Japanese / English

G0080700

電気回路3

Electric Circuits 3

開講部

工学部

開講学科

電子工学科

開講学年

2年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

必修

系列区分

専門

講義区分

講義

教育目標

D
教授本間哲哉この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

電気回路3では、過渡現象と分布定数回路について講義する。

過渡現象:
 電気回路では、電源の波形が定常状態から急激に変化したり、スイッチのオン、オフで回路素子の電圧や電流が変化したりすることを過渡応答という。この過渡応答は変化直前の初期状態と深くかかわり、本講義では、R,L,C素子で構成された電気回路の過渡応答を微分方程式を用いて解析する。

分布定数回路:
 これまでの電気回路の素子は大きさをもたず空間の一点に存在する集中定数回路として取り扱ってきた。しかし信号の周波数が高く波長が回路の大きさより短くなるとR,L,C素子は空間的に分布する分布定数回路としての取り扱いが必要となる。ここでは送電線や通信線などの伝送線路の電圧や電流について解析する。

授業の目的

本講義の目的は、R,L,C素子で構成された電気回路の過渡応答の解析手法、送電線や通信線などの伝送線路(分布定数回路)の電圧・電流の解析手法を修得することにある。

達成目標

1.直流または交流電源におけるRCまたはRL直列回路の過渡現象の概念が理解できる。
授業計画1,2
2.直流電源におけるLCまたはRLC直列回路の過渡現象の概念が理解できる。
パルス電源におけるRCまたはRL直列回路の過渡現象の概念が理解できる。
授業計画3‐5
3.分布定数回路と波動の基本概念が理解できる。
無損失分布定数回路と境界点での電圧波と電流波の概念が理解できる。
授業計画7,8
4.分布定数回路の定常解析の概念が理解できる。
分布定数回路の特性インピーダンスと分布定数回路の境界条件の概念が理解できる。
授業計画9,10
5.反射のある分布定数回路で、開放と短絡時の場合について理解できる。
伝送線路の共振と定在波の概念について理解できる。
授業計画11‐14

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.RC回路の過渡現象
  ・直流電圧源でのRC直列回路の過渡応答
  ・1階微分方程式の解法
  ・初期条件、未定係数、時定数
  ・電気回路と微分方程式
  ・定常解、過渡解
  ・交流電源でのRC直列回路の過渡応答
  ・1階微分方程式の解法
  ・初期条件、未定係数
  ・定常解、過渡解
教科書:第6章のpp.200-209を予習しておくこと。
2.RL回路の過渡現象
  ・直流電圧源でのRL直列回路の過渡応答
  ・1階微分方程式の解法
  ・初期条件、未定係数
  ・過渡解、定常解
  ・交流電源でのRL直列回路の過渡応答
  ・1階微分方程式の解法
  ・初期条件、未定係数
  ・過渡解、定常解
教科書:第6章のpp.209-212を予習しておくこと。
3.RC並列回路、RL並列回路の過渡現象
  ・直流電源でのRC/RL並列回路の過渡応答
  ・1階微分方程式の解法
  ・初期条件、未定係数
  ・過渡解、定常解
教科書:第6章のpp.200-212を復習しておくこと。
4.LC回路の過渡現象
  ・直流電圧源でのLC直列回路の過渡応答
  ・2階微分方程式の解法
  ・初期条件、未定係数
  ・過渡解、定常解
  ・振動現象
 小テスト(1)(RC・RL回路の過渡現象)
教科書:第6章のpp.215-217を予習しておくこと。
5.RLC回路の過渡現象
  ・直流電圧源でのRLC直列回路の過渡応答
  ・2階微分方程式の解法
  ・初期条件、未定係数
  ・過渡解、定常解
  ・振動現象
教科書:第6章のpp.217-220を予習しておくこと。
6.パルス回路の過渡応答
  ・RC直列回路におけるパルス電圧の過渡応答   
  ・RL直列回路におけるパルス電圧の過渡応答
  ・積分回路と微分回路
 小テスト(2)(RLC回路・パルス回路の過渡現象)
教科書:第6章のpp.222-225を予習しておくこと。
7.中間試験および解説
・試験範囲:授業計画1〜6、ウエイト;授業計画1〜3:50%、授業計画4〜6:50%(達成目標1、2について評価)
・試験終了後に解説する。
・教科書、ノート等は参照不可、電卓使用可
教科書:第6章を復習しておくこと。特に、例題・ドリル問題・演習問題を解き理解を深めておくこと。
8.分布定数回路と波動
  ・伝送線路の等価回路
  ・分布定数回路の回路方程式
  ・偏微分方程式の解
  ・電圧波、電流波
  ・無ひずみ分布定数回路、無損失分布定数回路
  ・前進波、後退波
教科書:第7章のpp.227-232を予習しておくこと。
9.無損失分布定数回路
  ・波動方程式
  ・波動方程式の解
  ・伝搬速度
  ・境界点での電圧波と電流波
  ・入射波、反射波、透過波
  ・特性インピーダンス
  ・反射係数と透過係数
 小テスト(3)(分布定数回路の回路方程式・波動方程式)
教科書:第7章のpp.232-235を予習しておくこと。
10.分布定数回路の定常解析
 交流電源と分布定数回路
  ・複素正弦波電源接続時の回路方程式
  ・2階微分方程式の解
  ・電圧波、電流波
  ・伝搬定数、減衰定数、位相定数
教科書:第7章のpp.236-238を予習しておくこと。
11.分布定数回路の特性インピーダンス
  ・特性インピーダンス
  ・分布定数回路の境界条件
  ・任意の位置での電圧波と電流波
  ・終端抵抗と整合
教科書:第7章のpp.238-240を予習しておくこと。
12.反射のある分布定数回路
  ・有限長の伝送回路
  ・任意の終端抵抗の接続
  ・終端の開放
  ・終端の短絡
 小テスト(4)(交流電源接続時の分布定数回路、特性インピーダンス)
教科書:第7章のpp.242-244を予習しておくこと。
13.伝送線路の共振
  ・インピーダンス特性
  ・共振の条件
教科書:第7章のpp.244-246を予習しておくこと。
14.分布定数回路の共振、伝搬現象、定在波 教科書:第7章のpp.247-250を予習しておくこと。
15.期末試験および解説
・試験範囲:授業計画8〜14、ウエイト;授業計画8〜10:50%、授業計画11〜14:50%(達成目標3、4、5について評価)
・試験終了後に解説する。
・教科書、ノート等は参照不可、電卓使用可
教科書:第7章を復習しておくこと。特に、例題・ドリル問題・演習問題を解き理解を深めておくこと。

評価方法と基準

科目の合否は、講義時の小テスト4回(各5点)、中間試験(40点)、期末試験(40点)の合計得点で評価し、合計得点が60点以上を合格とする。

教科書・参考書

教科書:「電気回路」金原粲 発行/実教出版

履修登録前の準備

微分方程式の基本的な理解、「電気回路1・2」の範囲の内容を良く読み返す。
予習・復習を怠らないようにする。

学習・教育到達目標との対応

1.(D)電子工学に関する基礎知識と、応用する能力を身につける。

オフィスアワー、質問・相談の方法

月曜は大宮校舎、火〜金曜は豊洲校舎(09-N-25)で、講義時間以外

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

社会的・職業的自立力を育成しない科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上

・画面の表示が崩れている場合は等幅フォントを使用してください

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Sat Sep 24 07:44:47 JST 2016