Japanese / English

A0260800

流体力学1

Fluid Mechanics 1

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択必修

系列区分

専門

講義区分

講義

教育目標

D-2
教授角田和巳この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

【学修内容】流体(fluid)は気体や液体の総称で,わずかな力でも変形しやすいという特徴を持つ.もちろん,固体も力を加えれば変形するが,弾性変形の範囲内であれば,力を取り除いたとき元の状態に戻る.しかし,流体ではそのようなことは起こらず,力を加えた結果,運動が生じる(したがって変形しやすい).このとき,流体に作用する力と流体の変形速度との間にはある種の関係が成立し,その関係が比例関係となるような流体のことを「ニュートン流体」とよぶ.水や空気は,ニュートン流体の代表例である.本授業では,ニュートン流体の運動を支配する物理法則(質量,運動量,エネルギーの保存原理)を十分理解した上で,それを数理的に記述する方法について学修する.
【学修方法】履修者の主体的・能動的な学修を中心に授業を進める.シラバスに提示された事前学習(予習ビデオの視聴,指定課題の作成)を行うことが前提で,事前学習で解説した内容を教室で繰り返し説明することはしない.事前学習で理解できなかった事項,疑問を持った内容は,教室内での演習や質問によって解決してもらいたい.
以上のような主体的学修では,毎回の学修内容をどこまで理解できたのか,目に見える形で振り返ることが有効である.そのため,初回の授業で目標達成度のチェックシートを記載した詳細シラバスを配付する.授業の進展にあわせて学修項目の達成度を毎週チェックシートに記入しておくこと.自己点検結果は,講義最終日に達成度入力フォームから提出してもらいます.

授業の目的

輸送機器や流体機械など,流体と相互作用しながら機能する機器は数多く存在し,それらを安全かつ効率的に運転するためには,粘性を考慮した実在流体の力学を深く理解していることが求められる.そこでこの授業では,ニュートン流体(以下,単に流体とよぶ)の運動法則を理解し,それを微分方程式で記述する方法について学ぶことを第一の目的とする.また,その微分方程式を用いて,代表的な流体運動の説明および圧力損失などの評価ができるようになることを第二の目的とする.

達成目標

1.粘性や圧縮性など流体のもつ基本的な性質について説明することができる.
2.流れの解析方法に関する基礎的な考え方を理解し,流体要素の挙動について調べることができる.
3.流体の基礎方程式である連続方程式および運動方程式を導くことができる.
4.理想流体のポテンシャル流について複素ポテンシャルを計算することができ,様々な条件における流線を描くことができる.
5.非圧縮性粘性流体の流れの性質を理解し,その速度分布やパイプライン輸送における圧力損失等を計算することができる.

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.流れの性質
  連続の条件,粘性,圧縮性、Newtonの摩擦法則
教科書のp1-6を目を通す
2.流れの解析方法
  Lagrangeの方法,Eulerの方法
教科書のp6-9を目を通す
3.流体要素の変形(1)
  伸長速度、すべり速度、渦度,渦運動
教科書のp9-13を目を通す
4.流体要素の変形(2)
  粘性流体における応力
教科書のp14-17を目を通す。第1章の演習問題を予習
5.基礎方程式(1)
  連続方程式
教科書のp19-21を目を通す
6.基礎方程式(2)
  Navier-Stokesの運動方程式
教科書のp21-23を目を通す
7.循環とStokesの定理
  循環の定義、Stokesの定理の導出
教科書のp13-14を目を通す。
8.理想流体のポテンシャル流(1)
  速度ポテンシャル、流関数、流線、等ポテンシャル線、複素ポテンシャル
教科書のp31-35を目を通す
9.理想流体のポテンシャル流(2)
  初等関数によって表わされる流れ
教科書のp35-41を目を通す
10.理想流体のポテンシャル流(3)
  円柱まわりの流れ
教科書のp42-44を目を通す
11.理想流体のポテンシャル流(4)
  Magnusの効果、Kutta-Joukowskiの定理、抗力、揚力
教科書のp44-46を目を通す。第3章の演習問題を予習
12.非圧縮性粘性流(1)
  クエット流れ、2枚の平行板間の定常流れ
教科書のp55-57を目を通す
13.非圧縮性粘性流(2)
  円管内の定常流れ
教科書のp58-60を目を通す
14.非圧縮性粘性流(3)
  Hagen-Poiseuilleの法則、抵抗係数
教科書のp60-62を目を通す。第4章の演習問題を予習
15.流体力学1のまとめ 教科書第1章から第4章までの演習問題を復習

評価方法と基準

【評価方法】「流体要素の変形」「基礎方程式の導出」「理想流体のポテンシャル流および様々な条件における流線」「非圧縮性粘性流体の解析およびHagen-Poiseulleの法則」に関する問題を演習,小テスト,期末試験で出題し評価する.演習・小テスト40点満点・期末試験60点満点の配分で評価し,総合点60点以上を合格とする.
【評価基準】与えられた問題に対し,「適用する原理や概念の選択」「解答方針の決定」「最終解に到る計算」の各プロセスが,概ね正しく実行できることを合格基準(60点)とする.

教科書・参考書

岡本史紀著「工学の基礎 流体力学」森北出版を教科書として使用する.

履修登録前の準備

微積分,複素関数,流れ学1を履修しておくことが望ましい.

学習・教育到達目標との対応

1.(D-2)機械の運動機構や動特性,構造や強度,物質・運動量・エネルギーの流れなど,機械工学の基盤技術に関わる物理現象を自然科学の法則に基づいて理解し,現象の予測や解析を行うことがきる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

毎週木曜日(12:10〜13:00)

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

社会的・職業的自立力を育成しない科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加による授業が概ね半数

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Sat Sep 24 07:43:26 JST 2016