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02134301

基礎熱統計力学演習

Exercises in Thermal and Statistical Mechanics

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教授鈴木栄男
教授高河原俊秀この先生のアンケート一覧を参照
教授中村統太この先生のアンケート一覧を参照
准教授富田裕介この先生のアンケート一覧を参照

授業の概要

本授業は、対応する講義科目である「基礎熱統計力学」の演習授業である。物理学は、原
理や法則を学ぶだけでは真の理解は達成されない。法則とその応用例の間を行きつ戻りつ
することによって、徐々に理解を深めて行く必要がある。そのためには、演習問題を何度
も自分の手を動かして解くことが大事である。
そこで、本演習授業では、教科書の章末問題や演習プリントの問題などを解きながら、その日の授業で習ったことを復習する。毎回、レポート課題や小テストを課す。

授業の目的

熱力学の第一法則、第二法則を理解すること。
その法則をもとにして、さまざまな熱現象の具体的問題を解決するできる術を身につけること。
統計力学の基本原理を理解し、実際に実現する状態と確率とを結びつけて理解すること。
分配関数を求め、自由エネルギー、各種物理量の計算ができるようになること。

達成目標

1.熱力学の法則を理解し説明が出来る。
温度、エントロピー、自由エネルギーについて定義を説明することが出来る。
2.準静的過程の仕事の計算が出来る。
理想気体の比熱の計算が出来る。
3.カルノーサイクルについて説明し、必要な計算が出来る。
熱機関の効率などの計算が出来る。
4.古典統計力学の原理について説明できる。
5.2準位原子系、理想気体、調和振動子に関する分配関数、自由エネルギーを求め、物理量の計算が出来る。

授業で使用する言語

日本語

授業計画

1.温度と熱, 熱力学第1法則(1)
 ・ 温度と熱の定義
・ 熱力学第1法則と内部エネルギー
2.熱力学第1法則(2)
 ・ ゆっくり変化するときの仕事の計算
 ・ 定積比熱と定圧比熱の定義
3.熱力学第1法則(3)
 ・ 理想気体の比熱、マイヤーの関係式
 ・ 理想気体の断熱過程
4.熱力学第2法則(1)
 ・ カルノーサイクルとエントロピー
5.熱力学第2法則(2)
・ 可逆と不可逆
・ 内部エネルギーとエントロピーのフロー図
・ いろいろな熱機関の効率
6.熱力学第2法則(3)
 ・ エントロピー増大の法則と不可逆性
 ・ エントロピーの微視的意味
 ・ 熱力学第3法則
7.熱力学関数
 ・ 自由エネルギーと熱力学的変化の方向
・ 熱力学的恒等式
 ・ 相と相平衡
8.古典統計力学
 ・ 小正準集団(ミクロカノニカル)による定式化
 ・ ボルツマンの等確率の原理
 ・ 正準集団への拡張
9.正準集団の応用(1)
 ・ 2準位原子系
10.正準集団の応用(2)
 ・ 量子理想気体
11.正準集団の応用(3)
 ・ ギブスのパラドックス
 ・ 古典理想気体
12.正準集団の応用(4)
 ・ 古典調和振動子(固体比熱の古典模型)
13.正準集団の応用(5)
 ・ 量子調和振動子(固体比熱のアインシュタイン模型)
・ 2重鎖DNAの解け
14.総合演習
15.熱統計力学のまとめと期末試験

評価方法と基準

小テストやレポートなどの客観的評価による平常点(50%)
期末試験(50%)を合計100%として60%以上取得を合格とする。

教科書・参考書

教科書:
・「ゼロからの熱力学と統計力学」 和達三樹、十河清、出口哲生著 岩波書店

参考書:
・「例解 熱・統計力学演習」 戸田盛和・市村純 著 岩波書店

・「キッテル--熱物理学」第2版 キッテル著 丸善

履修登録前の準備

高校数学の微分積分の計算。特に合成関数の微分、積の微分、指数関数・対数関数の微分。
数列和の計算。
力学の運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの理解。
基底科目の物理学の認定を受けていることが望ましい。

オフィスアワー、質問・相談の方法

授業終了後適宜

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合10%)

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

知識活用力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加による授業が大部分

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応

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最終更新 : Sat Sep 24 07:47:02 JST 2016