Japanese / English

6M003900

量子情報科学特論

Quantum Information Science-Introduction

開講部

大学院理工学研究科 修士課程

開講学科

システム理工学専攻

開講学年

1年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

特修

系列区分

特論

講義区分

講義
准教授木村元この授業の2016年度のアンケートを参照

授業の概要

本講義は「量子力学」及び「量子情報科学」の入門的講義である.

量子情報科学とは,原子などの微視的な世界の基礎法則である量子力学を利用する新しい情報科学である.量子の性質を情報処理に応用すると,現代暗号の主流となっているRSA暗号を一瞬で解読したり(量子コンピュータ),絶対に盗聴されることのない暗号(正確には鍵配送)を作ることができたり(量子暗号),さらには,物体(の状態)を遠隔地に転送するテレポーテーションまでもができるようになる.そのため,量子情報科学は近未来の情報テクノロジーとなることが期待されている.

なお,授業は量子力学や情報学の入門も含むため,必要とされる予備知識は簡単な確率論や線形代数学くらいである.

授業の目的

量子情報科学では,古典物理学とは全くことなる量子力学的概念,記述,使用法が用いられる.
本講義では,これらの基礎を学ぶことにより,学生が近未来の情報処理のパラダイムシフトにも対応できることを目指す.

達成目標

1.量子力学の考え方や使用法を理解する.
2.量子力学の不思議さを理解する.
3.量子力学の情報処理への応用を理解する.

授業で使用する言語

日本語(英語対応も可)

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.量子情報科学とは 量子情報科学について調査する
2.確率論としての量子力学 確率論を復習する
3.数学と表記法の準備(Hilbert空間,Diracの表記法) ベクトル空間(次元,基底,内積など)を復習する
4.量子力学の基礎I(Bornの確率規則) 物理学における,状態,測定の概念を調べる.
5.量子力学の基礎II(Schrodinger方程式) 物理学における時間発展の概念を調べる.
6.量子力学の基礎II(合成系の記述) テンソル積とは何か調べる
7.量子暗号I(暗号方式の説明) 暗号学における共通鍵,ワンタイムパッド方式を調べる.
8.量子暗号II(量子鍵配送の説明) 鍵配送問題を調べる.
9.量子テレポーテーション 物質をテレポートするとは何をすれば良いか考える.
10.量子計算I(アルゴリズム) 古典計算におけるアルゴリズムとは何かを調べる.
11.量子計算II(量子計算の定式化) 古典計算の定式化を調べる.
12.量子計算III(Deutshの問題) これまでの復習.
13.量子計算IV(ShorのアルゴリズムとRSA暗号) 公開鍵暗号とRSA暗号を調べる.
14.量子力学の解釈I(Bellの定理) 実在とは何か考える.
15.量子力学の解釈II(Kochen-Speckerの定理) 量子力学の不思議さの応用について考察する.

評価方法と基準

テストとレポート.

教科書・参考書

参考書:「マーミン 量子コンピュータ科学の基礎」N.D.Mermin(著),木村元(訳)(丸善,2009)「量子情報科学入門」石坂 智・小川 朋宏・河内 亮周・木村 元・林 正人(著)(共立, 2012)

履修登録前の準備

確率論と線形代数の復習.

オフィスアワー、質問・相談の方法

随時.できるだけ事前にメールでアポイントを取ること.

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

対課題基礎力を育成する科目
知識活用力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上

・画面の表示が崩れている場合は等幅フォントを使用してください

最終更新 : Sat Sep 24 07:49:39 JST 2016