C状態図)について理解しておくこと.

学習・教育目標との対応

事前にスライド資料を読んでおくこと.基本的に復習を重視する.

オフィスアワー、質問・相談の方法

講義終了後にいつでも質問・相談に来て下さい.

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合15%)

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

対課題基礎力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

該当しない

最終更新 : Thu Jun 09 08:29:00 JST 2016