Japanese / English

A0150100

機械要素

Machine Element

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義

教育目標

D-3
准教授二井信行この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

「機械要素」とは,文字通り機械を構成し,機械に必要な機能を担っている要素である.担う機能は,固定,支持,案内,伝動,制御,シール,潤滑・・・など,多様である一方,様々な製品で共通に持つべきものである.このため,機械等の設計を行うときに便利な共通に使える部品としての機械要素が,長い歴史の中で発展し,今もなお発展し続けている.

機械を設計するにあたって,使うべき機械要素を理解し,選定することが必要となるため,機械要素の理解は,機械設計の要素である.一方,機械要素そのものの歴史・種類・製造法・設計法・選定法・評価法について学ぶことは,機械だけでなく様々な工業的な製品の設計にも有用である.つまり,機械要素の理解が,機械の部品の理解に終わらず,機械そのものの理解や設計の能力をあげることにつながる.

本授業では,多くの機械要素から,とくに機械工学の観点からいって重要な「ねじ,軸,軸受,歯車」の4つの機械要素に注目してその解説を行う.ねじ,軸,軸受,歯車は,機械工学が確立するはるか前から広く使われてきた部品であり,それが機械工学の力を得て体系化され,互換性を持ち,一定の計算をすればだれでも信頼性よく使えるいわば「4大機械要素」として確立したものである.また,これらの要素を組み合わせた機械要素も存在する(たとえば,ボールねじは,ねじ+軸+軸受の3つの要素をもつ複合的な機械要素である).

このため,この4つの機械要素について学ぶことは,その体系性ゆえに機械設計の基礎となり,他の機械要素を理解するための基礎ともなり,その歴史と種類ゆえにもっと広い意味での製品設計を理解することにもつながる.

授業の目的

機械を構成する主要な機械要素「ねじ,軸,軸受,歯車」について,その発展の状況,種類,製造法,入手・取付法,応用分野を学び,製品設計全般に役立つ広い理解を得る.

また,

機械を構成する主要な機械要素「ねじ,軸,軸受,歯車」について,その力学的原理,選定法,強度や安全性の評価の方法を学び,機械の基本設計に役立つ深い理解を得る.

達成目標

1.機械要素・機械・機械設計の3者の関係,機械要素に本質的に求められる機能とその種類を説明できるようになる.
2.4大機械要素(ねじ,軸,軸受,歯車)の歴史,応用分野,使用方法,そして力学的な原理について説明できるようになる.
3.機械設計を伴う課題から,4大機械要素(ねじ,軸,軸受,歯車)をいかに選択・設計し,かつ要求仕様を満たすかどうかを評価することができるようになる.

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.機械・機械要素・機械設計とは
○シラバス解説
○機械・機械設計とは何か
○機械要素とその意義
教科書第1章1.5までに目を通し,「機械設計」が「機械要素」に求めているものを考えてみる
2.機械要素理解の予備知識
○精度と公差
○工業材料
○機械部品の運動と拘束に関する基本
教科書第1章1.6を読んでおく.
教科書第2章2.3.1までに目を通し,機械材料の種類と応力-ひずみ線図についての説明を理解しておく.
3.ねじの概要と使用法
○ねじの歴史と応用分野
○ねじの種類
○ねじの規格と表し方
教科書第3章3.2.4までに目を通し,ねじの定義について考え,多種多様なねじをどのように分類・規格化しているのかを自分なりに整理してみる
4.ねじの力学
○軸力と締付トルクの関係
○最大締付軸力
○ねじ山の強度
教科書第3章3.2.5~3.2.7に目を通し,ねじを締める力と,ねじが物体を固定する力との関係について考えてみる
5.ねじ締結材の設計
○内外力比・締付け線図
○ねじのバネ定数・へたり係数
○ねじの緩み止め
教科書第3章3.2.8~3.2.10に目を通し,どのようなファクターを計算するのかを自分なりに整理してみる
6.軸の種類と強度
○軸の種類
○ねじりと曲げによる軸の応力
○強さを基準とした軸径の選定
教科書第4章4.1.4までに目を通し,軸の材料と直径を決めるのは何かを,自分なりに整理してみる
7.軸の剛性
○こわさを基準とした軸径の選定
○回転軸の危険速度
○付加質量をもつ軸の危険速度
教科書第4章 4.1.5-4.1.8に目を通し,引き続き,軸の材料と直径を決めるのは何かを,自分なりに整理してみる
8.中間試験と解説 今までの復習を行う.
9.軸継手
○軸継手の必要性
○軸継手の種類
○軸継手の選定
教科書第4章4.2~4.4に目を通し,軸同士,あるいは軸と他の機械要素を結合するものにはどのようなものがあるのかを,自分なりに整理してみる
10.転がり軸受
○軸受の種類と特徴
○転がり軸受の種類と使用法
○転がり軸受の疲れ寿命
教科書第5章5.2までに目を通し,軸受の使い分け方について考えてみる
11.すべり軸受
○自己潤滑軸受
○境界・混合潤滑軸受
○流体潤滑軸受
教科書第5章5.3に目を通し,潤滑方法とすべり軸受の選択に重要な点を自分なりに整理する.
12.歯車の概要
○歯車の歴史
○歯車各部の寸法の定義
○かみあい率
教科書第6章6.2.5までに目を通し,歯車を使う理由,歯車を規定する要素にはどういうものがあるかを自分なりに整理してみる
13.平歯車のバックラッシと転位
○バックラッシ
○かみあい圧力角
○切り下げと転位
教科書第6章6.2.6~6.2.10に目を通し,歯車どうしをうまくかみ合わせるために考慮すべきことについて,自分なりに整理してみる
14.歯車の強度
○歯車の材料
○曲げ強さ
○面圧強さ
教科書第6章6.2.11に目を通し,歯車を強度から選定する方法について,自分なりに整理してみる
15.期末試験と解説 中間試験の結果を踏まえて,学習方法を反省する.
今までの復習を行う.

評価方法と基準

中間試験(40%)、期末試験(60%)の割合で評価し、100点換算の 60 点以上で単位取得とする.

教科書・参考書

教科書:吉本・下田他「機械設計〜機械の要素とシステムの設計」理工学社(オーム社)
(この教科書は,後期の「機械要素設計」でも用いる)
参考書:Mott “Machine Elements in Mechanical Design 4th ed.”, Pearson Prentice-Hall

履修登録前の準備

教科書を入手する(講義は,教科書が手元にあることを前提とする)

学習・教育到達目標との対応

1.(D-3)機械を製作し運用するために必要な工学特有の手法(計測,制御,設計,加工,ICTなど)に習熟し,それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業直後に質問等を受け付ける(10分~20分程度)

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

社会的・職業的自立力を育成しない科目

アクティブ・ラーニング科目

該当しない

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Sat Sep 24 08:00:33 JST 2016