Japanese / English

3M820500

生体分子化学特論1

Biomolecular Chemistry 1

開講部

大学院理工学研究科 修士課程

開講学科

応用化学専攻

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

特修

系列区分

特論

講義区分

講義
教授幡野 明彦この授業の2016年度のアンケートを参照

授業の概要

 本講義では,分子や超分子の動的構造を明らかにすることができる核磁気共鳴装置(NMR)の原理から測定方法,応用測定とチャート解析までを行い,研究室で実際に「使える」実学の修得を目指す.

 近年,「生物を利用して産業に生かして行こう」という動きが盛んである.生命は、生体分子が集合してできた複雑な組織体であり,分子の構造に働きがインプットされていると言っても過言んではない.生体分子の構造,すなわち,「物質の構造」,「生命と物質の相互作用」を理解できれば,病気の解明,体と薬物の相互作用,新素材の構造など,医学,薬学,化学,農学などの分野で問題となっているを明らかにする近道に成るであろう.
 本講義では,動的に分子構造,分子集合体の構造を解析する手法である核磁気共鳴法に焦点を当て,物質の動的構造を読み取るための知識を獲得する.

授業の目的

この授業の最終的な目的は,「NMRチャートから化合物を同定できる」ことと,「NMR装置を利用できる」様になることである。

達成目標

1.核磁気共鳴装置の原理,基となっている物理法則の理解
2.NMR チャート(プロトン,カーボン)の解析と分子構造の決定ができる.質量分析装置と合わせて利用する意味を理解する.
3.二次元 NMR である,COSY,NOESY,HMBC などのチャートを読み取ることができる.

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.ガイダンス,同位体,安定同位体と放射性同位体,イメージング シラバスを確認する
2.核磁気共鳴とは? 核磁気共鳴法について
3.化学シフトと積分 原子中の電子の振る舞いについて
4.スピンスピン結合 化学結合を介したエネルギーの移動について
5.複雑なスペクトル 電子スピンについて
6.スペクトルの温度依存性とジェミナルカップリング カップリングについて
7.演習問題と解説 復習しておくこと
8.中間試験と模範解答の解説 前半までの授業を復習しておくこと.
9.H-H COSY 二次元NMRについて
10.H-C COSY(HMQC) 相関ピーク
11.HMBC(遠隔カップリング) 結合が伸びた原子同士のカップリング
12.NOE(核オーバーハウザー効果) 空間を介した原子のカップリング
13.DNA の構造評価のための核磁気共鳴装置 DNA の構造について
14.DNA 二重らせんの融解温度測定と核磁気共鳴装置 DNA の構造と性質
15.定期試験と解説 後半部分の試験を行う.

評価方法と基準

定期試験35%,中間試験35%,レポートと演習40%の配分で評価し,総合点60%以上を合格とする。

教科書・参考書

参考:NMR,田代充,共立出版
参考:これなら分かる NMR,安藤喬志ら,化学同人
参考:これならわかる二次元 NMR,福士江里ら
参考:NMR 分光法,阿久津秀雄ら,日本分光学会編
参考:プログラム学習 NMR 入門,竹内敬人,講談社

履修登録前の準備

実際に NMR を日常利用している研究室からの受講が望ましい.

学習・教育目標との対応

毎回出席することを原則とし,有機合成実験後に自分が推定した分子が合成できているのか?を,NMR を測定し,そのチャートの作り方,チャートの読み方が自主的にできるよう,構造決定できるようにトレーニングする.最終的には,二次元 NMR のチャートが解析できるようになる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

暇なときはいつでも来てください.

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合 5%)

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

知識活用力を育成する科目
対課題基礎力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上

最終更新 : Tue Jun 06 04:01:14 JST 2017