Japanese / English

A0521300

機械工学実験

Experiment in Mechanical Engineering

開講部

工学部

開講学科

機械工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

必修

系列区分

専門

講義区分

実験

教育目標

D-3
教授角田和巳
教授内村裕この先生のアンケート一覧を参照
教授佐伯暢人
准教授坂上賢一
教授諏訪好英
教授松尾繁樹
教授矢作裕司
教授山田純

授業の概要

【授業概要】
本授業は,専門科目で学んできた基礎事項(材料力学,流体力学,熱力学,機械力学,制御工学などで扱う種々の物理現象や手法)について実験を行い,自らの体験を通じて様々な物理現象を理解するとともに,データの処理方法,測定機器の原理や扱い方等について取得することを目的としている.
実験テーマは年度毎に発表するので,初回のガイダンスには必ず出席しなければならない.ここでは参考として,2015年度に実施するテーマ・担当者・実験概要を紹介する.

授業の目的

専門科目で学んできた基礎事項(材料力学,流体力学,熱力学,機械力学,制御工学などで扱う種々の物理現象や手法)について実験を行い,自らの体験を通じて様々な物理現象を理解するとともに,データの処理方法,測定機器の原理や扱い方等について取得することを目的とする.

達成目標

1.測定機器を適切に使用し,機械工学に関する基礎的な実験を正確に行うことができる.
2.取得したデータを整理し,グラフや表を用いて実験結果を表現することができる.
3.計算プログラムやソフトウェアを利用して,取得したデータの処理や解析を行うことができる.
4.実験で得られたグラフや表から,測定された諸現象に関して理論的な考察を行うことができる.

授業で使用する言語

日本語

授業計画

【機械工学総合試験】
実験内容の理解に必要な機械工学の基礎知識を確認し,それらの到達度を自己点検するため,初回の授業で「機械工学総合試験」を実施する.対象科目は,材料力学,機械力学,流れ学,熱力学,設計製図とし,2年間の学習範囲から基本的な問題を英文で出題する.
【ガイダンス】
(1)実験ガイダンス
スケジュール,班分け,評価方法,実験テーマごとの注意事項,実験全般の注意事項等について説明する.詳細な資料(実験実施計画)は,ガイダンス当日に配布する.
(2)図書館利用ガイダンス
実験の予習やレポート作成を行う過程で,文献や資料の収集は不可欠な作業である.そこで,本学の図書館機能について紹介し,文献検索の手法や引用にあたっての注意事項など,文献活用に必要な知識を説明する.
【実験テーマ】
2014年度に実施する実験6テーマについて,その概要を以下に紹介する.実験はスケジュールにしたがって,班ごとに実施する.下記の概要を参考にして,必ず予習を行うこと.
実験レポートは,実験の翌週に提出する.レポートは,各実験担当の教員またはTAの指示に従って修正や追加を行い,指定された期日までに完成させて提出しなければならない.単位取得のためには,全テーマの完成レポートを提出することが必要である.
(1)マッハツェンダー干渉計を用いた温度場の可視化(山田)
 物理現象の把握には,対象となる現象の観察(物理量の測定)が不可欠である.その測定には,被測定対象に何らかのプローブを挿入して測る接触式(例えば,熱電対を用いた温度測定)と,対象に触れずに測る非接触式とがある.ここでは,レーザーを用いた代表的な温度場の測定(可視化)技術の原理と実際について学ぶ.
(2)摩擦振動(佐伯)
 機械の設計や製作,保守において,機械に発生する振動は非常に重要な問題となる.そこで,本実験では機械の振動問題で基礎となる1自由度の摩擦振動系をなす実験装置を用いて,振動の基本について理解を深めるともに,その計測法について修得する.また,計測結果から運動摩擦係数を求め,その特性についても検討する.
(3)不確かさ解析(角田)
 計測に関わる問題はどのような科学技術分野においても基本的なテーマであり,計測したデータを正しく解釈することが常に要求される.したがって,信頼のおける計測の評価基準について理解し,その評価基準を正しく適用できることが必要である.そこで本実験では,簡単な測定を通じて計測データの統計的な取り扱いを経験し,「不確かさ解析」の手法に習熟することを目的とする.
(4)温度計測(矢作)
 温度は非常に重要な物理量であり,温度を正確に測定することは現象を定量化する上で重要なことである.温度計測には,様々な手法が用いられるが,それぞれ長所短所があり,その測定上の特性をよく理解しておくことが重要である.本実験実習テーマでは,温度測定装置を製作し,温度測定の概念を体験的に学ぶ.
(5)周波数解析とデジタルフィルタ(内村)
 機械振動や電波などの振動現象を周波数領域で解析するための理論および手法について修得することを目的とする.このなかで,A/D変換によって離散時間で信号を実際にサンプリングしたのち,自ら作成したプログラムによってデジタルフーリエ変換および高速フーリエ変換(FFT)によってスペクトル解析を行う.また,データに含まれるノイズを除去するためデジタル・ローパスフィルタを構築し,フィルタの効果について学ぶ.
(6)電気回路の基礎(坂上)
 力,温度,圧力などの力学量の計測では,測定する力学量を何らかのセンサーで電圧に変換して測定することが多い.また,得られる電圧が微小な場合,電圧を増幅する等の操作が用いられる.そのため機械工学分野においても,実験計測を行うには電気回路の基礎を理解しておくことは必要である.本実験では,交流回路の理論と実験計測により電気回路の基礎を学ぶ.
(7)物体に働く抗力の測定(諏訪)
 飛翔体や自動車などの設計には,流体による抗力について理解する必要がある.また流体の抗力は,液中・気中での物質の分散挙動等を理解する上でも重要である。本実験では、球を一様流中に設置したり静止流体中を沈降させたりしてこれに働く抗力および抗力係数を測定し、レイノルズ数に対する値の変化を考察する.さらに形状,表面粗さの異なるさまざまな物体についても同様の測定を行い,抗力の違いを比較する.

評価方法と基準

機械工学総合試験の得点,実験ノート,実験レポートの完成度に基づき,下記の配点に従って採点を行う.
(1)機械工学総合試験:10点
(2)実験ノート:10点
(3)初回提出時の実験レポート完成度:20点
(4)最終的な実験レポートの完成度:60点
以上の合計100点満点で採点し,全テーマの平均値が60点以上を合格とする.
ただし,初回レポートを指定期日までに無断で提出できなかった場合は20点減点,初回提出日および再レポート提出で指定された期日に無断で遅れた場合は,1日遅れるごとに2点減点とする.

教科書・参考書

機械工学科で作成した指導書を使用する.

履修登録前の準備

2年次までの必修科目をすべて取得していることが望ましい.
実験を行うにあたり,事前に指導書を熟読しておくこと.各実験の事前課題等はガイダンス時に説明する.

学習・教育到達目標との対応

1.(D-3)機械を製作し運用するために必要な工学特有の手法(計測,制御,設計,加工,ICTなど)に習熟し,それらを問題の状況に応じて適切に使うことができる.

オフィスアワー、質問・相談の方法

各実験担当より指定された時間

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

知識活用力を育成する科目
対課題基礎力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加による授業が大部分

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Sat Sep 24 08:01:58 JST 2016