代数学B |
Algebra B |
開講部 | 工学部 |
開講学科 | 教職専門 |
開講学年 | 2年次 |
開講時期 | 前期・後期 |
単位数 | 2 |
単位区分 | 自由 |
系列区分 | 教職 |
講義区分 | 講義 |
1. | 環の概念の理解 |
2. | イデアル・剰余環の理解 |
3. | 環の準同型定理の理解 |
4. | 多項式環の理解 |
5. | 有限体の理解 |
【授業計画】 | 【授業時間外課題(予習および復習を含む)】 | |
1. | 環とその例(1) ・可換環 ・有理数環 ・自己準同型環 | 整数には,加法と乗法があります.加法においては,群となります.では,乗法ではどうでしょうか.調べておいてください. |
2. | 環とその例(2) ・整域 ・可換体 ・部分環 | 整数は乗法において群にはなりませんでした.しかし,2つの整数をかけて0になれば,必ずどちらかが0であるという性質を持っています.では,正方行列ではどうでしょうか.調べてください. |
3. | 環のイデアルと剰余環(1) ・左(右)イデアル ・両側イデアル ・根基 ・ベキ零元 | 群について学んだときに,正規部分群というものがありました.環Rの部分環Hには,Rのどんな元をかけてもみなHに取りこんでしまうものがあります.一つ,そのような部分環を有理整数環Zで見つけておいてください. |
4. | 環のイデアルと剰余環(2) ・単項イデアル環・素イデアル環・極大イデアル環 | 有理整数環Zのイデアルでたった一つの元によって生成されているものがあります.そのようなイデアルを一つ探しておいてください. |
5. | 有理整数環 ・単項イデアル整域 ・既約剰余類環 ・Eulerの定理 ・Fermatの定理 | ある整数を7で割ったときの余り,1〜6の数字のどれでもいいから取り出して,6乗してから,7で割ってみてください.あまりは必ず1になるはずです.理由を考えてみよう. また,7の83乗を12で割ったらあまりがいくつになるか,考えておいてください. |
6. | 環の準同型写像(1) ・環の準同型写像 ・環の同型写像 | 群の準同型写像のときは,2項演算は1つしかなかった.しかし,環の場合には,2つの2項演算が必要となる.加法と乗法である.この両方で準同型写像となるものが,環の準同型写像である.群の準同型写像を参考に,一つ環の準同型写像を見つけておいてください. |
7. | 環の準同型写像(2) ・環の準同型定理 | テキスト183ページの環の準同型写像の定義は,環Rの単位元が環R’への単位元に移ることを条件としていて,すこし強すぎる.私たちの定義には含まないことに注意しておくこと. |
8. | 中間試験(範囲は1〜7)おyび講評 | ここまでで学んだことを確認しておくこと. |
9. | 多項式環(1) ・次数 ・1変数多項式環 ・代入の原理 | 多項式についても,加法と乗法が成り立つことから,環を構成することができる.そこで,1変数で最高次数が3次の多項式の集合が確かに環になることを確かめておくこと. |
10. | 多項式環(2) ・除法の定理 ・モニック ・既約多項式 | 整数で成り立つ性質の多くが多項式環でも成り立つ.このことから,整数での問題を多項式環での問題に置き換えて解くことができるようになる. |
11. | 商体、一意分解整域(1) ・埋め込み ・商体 | 整数と有理数の関係を見ていると,一般の環にも分数を定義したくなってくる.そこで,有理数の性質を用いて,環に対して分数と同じような働きをするものを考えてみよう. |
12. | 商体、一意分解整域(2) ・既約元 ・素元分解の1意性 ・原始多項式 ・Eisenstein既約判定法 | 整数が素数の積で表されることは知っている.では,整域もみな素元の積で表されるのだろうか.素元の積で表されるものを一意分解整域というので,調べてみよう. |
13. | 有限体(1) ・拡大体 ・代数拡大 ・超越拡大 | 環の中で乗法に対しても群となるものを体という.その中で,元の個数が有限なものを有限体という.有理整数環の素元での剰余環は有限体であることを確認しておくこと. |
14. | 有限体(2) ・代数閉包 ・代数学の基本定理 | 2次方程式は判別式を用いることで,解が実数なのか,複素数なのかの判断ができる.ここで,重要なことは実数と複素数の間には2次式が必要であるということである.そこで,拡大体と既約多項式の関係について調べておこう. |
15. | 期末試験(範囲は1〜14)および講評 | ここまでで学んだことを復習しておくこと. |
・ | 授業終了後,研究室・講師室にて45分 |
・ | 知識活用力を育成する科目 |