Japanese / English

H0780000

水理学2

Hydraulics 2

開講部

工学部

開講学科

土木工学科

開講学年

3年次

開講時期

前期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義

教育目標

D
教授宮本仁志この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

[授業の概要]
「流れの力学」「水理学1」で学んだ流体力学・水理学に関する基礎知識をもとにして、時々刻々変化していく流れの力学的挙動を数理的に表現するための水理学の講義と演習を行う。河川の洪水流や河床の変化、津波やセイシュなどの波動現象への適用を通して、流体力学・水理学の理論がどのように現実的な水圏環境問題を分析していくのかを学ぶ。さらに最後には、モデルを用いた解析と実際の自然現象をつなげる相似法則の考え方を習得する。

[キーワード]
非定常流れ、洪水流、流砂、波動、相似法則。

授業の目的

・開水路の非定常流れを解析するため理論を理解し、洪水流の解析手法を身につける。
・河川における流砂や土砂輸送の現象を理解し、河床変動の解析手法を習得する。
・波を解析するための力学的理論を理解し、海洋・沿岸域における波動現象を解析する手法を身につける。
・実験や数値解析の結果を実際の自然現象と結びつけるための次元解析・相似法則の方法を身につける。

達成目標

1.開水路における非定常流れの基礎方程式を誘導し、洪水波の下流への伝播過程を分析できる。
2.河床形態や土砂移動の限界状態の考え方を理解し、河川における河床変動を解析することができる。
3.波動の微小振幅波理論を理解し、海洋の津波や湖沼のセイシュの伝播過程を分析できる。
4.実水域の流れと力学理論・室内実験とを結びつける次元解析の方法を理解し、相似法則を説明できる。

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.イントロダクション (講義ガイダンス)
 シラバス・講義内容・評価方法・オフィスアワーの説明
 水理学2を学ぶことの意義
講義シラバスを事前に通読
2.開水路の非定常流 その1 (洪水流)
 基礎方程式の誘導
 段波
 Kleitz-Seddonの法則(洪水の伝播速度)
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
3.開水路の非定常流 その2 (洪水波と特性曲線法)
 Kinematic Wave, Diffusion Wave and Dynamic Wave
 特性曲線の理論と解法
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
4.開水路の非定常流に関する演習 予め配布する演習問題を講義時間のおわりまでに解答し、提出できるように準備
5.流砂の水理学 その1(河床形態)
 河床の形態分類
 限界掃流力
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
6.流砂の水理学 その2(土砂輸送)
 掃流・浮遊による土砂の輸送
 河床変動解析
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
7.流砂の水理学に関する演習 予め配布する演習問題を講義時間のおわりまでに解答し、提出できるように準備
8.中間試験とその解説 前半の講義内容の復習と理解の向上
9.波動の水理学 その1(微小振幅波理論その1)
 非回転流と速度ポテンシャル
 微小振幅波理論
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
10.波動の水理学 その2(微小振幅波理論その2)
 分散関係
 重複波
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
11.波動の水理学 その3(波のエネルギーと津波・セイシュ)
 波動のエネルギーと群速度
 津波とセイシュ
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
12.波動の水理学に関する演習 予め配布する演習問題を講義時間のおわりまでに解答し、提出できるように準備
13.相似法則
 次元解析の手法
 相似法則
 Reynoldsの相似則・Froudeの相似則
教科書の該当部分/配布資料を事前に通読
14.相似法則に関する演習 予め配布する演習問題を講義時間のおわりまでに解答し、提出できるように準備
15.期末試験とその解説 講義内容全般の復習と理解の向上

評価方法と基準

成績は、講義の達成目標の理解度に対して、演習(30%)、中間試験(35%)、期末試験(35%)の結果を総合的に評価し、その評価が60%以上となったものを合格とする。ただし、演習を含む講義全体の出席率が80%未満の場合は評価の対象外とする。評価の基準は、講義の演習問題とその類似問題が確実に解けるようになれば60%のレベルに該当するものとする。

教科書・参考書

教科書:水理学 — 水工学序論 —,水工学研究会編,技報堂出版,259p, 1995.
参考書:明解 水理学,日野幹雄,丸善,345p,1983.
参考書:水理学,禰津家久・冨永晃宏,朝倉書店,319p,2000.

履修登録前の準備

「流れの力学」「水理学1」をはじめとした水工系科目および環境系の関連科目を履修しておくのが望ましい.関数電卓やPC(Excelなど)を用いて計算やプログラミングが出来るようになっていることが望ましい.

学習・教育到達目標との対応

1.D:土木材料系、構造工学系、地盤工学系、水工学系、土木計画系、土木環境系の専門基礎知識を体系的に習得する

オフィスアワー、質問・相談の方法

講義日の午前中.ただし,他に予定が入っている場合があるので,事前に宮本までe-mailにて予約を入れることが望ましい.
講義フォルダーに内容の追加説明や関連資料などをアップロードする.
この講義は、洪水や津波といった河川工学・海岸工学にでてくる重要トピックスを取り上げた内容である。出来るだけ研究の最前線を例示したり、現場の臨場感が伝えられるように工夫したい。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合25%)

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

知識活用力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Sat Sep 24 08:04:21 JST 2016